三分で読める一話完結型ショートホラー小説

ゾンビとしての生活

ゾンビになってから2ヶ月がたった。ゾンビウイルスが蔓延し、世界が阿鼻叫喚になった時はどうしたものかと俺自身もパニックになっていたが、いざゾンビになってみると案外悪くない、いや、むしろ前の生活よりもいい気がする。仕事などはなく毎日辺りをうろつくだけ、仲間は大勢いるし、日に当たりながら散歩するのはとてもいい気持ちだ。たまに必死になってサバイバルしている人間をみかけるが、なんだか大変そうで見ているこっちが疲れてくる、まぁ俺もゾンビになるまでは、必死に生き残ろうとしていたんだけどな。そんな彼らを救済しようと必死に噛み付こうとする奴らもいるが、俺らの声が通じる訳でもないし、必死になっている俺らの顔は相当怖いようで、いつも返り討ちにあっている。ゾンビになってもぐちゃぐちゃに殺されては意味が無い、俺はのんびり辺りをうろつくだけで十分だ。
がおぉーがおぉー。
今日も1日、平和で気楽な1日が始まる。