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栄光の手
5.
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「アレはそもそも、ドロボーしたい家で使うモノだからだよ~」
「使うとどんな効果があるのかね?」
「そこで火が点けば、ドロボーは成功するし、点かなかったら止めたほーがイイんだって」
「わざわざ忍んで来ても、人間の体組織で作られている物を燃やしたりすれば、酷い匂いがして見つかってしまうのでは?」
「ニオイの前に、火災報知器が鳴ったね~。それで気付いて、ドロボーは御用になったんだもん」
「なかなか愚かな行動だな…。それにしても、絞首刑にされた罪人の腕など、どうやって手に入れたのだろう?」
「ちょっと前にさぁ、高架下に高校生が吊るされてて、騒ぎになったじゃん」
「高校生の手足が切断されていた、殺人事件の事かね?」
「そうそう、うちに来たドロボーが、その殺人犯だったってワケ」
「ふうむ。しかし、それでは屍蝋にならないのではないだろうか?」
「なんで?」
訊ねてきた荒木氏に、私は屍蝋の特性に付いて語った。
「私自身が作成した訳では無いが、屍蝋とは、湿潤な環境下に於いて、長い時間を掛けて脂肪酸がカルシウムと結合し、石鹸状になった物の呼称だと聞いた」
「栄光の手は魔術の道具だから、そーゆー八つ墓村的な屍蝋とは作り方が違うんよ。右腕の血抜きをした後に、天日干しにして、カラカラになったヤツを塩漬けにするんだって」
「それでは、蝋にならないのでは?」
「塩漬けの後に、ヒトの脂肪から作るロウに漬け込むんだって。だから右腕以外の手足も切断して、それを使って漬け込み用のロウを作ったらしいよ」
「だが、それでも結局、栄光の手の製法として誤りがあると思うが?」
「どうして?」
「高校生は、罪人では無いのでは?」
「そのドロボーの殺人犯は、高校生がゲームソフトを万引きしてたの見たから、自分は罪人を処刑しただけだって言ってんだってさ」
「窃盗をしたとしても、法で裁かれる前は罪人では無いのでは?」
私の問いに、荒木氏は肩をすくめる。
「そう言われてもねぇ~、そう言ってんのはボクじゃないからねぇ~」
「そうだった。しかし、君の事務所の何が欲しくて、そんなことをしたのだろう?」
「そりゃ、コネコちゃんだよ」
「と、言うと。電話をしに行っている君の助手のコネコちゃん氏が目当てで、君の事務所に強盗に?」
「うん。栄光の手を使うと、みんな眠り込んで目覚めないってのを、マジで信じてたみたい」
「ふうむ。思い込みの酷さが、常軌を逸しているようだな」
「使うとどんな効果があるのかね?」
「そこで火が点けば、ドロボーは成功するし、点かなかったら止めたほーがイイんだって」
「わざわざ忍んで来ても、人間の体組織で作られている物を燃やしたりすれば、酷い匂いがして見つかってしまうのでは?」
「ニオイの前に、火災報知器が鳴ったね~。それで気付いて、ドロボーは御用になったんだもん」
「なかなか愚かな行動だな…。それにしても、絞首刑にされた罪人の腕など、どうやって手に入れたのだろう?」
「ちょっと前にさぁ、高架下に高校生が吊るされてて、騒ぎになったじゃん」
「高校生の手足が切断されていた、殺人事件の事かね?」
「そうそう、うちに来たドロボーが、その殺人犯だったってワケ」
「ふうむ。しかし、それでは屍蝋にならないのではないだろうか?」
「なんで?」
訊ねてきた荒木氏に、私は屍蝋の特性に付いて語った。
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「それでは、蝋にならないのでは?」
「塩漬けの後に、ヒトの脂肪から作るロウに漬け込むんだって。だから右腕以外の手足も切断して、それを使って漬け込み用のロウを作ったらしいよ」
「だが、それでも結局、栄光の手の製法として誤りがあると思うが?」
「どうして?」
「高校生は、罪人では無いのでは?」
「そのドロボーの殺人犯は、高校生がゲームソフトを万引きしてたの見たから、自分は罪人を処刑しただけだって言ってんだってさ」
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「そりゃ、コネコちゃんだよ」
「と、言うと。電話をしに行っている君の助手のコネコちゃん氏が目当てで、君の事務所に強盗に?」
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「ふうむ。思い込みの酷さが、常軌を逸しているようだな」
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