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1人の監禁生活
朝ごはん
しおりを挟む結局起きたのは昼過ぎで、
ユシエルがベルで執事を呼んでドア越しに朝ごはんというか昼ごはんに近いものを頼んだ。
お風呂に入れられてる間に部屋にはもう美味しそうな料理が運ばれていて、
お風呂から上がる頃には美味しそうな匂いにお腹が鳴いた。
「ハハハ。美都様お腹が空いてるんですね」
「いうな!聞こえなかったふりをしてください」
恥ずかしくなって彼の胸に顔を埋める。
結局昨夜の色々なせいで、
歩くのすら時間がかかるからとお姫様抱っこでまたベッドまで運ばれる。
それを心地よいものと認識してしまってる自分に少し驚いてしまう。
「はーい、美都様お口を開けてください」
「これくらい…自分で」
「まあ、そう言わずに、ほら!」
ご飯もなぜか食べさせてくれて、
もう至れり尽くせりというか、
ユシエルが帰ってきてからお世話されっぱなしだ。
嫌がっても、ユシエルは頭を撫でて宥めるだけで辞める気もないらしい。
そしてその日は夜までずっとそんな調子で猫可愛がりされながら1日を過ごした。
ユシエルが来なかった間に読んだ本の話とか、好きなご飯の話とか、
そんなたわいもない友人と話を咲かせる時みたいなことばっかり話していた。
ユシエルは話してみると案外結構いいやつだなと思ってしまう。
確かに第一印象というか、出会いは最悪だけど、
なんか憎めないやつだな。
でもなんで監禁したり、吸血したりするんだろう。
俺じゃなくても、彼なら嫌がる人なんていないし、
ましてや俺の立場を知ってる上でそんなことしてくるなんて…。
「何難しいこと考えてるんですか」
そう言って眉間にできた皺を伸ばされる。
「なんでもないよ」
そう言って彼の手を振り解く。
「ほら、もう寝ますよ」
そう言って彼はそのまま僕の目を手で覆って暗くする。
その温もりが心地よくて、
小さな悩みは夜の闇に溶かされた。
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