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逆仮面夫婦の恋愛事情 5
しおりを挟むこうして、私がディシャールでも表で冷遇姫とされることが決まると、パーシヴァル殿下は早速王弟夫婦が使うそれぞれの部屋の最奥に、2つの部屋を繋ぐ扉を新設してくださいました。
結婚式を挙げ、迎えた初夜を別々の部屋を使ったように見せかけて、実はこっそりこの扉を通じて同じ時を過ごしたなど、気がつく貴族はいなかったことでしょう。
お誓い通り、初夜から今日に至るまで、私は処女のまま白き結婚ではございますが、毎夜こうしてパーシヴァル殿下に可愛がられているのです。
朝の訪れを告げる鳥が鳴くまで、私はパーシヴァル殿下のベッドで共に過ごし、侍女達が起こしに来る前にまどろむ私をあちらのベッドに連れて行って下さるのが、この2年の習慣です。
「早く君と一緒に朝まで同じベッドで眠りたい」
「表で冷遇していただいているだけなので、別にここでは私をいつでも愛していただいて構わないのですよ」
「お願いだから、俺の理性を壊そうとするのは勘弁してくれないか」
なんて仰いますが、私はパーシヴァル殿下の妻なので、理性なんてポンと投げてしまえばいいと思うのです。けれど、そうお伝えすれば困り眉で泣かれてしまいましたので、「ごめんなさい」となでなでしてさしあげます。
すると殿下は「そういうとこです!!!」と言いながらぎゅうぎゅう抱きしめてくださいます。
大きな体躯をしているパーシヴァル殿下ですが、こうした仕草や私に甘える様子はシェイテリンデの離宮にいたシェヘラに似ています。
え? シェヘラは犬ですかって? 犬も可愛らしいですが、シェヘラは我がシェイテリンデの守護獣である水棲馬ですよ。甘える姿がとても良く似ていらっしゃると思います。
そんなことを思い出して、私がくすくすと笑うと膝の上でまどろんでいたパーシヴァル殿下が困った様子でこちらを見つめます。
「……なにか、俺が粗相を?」
「粗相なんて、とんでもない! 殿下が今日もとても可愛らしいなぁと」
「……可愛いという言葉は、俺には似合わないでしょう。男ですよ、俺は」
「まぁ、拗ねてらっしゃるのですか? ますます可愛らしくていらっしゃいますわ」
本当にそう思ってしまって、私がにこにこと笑うのがお気に召さなかったのか、パーシヴァル殿下は起き上がると今度は私をベッドへ押し倒しました。
月光石の灯りに照らされた殿下のお顔は、先ほどまでの困った顔から、妖艶な色気を纏う大人のお顔になっていて、私の心がドキリと音を立てます。
「ルシェーナ、可愛いと言うのは、君のような姫の事を言うのですよ」
「で、殿下。謝罪致しますわ、お許しになってくださいまし」
「俺はいつだって許していますよ。でもそうですね……」
そう言うと、殿下は私の寝衣のリボンに手を伸ばすと、するりとおほどきになられました。
シンプルで色気はありませんが、胸元のリボンをほどけば、私の寝衣はあっというまに胸元をくつろげられ、ささやかな胸が露になってしまいます。
殿下はほどいたリボンを口元へやると、愛おしそうに口づけてから遠くへと放ります。
それから、赤い舌をちろりとのぞかせて妖艶に微笑みました。
「そうですね、17歳になった貴女の体を、俺にすみずみまで見せていただきましょう」
「……昨夜もご覧になりましたのに?」
「昨夜は16歳最後の夜でしたから、これとは別です」
ふむ、そう言うものなのでしょうか。
けれども、パーシヴァル殿下がそう言うならそうなのでしょう。
私はとても恥ずかしかったのですが、既に寛げられていた寝衣を肩から脱ぎまして、「どうぞご覧になってくださいまし」と胸の頂を両の手で隠しながら、殿下の目に褐色の肌を晒します。
