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暑い夏
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暑い、今年の夏は常に40度以上をキープしている。
ニュースでは連日明日は猛暑日だと報道され、ニュースキャスターも皆顔に生気がなかった。
「やばい、死ぬ...、飲み物を買わないと...」
フラフラとコンビニに向かうとそこには大量の列が出来ていた、みんな飲み物を買うために並んでいるのだ。
最近こういうことが多い、飲み物を求める人が爆増し、コンビニや自販機には常に列ができている。せっかく並んで順番が来ても、売り切れていて買えないということも珍しくない。
「くそ、あの列に並んでたんじゃ干からびちまう、確かあのへんぴな公園に冷水機があったような...」
だいぶ前から放置され、遊具はさびつき、草が腰まで伸びている公園に向かう。
ガサガサと草をかき分けていくとサビサビの冷水機を発見した。
「ビンゴ!!ここなら誰も冷水機の存在に気づいて無いはずだ、水を独り占め出来るぞ」
乾いた喉を潤すためにボタンを押す。
「...あれ?」
ボタンを押す。
「...、くそ!!でねぇじゃねぇーかよ!!どうなってんだよ!!」
期待した分よりイライラする、暑さと怒りで気が狂いそうだ。
ブー
携帯のバイブがなる。
「あ?なんだ?」
携帯をチェックすると県からのメールが届いていた。
「水道局の事故により、現在水道を使う事ができません、復旧の目処はたっておりませんが、いち早く復旧できるように尽力致します」
メールを見た俺は死を覚悟した。
それは俺以外も同じのようで、コンビニで列をなしていた人達は我先にとコンビニになだれ込んでいる。
そりゃそうだ、この暑さの中水道が泊まってしまったのだ、飲み物がなければ3時間と持たないだろう。
「くそ、どうする...」
飲み物を求め街を歩くが、自販機は既に荒らされており、コンビニやスーパーにも既に飲み物はない。
街には飲み物を手に入れ生き長らえる人と、飲み物がなく地面に倒れ込む人達で溢れていた。
「やばい、このままじゃ動けなくなる」
動けるうちに行動しなければ、そう思った。
飲み物をごくごくと飲んでいる人に笑顔で近づく。
「すみません、ちょっといいですか?」
「はい?どうしましたか?」
ガンッ
顔面に懇親のパンチを入れ、すぐさま馬乗りになり殴る。
「ふぅ、飲み物ゲット」
相手を見る限り死んでいるかもしれない、だが、生きるためだ、仕方がない。
周りを見てみると、俺と同じように飲み物の奪い合いが起きていた。
「ここにいると暑さより前に人に殺されるな」
俺は奪った飲み物を手に家に立てこもることにした。
立てこもってから6時間、節約して飲んできた飲み物も底を尽きた、喉は強く乾きを訴えている。
外に出て、飲み物を探す他なかった。
恐る恐る街に出ると、街は一変していた。
辺りでは殺人が当たり前のように行われており、みんな殺した人の血を啜っている。
血を啜る奴らの顔には、もはや理性は感じられなかった。
「はは、やばすぎ、ははは」
もうだめだ、立っていられない。
ぐちゃ
俺は死体の上に倒れた。
ごく
血を飲む。
ごくごく
体が潤うのを感じる。
ごくごくごくごく
もう、俺の中に、理性などありはしなかった。
ニュースでは連日明日は猛暑日だと報道され、ニュースキャスターも皆顔に生気がなかった。
「やばい、死ぬ...、飲み物を買わないと...」
フラフラとコンビニに向かうとそこには大量の列が出来ていた、みんな飲み物を買うために並んでいるのだ。
最近こういうことが多い、飲み物を求める人が爆増し、コンビニや自販機には常に列ができている。せっかく並んで順番が来ても、売り切れていて買えないということも珍しくない。
「くそ、あの列に並んでたんじゃ干からびちまう、確かあのへんぴな公園に冷水機があったような...」
だいぶ前から放置され、遊具はさびつき、草が腰まで伸びている公園に向かう。
ガサガサと草をかき分けていくとサビサビの冷水機を発見した。
「ビンゴ!!ここなら誰も冷水機の存在に気づいて無いはずだ、水を独り占め出来るぞ」
乾いた喉を潤すためにボタンを押す。
「...あれ?」
ボタンを押す。
「...、くそ!!でねぇじゃねぇーかよ!!どうなってんだよ!!」
期待した分よりイライラする、暑さと怒りで気が狂いそうだ。
ブー
携帯のバイブがなる。
「あ?なんだ?」
携帯をチェックすると県からのメールが届いていた。
「水道局の事故により、現在水道を使う事ができません、復旧の目処はたっておりませんが、いち早く復旧できるように尽力致します」
メールを見た俺は死を覚悟した。
それは俺以外も同じのようで、コンビニで列をなしていた人達は我先にとコンビニになだれ込んでいる。
そりゃそうだ、この暑さの中水道が泊まってしまったのだ、飲み物がなければ3時間と持たないだろう。
「くそ、どうする...」
飲み物を求め街を歩くが、自販機は既に荒らされており、コンビニやスーパーにも既に飲み物はない。
街には飲み物を手に入れ生き長らえる人と、飲み物がなく地面に倒れ込む人達で溢れていた。
「やばい、このままじゃ動けなくなる」
動けるうちに行動しなければ、そう思った。
飲み物をごくごくと飲んでいる人に笑顔で近づく。
「すみません、ちょっといいですか?」
「はい?どうしましたか?」
ガンッ
顔面に懇親のパンチを入れ、すぐさま馬乗りになり殴る。
「ふぅ、飲み物ゲット」
相手を見る限り死んでいるかもしれない、だが、生きるためだ、仕方がない。
周りを見てみると、俺と同じように飲み物の奪い合いが起きていた。
「ここにいると暑さより前に人に殺されるな」
俺は奪った飲み物を手に家に立てこもることにした。
立てこもってから6時間、節約して飲んできた飲み物も底を尽きた、喉は強く乾きを訴えている。
外に出て、飲み物を探す他なかった。
恐る恐る街に出ると、街は一変していた。
辺りでは殺人が当たり前のように行われており、みんな殺した人の血を啜っている。
血を啜る奴らの顔には、もはや理性は感じられなかった。
「はは、やばすぎ、ははは」
もうだめだ、立っていられない。
ぐちゃ
俺は死体の上に倒れた。
ごく
血を飲む。
ごくごく
体が潤うのを感じる。
ごくごくごくごく
もう、俺の中に、理性などありはしなかった。
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