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僕の中の彼女(胸糞)
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「別れよう。」
静かな声で、彼女にそう告げた。
冬が始まる頃、俺は彼女をふった。
冷たい風が吹き抜ける桜並木を、俺は彼女に背を向け歩き出す。
「待って!」
彼女の鋭い声が風邪を切り裂いて俺の耳に届いた。
俺は振り返る。
「最後に!一度だけ!」
* * *
最後のデートコースは出会いの場所だった。
街中のショッピングモールでもなく、観光地でもなく。
廃れた街の端っこのおにぎり屋。
駅で彼女を待っていると、ふと、出会いの瞬間が脳裏をよぎった。
* * *
静まり返った古い町並みの中、イヤホンを耳につけ、ゆっくり歩く男が居た。
「都会やってらんねー。田舎育ちは都会に馴染めないのかもな」
そんなことをつぶやく男。
目に入ったおにぎり屋でおにぎりを購入する。
「お兄さん、もしかして田舎のでだろう?」
おにぎり屋のおばさんは言う。
「わかります?やっぱり田舎っぽいのかな。」
「いやいやぁ!お兄さんは立派に都会っ子だよぉ。ただ、田舎育ちのあたしの甥っ子に似ててねぇ。」
「そうなんですか。」
「今丁度その子に店番をお願いしようと思ってたのよー!恋華ちゃん?」
おばさんは恋華と言う子を呼んだようだ。
「おばあさん何?」
「おばさんだよ!」
店の裏からあくびをしながら出てきたのは、同い年くらいの女の子だった。
長いポニーテールの女の子だった。
顔は可愛らしく、しかし美しさを帯びていた。
「店番お願いしてもいいかしら。」
「え!?なんでよ!」
「あんたにはわからないだろうけどねぇ、おばさんには社会的地位を守るための付き合いっていうのがあるのよ。
「言い方!」
「お客さんがいるのよ?もう少し静かにしなさいよ」
そこで初めて俺の存在に気がついたらしい
眼の前でおばさんとのやり取りを見られた恥ずかしさからか、頬を赤らめる。
「す、すいません」
「あ、いえ。」
コンマ一秒置いてまた女の子が声を出す。
「あ。売り切れ。」
「え?」
「あ、いや、何でもないです。」
そこで改めておにぎりの棚を見てみると、売り切れているのは俺がさっき買った明太子握りだけだった。
「ごめんなさいねぇお兄さん。うちの子いつも余り物を持って買えるんだけど、好きな具が売り切れちゃったらしいのよ。」
「そうなんですね。」
なにか申し訳ない気持ちになり、俺は足早に店を出る。
店の前でおにぎりを頬張る。
残りが明太子と鮭になったところで女の子が掃除に出てきた。
俺を黙認すると、明太子握りをチラチラ見てくる。
相当食べたかったらしい。
「えっと。いる?」
「え!?いいんですか?」
「ええ、俺もうお腹いっぱいなんで」
「ありがとうございます!」
遠慮なくおにぎりを受け取った女の子は、俺の隣に来て美味しそうにおにぎりを頬張りだす。
それこそが、俺たちの歪な出会いだった。
✳︎ ✳︎ ✳︎
意識が駅へと引き戻される。
丁度その時、恋華の姿が現れた。
「お待たせ」
「めっちゃ待った」
「そこは今きたとこって言おうよ」
俺たちはおにぎり屋があった場所へ向かった。
