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序章
数億年の時
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僕が産まれてからもう何年経っただろうか。
生きる事も死ぬ事も許されぬ、産まれてからずっと…ずっと1人だった。
産まれてから少し経った頃は、誰かが僕を救ってくれると希望を持って居たが、何千何万年と待っても希望は訪れず、遂には希望も絶望もしなくなってしまった。
人間とは何回も何回も話した事がある。
だが、僕の不老不死を奪おうとする者や、研究しようとする者が全てで、少し呆れたが研究の話には乗った。
何故なら僕も自身の体の事を知りたかったからだ。
研究の内容は、僕の血を、長くない老人に飲ませると言うものだった。
きっと老人が僕の血で不老不死になれたなら、僕を襲う人は絶対に居たはずだ。
だが実験は失敗。
僕の血を飲んだ老人は一瞬にして姿を消したのだ。
そのたった1回の失敗で、研究者は僕に恐怖の目を向け、命乞いをした後、僕の前から姿を消した。
その時悟ってしまった、僕は普通の人間と同じ場所で
同じ時間に死ねないと言う事を。
その頃は絶望したが、すぐに現実を受け入れられた。
もう孤独には慣れきって居たのだろう。
だが時々ふと考えてしまう、僕が死なない理由や
永遠の時を生き続けるのかを。
いや、死なないのなら生きているとも言わないのだろう。
「僕は一体何なんだ…」
王都ミライアを見下げながら、じゃれている子供を無意識で見ている。
何故…見ているんだろう? 羨ましいのか? 寿命があるからこそ、楽しめる事や悲しい事を感じられるから? 僕に無い感情をあんな子供が持っているからか?
いや、そんなはずは…無いとは言いきれないな。
僕は背中に生えている赤黒い翼を羽ばたいて、王城のてっぺんに降りる。
何故こんな所で休むかは…僕自身でさえ分からない。
生きる事も死ぬ事も許されぬ、産まれてからずっと…ずっと1人だった。
産まれてから少し経った頃は、誰かが僕を救ってくれると希望を持って居たが、何千何万年と待っても希望は訪れず、遂には希望も絶望もしなくなってしまった。
人間とは何回も何回も話した事がある。
だが、僕の不老不死を奪おうとする者や、研究しようとする者が全てで、少し呆れたが研究の話には乗った。
何故なら僕も自身の体の事を知りたかったからだ。
研究の内容は、僕の血を、長くない老人に飲ませると言うものだった。
きっと老人が僕の血で不老不死になれたなら、僕を襲う人は絶対に居たはずだ。
だが実験は失敗。
僕の血を飲んだ老人は一瞬にして姿を消したのだ。
そのたった1回の失敗で、研究者は僕に恐怖の目を向け、命乞いをした後、僕の前から姿を消した。
その時悟ってしまった、僕は普通の人間と同じ場所で
同じ時間に死ねないと言う事を。
その頃は絶望したが、すぐに現実を受け入れられた。
もう孤独には慣れきって居たのだろう。
だが時々ふと考えてしまう、僕が死なない理由や
永遠の時を生き続けるのかを。
いや、死なないのなら生きているとも言わないのだろう。
「僕は一体何なんだ…」
王都ミライアを見下げながら、じゃれている子供を無意識で見ている。
何故…見ているんだろう? 羨ましいのか? 寿命があるからこそ、楽しめる事や悲しい事を感じられるから? 僕に無い感情をあんな子供が持っているからか?
いや、そんなはずは…無いとは言いきれないな。
僕は背中に生えている赤黒い翼を羽ばたいて、王城のてっぺんに降りる。
何故こんな所で休むかは…僕自身でさえ分からない。
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