美野子の生涯

すずりあ

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感覚

その日

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その日は 朝から雨。

高校1年の夏休み。

付き合ってる感じの先輩から うちに来ないか と電話があった。

学校では 目で追ってしまうくらい 大好きな 先輩、吹奏楽部の3年生。
いつも友達に囲まれて 笑顔が優しくて素敵な人。

バスに乗って 初めての先輩の家。
綿麻の白のブラウスシャツに えんじ色のスカート。
 

「今日は留守番なんだ。」

部屋の真ん中に 布団のない炬燵があった。
座って何気ないお喋り。
冷たい麦茶、グラスの滴を指で遊ぶ。

突然。

「俺の事 好き?」
「、、、えっ、、、。」

スッと 身体を寄せられた。

「、、、、、、。」

「大丈夫、じっとしてて。」
「、、、、え、、、、。」

胸の音が聞こえるんじゃないかと思うくらい 心臓がバクバクして 身体が固まった。

先輩の方なんて見れない。

何が、、、
起こる の、、、。

雨が窓ガラスを打つ 音。 
静か過ぎる。

先輩の気配が こんなに近くに、、。
じっと私を見ている?

口の中に 唾が溜まる。
飲み込むタイミングが 分からない。

暖かい手が 私の頬に。 

気付いたら 
唇が 私の唇に。

(え、、、、っ、、、!)

軽く唇が重なり 何度も何度も
唇が触れては 離れ 触れては 離れ。

(あっ、、
舌が、、。)

柔らかくて チロチロと動きながら舌が侵入してくる。

(んっ、、、
ん、、。)

初めての キス。

この 生暖かい感触、
優しく 粘膜と粘膜が重なって かすかに唾液が交わる。

先輩の手が 私の後頭部に。
引き寄せられながら。

これが キス、、。

長い時間だったように 思う。

唇が気持ちがいい とかじゃない、
でも 身体の芯が溶けていくような感覚だった。

「初めてなの?キス。」
「え、、、はい、、。」

ドキドキが止まらない。
驚きと 恥ずかしさと 期待と。

頬がほてるのが 分かる。
頭が ぼんやりしている。

「胸 触って いい?」
「、、、、、。」

そんな事 聞かないで欲しかった。

「え、、、、っ、、。」

恥ずかしいけど 先輩が触りたいなら。
触りたいなら。
触って欲しい。
 
小さく頷く。

ブラウスの上から 遠慮がちに まさぐる。
先輩も 慣れた手つきでは ない。
私は 動けない。

胸は大きな方だ、恥ずかしい。
もう少し可愛い下着を着けてくれば良かった。
ブラウスの上から ブラジャーの形をなぞるように さわさわと 掌が動く。 

今日この時を 私は 私の中の秘密の扉の奥で ずっと 待ち焦がれてたかも しれない、
そんな瞬間が 今 、この時 たった今、
確かに 現実になって いく。

胸の鼓動が 深くなり、下腹部から熱い液体が ゆっくり流れてくる。
静かに 膝に力を入れた。

ゆっくりと ブラウスのボタンが外されていく。
ひとつ、ふたつ、みっつ、、、。

少しづつ先輩の仕草に余裕が無くなってくる。
 
再び 唇が塞がれた、
熱い 深いキス。

私は じっと身を任せる。

「柔くて気持ちいいね。」  

吸い付くように 唇を重ね 舌が舌を追いかけてくる。 
先輩の右手は もうプラの中まで。

初めて 男性に触られている。
大きな掌、長い指。

むにゅむにゅ ふわふわ さわさわ。

「暑いの?汗かいてるね。」

そう言いながら ブラウスを脱がせ プラのホックを 外そうと 先輩の両手が背中にまわる。

恥ずかしい。
先輩に 誰にも見せた事のない 胸を 今 まさに 晒そうとしている。
そのまま ゆっくりと 押し倒されていく。

私は どうなってしまうの。
さっきまでの私、
バスに乗ってた私、
たわいない お喋りをしていた 私。

次の瞬間 また次の瞬間 
違う私になっていく。

「俺を見て。」

私は今 どんな顔をしているんだろう、
ちゃんと可愛く見えてるだろうか 前髪は大丈夫だろうか。
眩しいような表情で 先輩を見る。

「可愛いよ、好きだよ。」

「いい、、、ね?、、。」

激しい 羞恥、不安と躊躇の葛藤、
私は ゆっくりと まばたきで頷く。


雨の音は もう聞こえない、先輩がシャツを脱いでいる。
デニムのベルトを外す音。


体と体が 肌と肌が触れ合う。
抱きしめ合う この温度が 自分が女だと実感させていく。

唇 首筋 鎖骨 乳房 、、。
先輩の指先の道を 湿った舌先が 這う。

「ぁぁ 、、、、っ、、。」

小さな吐息が 漏れてしまう。

「、、、はぁぁ、、、ぁぁ、、。」

肌が紅潮していく。
薄桜色に染まっていく。

乳房を先輩の手のひらが おおう。
むにゅむにゅと やんわり揉まれながら 体が腰から のけぞって いく。

乳房を持ち上げられながら 乳首を 舐められた 瞬間、
私は 何かに堕ちた音が聞こえた。

「はぁっ、、、、!」

乳首から 脳の真ん中、そして子宮の奥から膣にかけて 
一瞬にして 感じた事のない電流が走った。

(気持ち、、、いい、、、っ!)