経営していた恋華のおばさんは病に倒れ、今はおにぎり屋も潰れてしまっていた。
それだけでも精神的に辛いであろう、にもかかわらず、俺は彼女を振った。
最低だ、でも、仕方なかったんだ。
「今日はありがとう、いや、今日までありがとう」
デート終わり、恋華は俺にそう告げた。
ここで俺たちは別れ、縁も切れ、傷つき、悩むのだろう。
彼女が背中を見せた瞬間、喪失感が強まる。
振ったのは俺なのに。
刹那、急ブレーキ音が鳴り響いた。
咄嗟に体の筋肉が硬直する。
思う。助けないと、彼女を、恋華を。
しかし、体は動かなかった。
衝撃と共に脳に伝わった悲鳴を感じ取りながら、俺の意識は消え去っていった。
✳︎ ✳︎ ✳︎
目を開けると白い天井が視界に浮かび上がった。
「こ、こは?」
「あ!雨宮さん意識戻りました!」
看護師らしき人が医者を呼んだようだった。
医者がごちゃごちゃ喋るが、あまり頭に入ってこない。
だが、最後に医者から発せられた一言に、俺の心は揺れ動く。
「と説明したように、君は内臓を取り替えないといけない状況だったんだ。そして、内臓を提供してくれた人はね、君と一緒に事故にあった坂本恋華さんなんだよ」
「え?」
医者ってそんなストレートに言ってくるもんだっけ。
脳によぎったのはそんなことだった。
「彼女はすでに助からなかった。だから彼女の親が内蔵を提供してくれた、彼女にとって大切な人なはずだからと」
「そ、んな」
「本当のことさ、彼女は一度だけ意識を取り戻し、震える声で家族に遺言を残していたよ、彼女のご家族のかたにいえば遺言はもらえるだろうよ」
もはや興味がなかった。
俺のせいなのか?彼女が死んだのは。
いや、違う、そんなはずない。
と言うかむしろ。
俺は自分の腹に手を置き言った。
「俺たちは赤い糸で結ばれてる、離れられない運命だ。だからこうして、君が僕の中で生きているんだね」
それからは実に面白い日々だった。
俺がどんな悪いことをしても、腹の中の彼女は全てを受け入れてくれた。
そして彼女のためなら俺はなんでもやった。
俺と彼女はこれ以上にないくらい素晴らしい関係だった。
でも、俺の周りは反応が違った。
俺から離れていくもの、罵倒するもの、心配するもの、などたくさんの人がいた。
その人たちは決まって俺たちの関係を崩そうとする。
許せなかった、だから全てを拒絶した。
俺の周りにはもう、人はいなかった。
それでもよかった、彼女といられれば、それだけで。。。
✳︎ ✳︎ ✳︎
そんなある日、俺は掃除でもしようと思ってクローゼットの戸を開ける。
不意に、一つの豪華な封筒が目に入る。
「これは。恋華の遺書?」
それは紛れもなく、彼女の残した言葉を母親が書き記したそれだった。
結局読まないでいる。
この日はなぜか衝動的に、俺は封筒を開けた。
ずっと開けたくなくて、開けていなかった封筒。
もしかしたら、俺の理想の恋華とは違うのかもしれない、それでも今日はなぜか別にいいと思えた。
「雨宮くん、恋華です。
死ぬ前にどうしても伝えたいことがあります
私はあなたが嫌いです
いきなり振ってきたくせに、理由すらまともに教えてくれないし、柄悪いし。
それでも大好きでした、本当は、雨宮くんに思い直してほしくて、最後のデートを提案しました。
でもこんなことになってしまって
あなたのことだから、私が死んだことネチネチひきずってるんでしょ?