ごくりと、生唾を飲み込む音が聞こえた気がしました。
するりと、パーシヴァル殿下の大きな手のひらが私の太腿を撫でます。
優しくゆっくり、私よりも体温が高いパーシヴァル殿下の手が、私の肌を滑ります。
大きくて、雄々しい、剣を握るパーシヴァル殿下の手が、私はとても好きです。
我が祖国であるシェイテリンデにはない伝えですが、髪に触れることを求婚と示すディシャールでの伝えの通り、私の髪を手櫛で梳かしながら、優しく撫でてくださるのが一等好きでしょうがないのです。
その大好きなパーシヴァル殿下の手が、私の太腿を伝って、足の間の秘められた場所へと伸びます。両横を紐で止めるタイプの下履きは、シェイテリンデの婦女子の伝統ある衣服の1つで、古語で紐パンと呼ばれています。とても便利な衣服で、ディシャールの婦女子の下着であるペチコートとはまた違ったものですが、最近少しずつディシャールにも普及されてきたようです。
昨年、16の生まれ日の時に初めてパーシヴァル殿下に下着姿を見せた時は、大層驚かれましたが、今では殿下のお気に入りでございます。
指でじっくり、楽しむようにほどくこともあれば、獣のように性急に口でほどくこともあります。
ですが今日は、まだ脱がせたくないようで、少ない布でどうにか隠している恥部を布越しに指でグリグリと刺激なさいます。
「んっ」
と、自分の口から甘い声が飛び出ます。
胸元を隠す手に力をこめて耐えようとすれば、それがお気に召さなかったらしいパーシヴァル殿下に、私の手は絡めとられ、手首をまとめて頭の上の方に固定されてしまいました。
隠したかった胸の頂が、パーシヴァル殿下に晒されてしまって、私は羞恥でカッと赤くなります・
「可愛らしい。今更恥ずかしいのですか?」
「胸だけはずっと小さいままなので……、殿下だってもっとさわり心地のよい胸がお好みでしょう?」
「ルシェーナ」
パーシヴァル殿下は優しく私の名を呼ぶと、私に体重がかからないように気をつけながら覆いかぶさりました。
私の手首からゆっくりとお手をお外しになられて、その大きな両の手で私の両の胸を優しく下から持ち上げます。
「殿下っ」
「可愛い俺のルシェーナ。君の可愛い胸以上に、心地の良いものを他の誰が持っていると思うの?」
「あっ、……んっ。殿下……」
「艶めくほどに美しい、陽の光に愛された肌に、桃色の唇。それと同じ色をまとう愛らしいこの頂が、俺に触れられてこんなにも悦くなってくれているのに、どうして他のものを求める必要があると言うの」
「で、殿下っ」
パーシヴァル殿下はそこまで言うと、そっと私の胸元に顔を寄せて、敏感になりつつあるその頂を片方パクリと口に含みました。
「ひゃうっ」と悲鳴を上げた私を無視して、殿下はそのお口の中で舌で舐ったり、ちゅうちゅうと赤子のように吸ったり、その形のよい唇ではむはむと食んだりします。
そのたびに、じわりじわりとした刺激がもたらされて、私の体はびくんびくんと応えてしまいます。
すると、空いている方の胸に殿下の御手がのびました。
殿下はそちらの胸をやわやわと揉んだり、頂を指先でつまんだり、捏ねたりなさって、私が寂しく思わないようになさってくださいます。
ちゅうちゅう、こねこねとされて、私の口から甘い声がいっぱい出てしまいそうになります。
何度も何度も刺激を与えられて、耐えきれなくなった私の体をびりりと電流のようなものが駆け巡りました。
背がびくんとはねて、脱力すると全身の力が抜けました。
そんな私を、殿下はぎゅっと抱きしめてからよしよしと撫でてくださいますが、私は少しだけもやもやして殿下に背を向けて顔を隠します。
「ルシェーナ」
「……殿下は、苛めっ子なのですか?」
