三分で読める一話完結型ショートホラー小説

目に余る麻薬栽培

俺達は麻薬を栽培してそれを販売することによって生計を立ててきた。
だが最近の日本は麻薬に関係する犯罪に対して敏感で、とてもじゃないがこのまま日本で薬物を売ることは出来ない。
どうすればいいのか仲間たちと話し合った結果、香港の九龍城砦で新しく商売を始めようということになった。
九龍城砦、そこは今世界で最も人口密度が高いスラム街だ。
とうぜん法や秩序などは存在せず、あまりの治安の悪さと複雑な構造から一度入ったら二度と出てこれないとさえ言われている。
そんな所、俺達みたいな犯罪グループにはピッタリじゃないか。
九龍城砦に住み着くのはとても簡単だった。
そこら辺にいる金に困っているやつに金を渡し、適当な家の家主を殺させる、あとはそこに住むだけだ。
適当に麻薬を栽培し、ここで売ればいい、ここでは日本みたいにビクビクと怯えながら販売する必要は無い、堂々と麻薬の店を作り、毎日荒稼ぎした。
ここは俺たちにピッタリの場所だ、まぁ普通の人にはおすすめは出来ない、人に暴力を振るうことや殺すことに抵抗がある人には厳しいだろう、だが、そうじゃない人間にとっては楽園だ。
犯罪が当たり前であり、あっちゃっこっちゃで狂気的な場面を見ることが出来る。
大通りの中女をレイプしている男、奴隷を破格の値段で売っている商人、老いぼれたボロ雑巾みたいな娼婦。
とっておきは胎児のホイル焼きを販売している店だ、あそこはマジで面白い店だ。
あとはあれだな、街の作りが面白い。
ここには違法建築の建物しか立っておらず、世界でここでしか見られない街並みをしている。
正直いってここに来た時は街並みを見て大興奮したもんだ、ホントめちゃくちゃかっこいいんだよ、ここに来るのが怖い人でも是非写真だけでも見てみてほしい、きっとこの魅力に魅了されるはずだ。
とにかく、香港に立寄ることがあるなら是非俺達の店に来てくれよな、まぁ、生きて帰れるかは分からねぇが。
あと、可愛い女なら絶対生きて返さねぇしな。