私が死んだのはあなたのせいじゃない
それと、最後のデート終わったんだから、もう私は元カノ
元カノのことなんて気にしてないでシャッキリ前向いて生きな
もしそれでも私を忘れられないなら、私の方があなたを振ります
最後に。
雨宮くん、愛してます」
手紙をそっと閉じる。
目からは涙がこぼれ落ち、体は膝から崩れ落ち、俺は梅雨が明けて夏になったかのような、冬が明けて春になったような、爽やかな心地よさを感じていた。
✳︎ ✳︎ ✳︎
「あ、雨宮くん!好きです!付き合ってください!」
新たな出会いは案外すぐに訪れた。
同じ会社の同僚の女性だった。
「よろしくお願いします」
そこから人生が好転していくような気がしていた。
「明太子おいしー!」
彼女はいう。
夜の家。
コンビニで買ってきたそれを頬張る彼女の姿に記憶が刺激される。
「恋華?」
「え?」
「あ。いや、なんでもない、美味しいよね、俺も好きだよ、明太子」
「うん!でも私はそれと同じくらい雨宮くんのこと好きだけどね!」
そのセリフに再び脳が刺激される。
話し方も声も顔も、どことなく恋華に似ていた。
捨てたはずの恋華への執着が、再び蘇った。
一度好転し始めた人生でも、転落する時は一瞬だった。
腹の中の恋華に浮気をして。
なんでも許してくれる恋華だから。
なんでもやった。
薬、暴力、詐欺、他にも犯罪をたくさん犯した。
そんなある日。
「別れよう」
「は?なんでだよ!俺がどんだけお前のために尽くしたと思ってやがる!さんざんたかって使い捨てか!?あ!?」
「あなたおかしいよ。毎日独り言言って、犯罪に手をかけて、もう付き合いきれない。私が愛したのはあなたじゃない、昔の明るくて優しい雨宮くんだよ」
「……ああ、もし恋華が生きてたら、同じように言ってくれてたのかな」
意識が飛んだ。
そして、しばらくすると戻ってくる。
手には注射と包丁が。
注射は自分に刺したもので、包丁は。
彼女に刺したものだった。
「あ、ああ。ああああああああ!」
こわい、こわい逃げ出したい、でも体が言うことを聞いてくれない!
やめろ!何やってる!死体をバラしてるのか?
止まってくれ!いやだ!やめろ!
俺の体はそのまま海へ向かう。
不意に俺の体が話し出す。
「ねぇ雨宮くん私は全部許してあげる。
あなたの全てを受け入れる。
だってあなたの体の一部だもの。
今海辺まで来てるよ。
もうすぐ解放されるよ。
あなたは最後まで来たよ。
ここがあなたの最後だよ。
私はあなたを愛し続ける。
だって私は
あなたの中にいる
あなただけの。
理想の彼女だもの。」
静かな声で、彼女にそう告げた。
冬が始まる頃、俺は彼女をふった。
冷たい風が吹き抜ける桜並木を、俺は彼女に背を向け歩き出す。
「待って!」
彼女の鋭い声が風邪を切り裂いて俺の耳に届いた。
俺は振り返る。
「最後に!一度だけ!」
* * *
最後のデートコースは出会いの場所だった。
街中のショッピングモールでもなく、観光地でもなく。
廃れた街の端っこのおにぎり屋。
駅で彼女を待っていると、ふと、出会いの瞬間が脳裏をよぎった。
* * *
静まり返った古い町並みの中、イヤホンを耳につけ、ゆっくり歩く男が居た。
「都会やってらんねー。田舎育ちは都会に馴染めないのかもな」
そんなことをつぶやく男。
目に入ったおにぎり屋でおにぎりを購入する。
「お兄さん、もしかして田舎のでだろう?」
おにぎり屋のおばさんは言う。
「わかります?やっぱり田舎っぽいのかな。」
「いやいやぁ!お兄さんは立派に都会っ子だよぉ。ただ、田舎育ちのあたしの甥っ子に似ててねぇ。」
「そうなんですか。」
「今丁度その子に店番をお願いしようと思ってたのよー!恋華ちゃん?」
おばさんは恋華と言う子を呼んだようだ。
「おばあさん何?」
「おばさんだよ!」
店の裏からあくびをしながら出てきたのは、同い年くらいの女の子だった。
長いポニーテールの女の子だった。
顔は可愛らしく、しかし美しさを帯びていた。
「店番お願いしてもいいかしら。」
「え!?なんでよ!」
「あんたにはわからないだろうけどねぇ、おばさんには社会的地位を守るための付き合いっていうのがあるのよ。
「言い方!」
「お客さんがいるのよ?もう少し静かにしなさいよ」
そこで初めて俺の存在に気がついたらしい
眼の前でおばさんとのやり取りを見られた恥ずかしさからか、頬を赤らめる。
「す、すいません」
「あ、いえ。」
コンマ一秒置いてまた女の子が声を出す。