「苛めっ子ではないつもりだが」
「けれど、いつもこうして私の胸ばかりを苛めます」
「ルシェーナが可愛いからだよ、髪の毛の一筋からつま先に至るまで、全て可愛くて仕方ないのに」
「苛めなんかするわけない」と言いながら、殿下は私の背に吸い付かれました。ぴりりと何度も痛むので、きっと痕をお付けになっているのでしょう。
殿下が下さる愛の御印は嬉しいのですが、やっぱり納得がいかないので私は殿下からプイと顔を背けたままです。
「ルシェーナ、だめ? 俺は何をしてしまったの」
「お胸ばかり苛めないでほしいのです。もっと大きくなりたいのに……」
「どうしてそんなに大きさに拘るの? 君の胸は俺の愛を感じてくれる可愛い胸だよ」
「可愛くなりたいのではないのです。殿下の御子を宿した時に、私はちゃんと乳をあげられる母になりたいのです。殿下が私の胸をあんまりにも苛めますから、このまま大きくならなかったら赤子に乳をやれなくなってしまいます。だからあんまり苛めないでほしいのです」
私が必死になって言うと、殿下は手を目に当てて天井を仰ぎ見るような仕草をなさいました。
「殿下?」とお声をかければぼそぼそと「俺との子に乳をあげたいからかと可愛すぎる……」なんて聞こえた気がしましたが、よく聞こえません。
「パーシヴァル殿下?」
「ほんと、そう言うところですよルシェーナ」
やや怒ったように声を荒げて殿下は私を抱き起すと、食べるように私の唇に食らいつきました。
ちゅっちゅっと吸われ、食まれ、息ができなくなっている私の胸を、殿下は後ろから抱くようにして先ほどより力強く揉みます。
触れられることの快楽と、激しい口づけに私の心がくらくらとしてしまいます。
「で、殿下……」
「ルシェーナ。聞いた話によると、胸は伴侶たるものが可愛がると、大きくなるそうです」
「そうなのですか?」
「兄から聞きました、間違いありません」
「……なるほど、だからオフィーリア御姉様のお胸は、あんなに立派なのですね! ロナルド陛下がたくさん可愛がっていらっしゃるから……なるほど!」
「っ……ええ、ルシェーナ。だから俺が、これからもっと優しく、いっぱい可愛がりますから、……ね?」
パーシヴァル殿下はそう言って、その両手で、私の小さな手を包み込んで懇願するような顔をされました。私は、そんな殿下としばし見つめ合った後おもむろに殿下の御手をとりました。
それからえいと、改めて私の胸に殿下の御手を押し付けます。
「ルシェーナ!?」
「パーシヴァル殿下、ルシェーナの胸をいっぱい可愛がってくださいませ」
「もうっ、ほんとそういうとこだぞ!!!」
殿下はそう言うと、私を抱え込んでぎゅうぎゅうと抱きしめながら、胸を優しく刺激します。気持ちよくて恥ずかしいですが、これで胸が豊かになるならやり遂げられます。
しばらくの間、ちゅうちゅうと口づけあいながら胸を愛されておりました。
ときたま、首筋を甘く噛まれたり、殿下に両の胸を吸われたり食まれたりして、また私の体に電流がぴりりと走ります。
「胸の刺激で感じることができるようになるなんて、いい子だねルシェーナ」
「……これで、胸が大きくなりますね」
「うん、それは気長にやっていこうね。さ、ルシェーナ……そろそろ、こちらも愛そうか」
パーシヴァル様はそう言うと、紐パンの方へと手を伸ばしました。
今日は脱がさずに、布を少しだけずらして殿下の長い指が、私の秘所を探り当てます。
いつもは見つめたり、ひくひくと動く花芯を苛めるだけなのに、今日の殿下はいつもと異なりました。「挿れるよ、ルシェーナ」と、耳元で囁かれたかと思うと、つぷりと殿下の指が私の胎に入ってきます。
「んっ……殿下っ」
「よく濡れてる……、俺に感じてくれたんだね。凄く嬉しいよ」
