これが本当の蛙化現象? 売れない歌手が「もう歌いたくない」と蛙と人生を交換した結果。

黒猫虎

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第4話 王子様にキス。

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「そうしたら、俺にキスしてくれ」
「き、キス!?」

 な、何を言い出すのこの蛙さんは!
 本当に蛙の王子様なのかしら!?
 キスは何となく予想はしてたけど、違ったらいいなーと思ってたのにー!!

「ほら、グリム童話にあっただろ。アレと同じだってさ。蛙だから気にならないだろ」ケロケロ
「なるよ……貴方、人間の時の性別は?」
「まあ、男だ」ケロ
「ふーん……まっ、いいか。蛙だし」

 何となく覚悟はできた。

「だろう? ……とはいっても俺は男とは絶対イヤだったけどな……モゴモゴ」ケロモゴ
「ん? 何か言った?」
「いんや。それじゃ、顔を近づけてくれ」ケロロ

 蛙の顔が近づいてくる。
 こう見ると、結構可愛い両生類の顔だ。

「ん」チュ

 軽く触れるだけのキス。
 その瞬間、なんとも言えない、見えない川の急流に飲まれた感覚があったが、一瞬で消えた。
 消えた途端に異変が発生した。
 眼の前に、巨大な私がいる。




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