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奴隷がもたらした娯楽

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我が国で奴隷の売買が認められてから5年がたった。最初は皆奴隷を持つことに尻すぼみしていたが、奴隷専門の大型スーパー「人間モール」が出来てからはかなり奴隷が身近な存在になった。
皆が当たり前に奴隷を持つことになり、新たな娯楽も増えていった。
まず、奴隷同士のバトルだ。昔コロッセオが娯楽として大繁盛したように、人間は人間同士の殺し合いが大好きだ。しかも今の時代は昔と違い、テクノロジーが発達している。道を歩いている奴隷トレーナーと自分の奴隷を戦わせることが出来る、奴隷ファイトというアプリが大流行し、社会現象にまでなった。
辺りは血の海と化し、死体の腐った匂いが辺りに充満していた。しかし人々はそんなことが気にならなくなるほどに奴隷ファイトに熱中していた。
また、奴隷であれば殺しても殺人に問われないので、人殺しを娯楽とした施設、奴隷拷問館が辺りに乱立した。このストレス社会だ、人を痛ぶり殺すことでストレスを解消することを厭わない人は多かった。その施設の数はどんどん増していき、カラオケ施設の量を超え、ひとつの娯楽文化として根ずいた。
奴隷が身近な存在になり、社会は大きく変化し、娯楽が増え、結果的に人生の充実度が増した。奴隷にはもっと人生を豊かにしてくれるポテンシャルがあるはずだ。今後の奴隷達の活躍に大いに期待である。
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