ぐりぐりと、けれども優しく、殿下の指が私の胎、奥深くに入ってきます。
圧迫感と、異物感に苦しくなる半面、ようやく胎へ触れてくれたという嬉しさがこみあげてまいります。
ぽろりと、涙が零れました。
それを見た殿下が、慌てた様子で私の名を呼びます。
「すまない、ルシェーナっ、痛ませてしまった」
泣きそうな顔で、殿下は私の胎から指を引き抜こうとしましたが、私はそれをはくはくと呼吸しながらお止めします。
「やっ、あ、殿下。いかないで……」
「っ……」
「少し、苦しかっただけ、です、痛くないですから……」
「しかしっ」
「でんかに、いっぱいふれてもらえるのがうれしくて、うれしくて……。でんか……パーシヴァル殿下、私の、ルシェーナの胎をいっぱい触って下さい。私ですら触れられぬ最奥を、貴方様だけが唯一触れることができる場所を、どうかっ……」
零れる涙を止めることができないまま、私は精一杯パーシヴァル殿下に懇願します。
パーシヴァル殿下は、そんな私の懇願に困った顔をされました。耐えるように唇を噛み締めながら、深い青の瞳の奥底にほのかに妖艶な色がついて揺らめいて見えますが、なんだかとても葛藤しているように見えます。
「殿下?」
「いいや、ダメだルシェーナ。あの日言っただろう、俺は今の貴女を愛することができないと」
「っ……」
「指の一本でもこんなにきついんだ、今の貴女では俺が愛したら壊れてしまう」
「んっ」
殿下はそう耳元で囁きながら、私の胎にある指を動かします。
節くれだった、戦士の指が、私の胎のよい場所を探るように動き、そのたびにびくりびくりと体が跳ねます。
「だからね、ルシェーナ、俺をそんなに煽らないで。この心に巣食う、貴女を壊すほどに愛したいという獣のような心が、貴女傷つけようとするのを必死に堪えているんだ。だからっ……」
殿下は、一度私の胎から指を引き抜くと、赤子を抱くように軽々と抱き上げて、お膝の上に座らせてく出しました。
きょとんとしている私の太腿の下に手を差し込んで、パーシヴァル殿下は私の足を淫らに広げさせました。羞恥で体が赤く染まりますが、殿下がお望みなのですから私はその羞恥に耐えねばなりません。キュッと目を瞑り、殿下の手に縋りつけばフフッと笑ったような声が私の耳に届きます。
「1年後の今日、俺が貴女をたくさん愛せるように、これから貴女の蜜壺を毎夜ほぐしてさしあげましょう。ね? 可愛くて愛おしい、俺のルシェーナ。がんばってくれますよね?」
私はその言葉に、コクコクと頷きを返しました。
胎を指でぐちゅぐちゅとかきまぜながら、パーシヴァル様は親指の腹で無防備な花芯をぐりぐりとつぶします。悲鳴のような嬌声をあげそうになる私でしたが、その声を殿下の唇が飲み込みます。
卑猥な水音が、上と下からどんどんと溢れてきて、私の頭をくらくらとさせます。
やがて、私の背を今日一番の快楽が走りました。脱力して、ぴくぴくと痙攣しながら、私は殿下に体を預けました。
よしよしと大きな手で額を撫でられる事に、ほっと安心してしまったのでしょう
私は意識をうっかり手離し、そのまま翌日の昼まで眠る事となります。
パーシヴァル殿下の、本当のお嫁さんになるまであと1年。
その頃にはきっと、第一王子殿下の立太子の儀式も終わりますので、冷遇される異国の花嫁でいることも終わりを迎えます。
外では仮面をつけて、仲のよい夫婦を演じながら、実際は不仲な夫婦の事を仮面夫婦と呼びますが、私達はその逆です。
来年の今頃は、私とパーシヴァル殿下は不仲の仮面を脱ぎ捨てて、仲睦まじい相思相愛の夫婦として数多の人に祝福されるに違いないのですから。
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