揉みしだきながら 両乳首を交互に 舐める、
先輩の舌からは 唾液が溢れて 硬くなる乳首を 捉えて離さない。 

「ぁぁ、、、っ、、はぁぁ、ぁぁぁ、、」

恥ずかしい吐息が はっきりと悶えに変わる。

「このおっぱい、サイコー。」

私の胸が 先輩を悦ばせている。
嬉しい。
この気持ち、感覚、
全て初めてな不思議な 感覚。

恥ずかしい 半分、
先輩が 何故かとても愛おしい。

両乳房をやんわり揉まれながら 乳首を唇で もて遊ばれる。

軽く吸ったり しゃぶったり 舐めたり、先輩はとても美味しそうに無邪気に。

体の微電流が 止まらない。
胸って こんなに感じるんだ。

乳首と膣が直結していく、
痺れが伝わって 花弁が潤って開いていく感覚。
初めての 悦びの 開花。

もう 何もかも委ねたい、
この唇に この指先に。
体が 余計な躊躇を抹殺していく。


先輩の体が ゆっくり下半身にずれていく。
スカートをまくり上げながら 腰を持ち上げる。

(えっ、、、、!)

柔らかい私の体は 一気にふたつ折りにされた。

(え、えぇっ、、、!) 

背中から腰を持ち上げられ 脚を開いた状態、
私からも パンティの秘密の部分が丸見え。
どこかで見た 中国の雑伎団のような、
恥ずかし過ぎる 姿勢。

「せ、、せんぱいっ、、。」

先輩は私の背中から腰を支え 両手で太ももを ガッチリ抑え込む。

パンティの向こうに すぐ先輩の顔。
首が圧迫されているせいか 頭が ぼんやりしながら混乱する。

パンティの中は もう ぐしょぐしょな はず。
視界が ゆらゆらしている、
恥ずかしい を通り越す。

体に力が入らない。
これは現実なのかも 分からなくなってきた。

先輩は 私のパンティの中央部分を みつめながら 私にとんでもない事を言う。

「しっかり 持ってて。」

大開脚した脚の両膝の裏を 私の手で ぐっと持たせ さらに開かされた。

「大好きだよ。大丈夫、可愛いよ。」

大好きな先輩の目の前で こんな格好をさせられながら 私の体は従順で、
今は もう 何もかも 任せてみたい と思っている。

恥ずかしくて張り裂けそうな 逃げ出したいような気持ち。

だけど まだ唇や胸に 先輩の柔らかい舌先や 細い指先に触れられた感触が 残る。

その 初めての痺れる感覚が 心の奥で もっともっと と 恥ずかしい囁きに 反抗出来ずに いる。

「ずっと こうしたかったんだ。」

「、、、は、、、はい、、。」

私は しっかりと両膝を掴み 腰を浮かせ  従順なペットのように 先輩の動きを待っている。

羞恥を通り越して 先輩の悦びと自分の悦びが 交差していく。

昼下がりの先輩の部屋、
胸を晒した汗ばんだ肌も 紅潮した太ももも 雨とはいえ 眩しい蛍光灯に照らされてる。

私は薄目を開けて 先輩の動きを 伺う。

「、、、ぁぁっ、、、、!」

むにゅりと 先輩の指先が 薄い布を優しく突き刺した。
何かの形を探るように 両手の人差し指が パンティの上を撫でる。

今日のパンティは 白に近いアイボリー、
タイツのように薄く 体に密着する生地。

指先を這わされると 直に伝わる感覚よりソフトで 生々しい。

「、、、ぁぁぁぁン、、、、!」

(先輩 もっと もっと 触って、、
触ってください、、、!)

「すごいよ、もうこんなに 溢れてる。」

きっと先輩の指先は 濡れている。

薄い生地から ねっとり染み出しているのが分かる、
恥ずかしく沸き出るのは もう止められない。

「写真撮るね、、。」

「、、、えっ、、、。」

スマホを取り出した。

左手の広げた指先が パンティにぐっと圧をかける。

きっと 私の 恥ずかしい形が 浮き出して
滲んだ液体も はっきりと。

パシャ パシャ パシャ!

パンティ越しの 秘密の部分、
露わな乳房も 無防備に。
未知な 私の表情。

全ての瞬間がカメラに納められていく。


こんな事 いつ想像しただろうか。

先輩と出会ったのは 入学式の週だった。



























 
















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