「あ。売り切れ。」
「え?」
「あ、いや、何でもないです。」
そこで改めておにぎりの棚を見てみると、売り切れているのは俺がさっき買った明太子握りだけだった。
「ごめんなさいねぇお兄さん。うちの子いつも余り物を持って買えるんだけど、好きな具が売り切れちゃったらしいのよ。」
「そうなんですね。」
なにか申し訳ない気持ちになり、俺は足早に店を出る。
店の前でおにぎりを頬張る。
残りが明太子と鮭になったところで女の子が掃除に出てきた。
俺を黙認すると、明太子握りをチラチラ見てくる。
相当食べたかったらしい。
「えっと。いる?」
「え!?いいんですか?」
「ええ、俺もうお腹いっぱいなんで」
「ありがとうございます!」
遠慮なくおにぎりを受け取った女の子は、俺の隣に来て美味しそうにおにぎりを頬張りだす。
それこそが、俺たちの歪な出会いだった。
✳︎ ✳︎ ✳︎
意識が駅へと引き戻される。
丁度その時、恋華の姿が現れた。
「お待たせ」
「めっちゃ待った」
「そこは今きたとこって言おうよ」
俺たちはおにぎり屋があった場所へ向かった。
経営していた恋華のおばさんは病に倒れ、今はおにぎり屋も潰れてしまっていた。
それだけでも精神的に辛いであろう、にもかかわらず、俺は彼女を振った。
最低だ、でも、仕方なかったんだ。
「今日はありがとう、いや、今日までありがとう」
デート終わり、恋華は俺にそう告げた。
ここで俺たちは別れ、縁も切れ、傷つき、悩むのだろう。
彼女が背中を見せた瞬間、喪失感が強まる。
振ったのは俺なのに。
刹那、急ブレーキ音が鳴り響いた。
咄嗟に体の筋肉が硬直する。
思う。助けないと、彼女を、恋華を。
しかし、体は動かなかった。
衝撃と共に脳に伝わった悲鳴を感じ取りながら、俺の意識は消え去っていった。
✳︎ ✳︎ ✳︎
目を開けると白い天井が視界に浮かび上がった。
「こ、こは?」
「あ!雨宮さん意識戻りました!」
看護師らしき人が医者を呼んだようだった。
医者がごちゃごちゃ喋るが、あまり頭に入ってこない。
だが、最後に医者から発せられた一言に、俺の心は揺れ動く。
「と説明したように、君は内臓を取り替えないといけない状況だったんだ。そして、内臓を提供してくれた人はね、君と一緒に事故にあった坂本恋華さんなんだよ」
「え?」
医者ってそんなストレートに言ってくるもんだっけ。
脳によぎったのはそんなことだった。
「彼女はすでに助からなかった。だから彼女の親が内蔵を提供してくれた、彼女にとって大切な人なはずだからと」
「そ、んな」
「本当のことさ、彼女は一度だけ意識を取り戻し、震える声で家族に遺言を残していたよ、彼女のご家族のかたにいえば遺言はもらえるだろうよ」
もはや興味がなかった。
俺のせいなのか?彼女が死んだのは。
いや、違う、そんなはずない。
と言うかむしろ。
俺は自分の腹に手を置き言った。
「俺たちは赤い糸で結ばれてる、離れられない運命だ。だからこうして、君が僕の中で生きているんだね」
それからは実に面白い日々だった。
俺がどんな悪いことをしても、腹の中の彼女は全てを受け入れてくれた。
そして彼女のためなら俺はなんでもやった。
俺と彼女はこれ以上にないくらい素晴らしい関係だった。
でも、俺の周りは反応が違った。
俺から離れていくもの、罵倒するもの、心配するもの、などたくさんの人がいた。
その人たちは決まって俺たちの関係を崩そうとする。
許せなかった、だから全てを拒絶した。
俺の周りにはもう、人はいなかった。
それでもよかった、彼女といられれば、それだけで。。。
✳︎ ✳︎ ✳︎
そんなある日、俺は掃除でもしようと思ってクローゼットの戸を開ける。
不意に、一つの豪華な封筒が目に入る。
「これは。恋華の遺書?」
それは紛れもなく、彼女の残した言葉を母親が書き記したそれだった。
結局読まないでいる。
この日はなぜか衝動的に、俺は封筒を開けた。
ずっと開けたくなくて、開けていなかった封筒。
もしかしたら、俺の理想の恋華とは違うのかもしれない、それでも今日はなぜか別にいいと思えた。
「雨宮くん、恋華です。
死ぬ前にどうしても伝えたいことがあります
私はあなたが嫌いです
いきなり振ってきたくせに、理由すらまともに教えてくれないし、柄悪いし。
それでも大好きでした、本当は、雨宮くんに思い直してほしくて、最後のデートを提案しました。
でもこんなことになってしまって
あなたのことだから、私が死んだことネチネチひきずってるんでしょ?
