三分で読める一話完結型ショートホラー小説

左目の痛み

ココ最近左目がズキズキと慢性的に痛い。
充血しているし、目薬も効かない。
「これはいよいよヤバいかもな」
ココ最近仕事で忙しく、放置しすぎた。何かあってからでは遅いので、少々面倒ではあるが病院に行くことにした。

「うーん、ぱっと見た感じでは、特に菌が入っている感じではないですね｣
眼科の先生が首を傾げる。
「最近仕事が忙しいとおっしゃっていましたね、それによる疲労と考えるのが妥当でしょうな」
そう言われ、適当に目薬を処方され返された。
確かに最近忙しくはあったが、それだけが原因なんだろうか？疑問は残るが、眼科の先生がそういうのだ。
素人が考えたところで分かるはずもない。
そう思い、目薬をさして寝た。


「痛ってぇぇぇぇ！！、痛い痛い痛い痛い！！」
目の裏側から刺すような激痛が走り、飛び起きた。左目からドクドクと血が流れ、止まらない。
「なんなんだよこれ！どうなってんだよ！！」
あまりの痛みに気絶しそうになる。
布団は自分の血で血まみれで、真っ赤に染っている。
朦朧とする意識の中、なんとか救急車を呼び病院に緊急搬送された。


片目の視力は失ったが、命に別状はなかった。
先生の話によると、目の中に赤ん坊の小さなゴキブリが入り込んでおり、それが目を食い破ったそうだ。
何日も目にゴキブリを飼っていたと思うとゾッとする。
しかし、寝ている間にゴキブリが人体に忍び込むことは、よくある事らしい。

もしかすると、あなたの目の中にも...。