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第ニ章
魔法
しおりを挟む翔太「爺さんはどうやってゴブリンを倒したんだ?武器も持ってたし、さすがに素手じゃ危ないだろ?」
老人「ボッとな。」
翔太「ボッ?」
老人「避けろよ。」
老人が俺に手の平を向けると、手の平から火の玉が飛んできた。
翔太「うわぁっ!」
俺は間一髪のところで火の玉を避けた。
火の玉は壁に当たるとシュッと音を立てて消えた。
壁は黒くなり煙が立ち昇っていた。
老婆「爺さん!部屋の中ではやめなさい!」
老人「すまんすまん!」
俺は初めて見る光景に呆然とした。
翔太「今のは……、魔法…?」
老人「そうじゃ、この世界では魔法なんてもんは当たり前じゃ。」
俺は元の位置に座り直した。
翔太「なぁ爺さん、この世界ではって言ったけど、俺が別の世界の人間だって知ってたのか?」
老人「あぁ、だってお主は光に包まれながら空から降ってきたんじゃぞ?」
老人は俺がこの世界に来た瞬間を見ていたらしい。
翔太「なら話は早い、俺はこのゲームの世界で何をすればいい?」
老人「げーむ?」
翔太 (ゲームの中の住人だって認識は無いのか。)
翔太「質問を間違えた。これはこの世界で何をすればいいのかわからない、何でもいいから情報が欲しい。」
老人「そうじゃのぉ、街に行けば何か手掛かりを得られるかもしれんの。」
老人は部屋の隅に立て掛けてあった地図を広げた。
老人「今いるのが、ここリィーガスの村じゃ。」
地図で見た限りリィーガスがあるのは大陸から離れた小さな島だった。
老人「そして、ここから北へ向かうとポルトクルスという港町がある。そこで定期船に乗り東の大陸へ向かうといい。」
地図を見て俺は気が遠くなった。
現実世界にいる時、日本の地図だけでも広いと感じたのに、今見せられた地図は現実世界でいう世界地図レベルの広さだった。
翔太 (よくもまぁ、こんなゲーム作ったもんだな。)
俺は深く溜息を吐いた。
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