私が死んだのはあなたのせいじゃない
それと、最後のデート終わったんだから、もう私は元カノ
元カノのことなんて気にしてないでシャッキリ前向いて生きな
もしそれでも私を忘れられないなら、私の方があなたを振ります
最後に。
雨宮くん、愛してます」
手紙をそっと閉じる。
目からは涙がこぼれ落ち、体は膝から崩れ落ち、俺は梅雨が明けて夏になったかのような、冬が明けて春になったような、爽やかな心地よさを感じていた。
✳︎ ✳︎ ✳︎
「あ、雨宮くん!好きです!付き合ってください!」
新たな出会いは案外すぐに訪れた。
同じ会社の同僚の女性だった。
「よろしくお願いします」
そこから人生が好転していくような気がしていた。
「明太子おいしー!」
彼女はいう。
夜の家。
コンビニで買ってきたそれを頬張る彼女の姿に記憶が刺激される。
「恋華?」
「え?」
「あ。いや、なんでもない、美味しいよね、俺も好きだよ、明太子」
「うん!でも私はそれと同じくらい雨宮くんのこと好きだけどね!」
そのセリフに再び脳が刺激される。
話し方も声も顔も、どことなく恋華に似ていた。
捨てたはずの恋華への執着が、再び蘇った。
一度好転し始めた人生でも、転落する時は一瞬だった。
腹の中の恋華に浮気をして。
なんでも許してくれる恋華だから。
なんでもやった。
薬、暴力、詐欺、他にも犯罪をたくさん犯した。
そんなある日。
「別れよう」
「は?なんでだよ!俺がどんだけお前のために尽くしたと思ってやがる!さんざんたかって使い捨てか!?あ!?」
「あなたおかしいよ。毎日独り言言って、犯罪に手をかけて、もう付き合いきれない。私が愛したのはあなたじゃない、昔の明るくて優しい雨宮くんだよ」
「……ああ、もし恋華が生きてたら、同じように言ってくれてたのかな」
意識が飛んだ。
そして、しばらくすると戻ってくる。
手には注射と包丁が。
注射は自分に刺したもので、包丁は。
彼女に刺したものだった。
「あ、ああ。ああああああああ!」
こわい、こわい逃げ出したい、でも体が言うことを聞いてくれない!
やめろ!何やってる!死体をバラしてるのか?
止まってくれ!いやだ!やめろ!
俺の体はそのまま海へ向かう。
不意に俺の体が話し出す。
「ねぇ雨宮くん私は全部許してあげる。
あなたの全てを受け入れる。
だってあなたの体の一部だもの。
今海辺まで来てるよ。
もうすぐ解放されるよ。
あなたは最後まで来たよ。
ここがあなたの最後だよ。
私はあなたを愛し続ける。
だって私は
あなたの中にいる
あなただけの。
理想の彼女だもの。」
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