三分で読める一話完結型ショートホラー小説

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街灯

ある日の深夜、何となく眠れなくて深夜徘徊をしていると興味深いものを見た。
目の前を歩くベロベロに酔ったサラリーマンが、ぽつんと設置されている街灯の光に入った途端、街灯に吸い込まれていったのである。
後には何も残らず、街灯が不気味に辺りを照らすだけだった。
目の前で起こった事実を受け入れることが出来なかった俺は、石ころを投げてみた。
するとサラリーマン同様、街灯の光に入ると街灯に吸い込まれていった。
「まじかよ、どこいったんだよあのオッサン」
オッサンは気の毒だが、これは色々と使えそうだ、俺はこの街灯について色々と調べてみることにした。
学校を無断欠勤し、朝から街灯を見張る。
朝ということもあり、出勤中のサラリーマンや学生がチラホラと街灯の前を通り過ぎる。
一体どうなるんだとハラハラしながら見ていたが、そいつらは何事もなく街灯の前を通過していく。
「ほぉ、なるほどな、明かりに入らなければ吸いこまれることは無いんだな」
そうとなれば光がつくまで待つことにする。

深夜1時、やっと光がついた。
「はぁ、やっとついた、どんだけ待ったんだよ俺は」
だが、どうして街灯の怪奇現象が表に出ないかは判明した。
この辺りは割とへんぴな街だ、この時間帯でやってる店などひとつもない、深夜に出歩く人など滅多にいないのだ。
「よし、大体のことはわかった、要はこの明かりの中に入らなければいいんだ、怖くなんかないな」
そうと決まれば利用してやる。
俺は家から溜まりに溜まったゴミを持ってきた。
「ゴミの分別ってめんどいからなぁ、スプレーのガスとか抜くのめんどいし」
だがこの街灯にかかればそんなの朝飯前だ。
ひょいと投げ込めばたちどころにゴミは消えてしまう。
「これはいい、もっと別のものも消してみるか...」

「なんだよ、こんな時間に呼び出して」
俺は親友の佐藤を街灯の近くまで連れてきた。
俺は知っている、彼女とこいつがデキていることを...。
「いや、どうということはないよ、消えて欲しいだけ」
「は?」
ドンッ
佐藤を突き飛ばす、俺は満面の笑みで送り出す、佐藤は街灯の明かりに照らされ、消える。
「はは、まじかよ、楽勝じゃん、ははははは」
それからというもの俺の邪魔になるやつはどんどんと消していった。
最初はやりすぎかとおもったが、証拠なんて何も残りはしない、俺が消したヤツらは全員行方不明者として扱われた。
俺は十分満帆な生活を手に入れた、鬱陶しいやつは全員消した、彼女だって今は俺のものだ。
「ねぇ、健二くん、どうして笑ってるの?」
おっと、顔に出ていたか。
「多分飲みすぎたんだな、そろそろ帰ろうか」
時刻は2時半、彼女と遠出して晩飯を食いに行くだけのはずが、ズルズルと居酒屋を回ってしまった。

「あ~あ、くらくらする~」
おぼつかない足取りで街を歩く。
「ねぇ、健二くん、話があるの」
彼女が急にあらたまる。
「なんだよ?プロボーズか~?」
「私、あなたとは罰ゲームで付き合ったの。本当はあなたなんてちっとも好きじゃない」
「え?急にどうしちまったんだよ...?」
「...消えてちょうだい」
しまった!!確かこの道は!!
ドンッ
俺は突き飛ばされた、背後には、眩しいほどの街灯の光があった。
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