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死後の世界
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この意識の世界を旅立つと人間は何処へ向かうのだろうか。
タイムトラベラー、死後の世界、来世…私にはよく分からないものである。
科学者の中でも在る派と無い派が存在しており、どちらとも言えない状態である。
むろん、私もどちらとも言わない。
しかし、自分の体験と祖父の話は記しておきたいのである。
私は中学生から高校生まで浴槽で眠る事が習慣となっていた。
よく両親が生存確認の為、声掛けに来ていたものである。
とある日、いつもの様に浴槽の縁に頭を乗せて眠りにつきそうになっていると薄く開いた目に黒い影の様な物体が映った。
それは到底立つ事のできない浴場にある物置き場に立ち、静かにこちらを見ていた。
今まで幾度か鼻や口を湯につけ死にかけた身ではあったが、こんな物体を見た事は初めてである。
慌てて起き、後ろを振り向いたが誰も居なかった。
今となって私はあれはもしや死神かもしれぬと思うのである。
祖父の話だが、亡くなる前に一度容態が怪しくなった時があった。
無事生還したが、その時聞いたのは三途の川があったという事だ。
三途の川の先に家族がおり、会いに行こうとしたら家族にまだ来てはいけないとこっぴどく叱られ、渋々と戻ってきたと言うのだ。
もしかしたら死後の世界は存在するのだろうか。
祖父は孫である私に対して優しく、寡黙で冗談を言わず、子の背中を押してくれる人であった。
遊び半分で言う様な人でもない為、妙に信憑性があるのだ。
そういえば、火葬場でもひとりでにセンサーが反応し扉が開いた事で弟・親戚と共に驚いた事があった。
遺骨を持ち帰る所であった為、もしかしたら祖母のもとへ一緒に帰ろうと追いかけてきたのかもしれない。
よく夢に亡くなった人が出てくるという話がある。
私も母方の祖母は見た事があるが、未だに父方の祖父は見ない。
もしかすると、夢に出てくるにも年月の定めがあるのであろうか。
それとも波長が合わねばならないのかと私は考えたりするのである。
死後の世界や来世など馬鹿にする者も在るかもしれないが、どちらとも言えないとしながらも私は少し信じてみたいのである。
死後の世界があるとすれば、どれ程素敵な場所であろうか。
一歩先に進めば誰も戻って帰る人が居ないのだから。
もし存在するのならば、私はお会いしたい人が沢山いる。
地獄へは決して行けないのだ。
きっと、お会いしたい人は全員天国にいるであろうから。
その為にも私はこの人生という急に始まった得体の知れないものの天寿を全うしなければならない。
苦しくあがいてもがこうと、嬉しさという衝動に振り回されようと、生きねばならぬ。
人間という生き物に愛着し、生に縋り付きながら祖父の様に人に優しく真摯に背中を押す様な人生を歩まねばならぬ。
きっと、いつかこの世の果てと死後の世界の有無がこの心を以って明らかになるであろうから。
タイムトラベラー、死後の世界、来世…私にはよく分からないものである。
科学者の中でも在る派と無い派が存在しており、どちらとも言えない状態である。
むろん、私もどちらとも言わない。
しかし、自分の体験と祖父の話は記しておきたいのである。
私は中学生から高校生まで浴槽で眠る事が習慣となっていた。
よく両親が生存確認の為、声掛けに来ていたものである。
とある日、いつもの様に浴槽の縁に頭を乗せて眠りにつきそうになっていると薄く開いた目に黒い影の様な物体が映った。
それは到底立つ事のできない浴場にある物置き場に立ち、静かにこちらを見ていた。
今まで幾度か鼻や口を湯につけ死にかけた身ではあったが、こんな物体を見た事は初めてである。
慌てて起き、後ろを振り向いたが誰も居なかった。
今となって私はあれはもしや死神かもしれぬと思うのである。
祖父の話だが、亡くなる前に一度容態が怪しくなった時があった。
無事生還したが、その時聞いたのは三途の川があったという事だ。
三途の川の先に家族がおり、会いに行こうとしたら家族にまだ来てはいけないとこっぴどく叱られ、渋々と戻ってきたと言うのだ。
もしかしたら死後の世界は存在するのだろうか。
祖父は孫である私に対して優しく、寡黙で冗談を言わず、子の背中を押してくれる人であった。
遊び半分で言う様な人でもない為、妙に信憑性があるのだ。
そういえば、火葬場でもひとりでにセンサーが反応し扉が開いた事で弟・親戚と共に驚いた事があった。
遺骨を持ち帰る所であった為、もしかしたら祖母のもとへ一緒に帰ろうと追いかけてきたのかもしれない。
よく夢に亡くなった人が出てくるという話がある。
私も母方の祖母は見た事があるが、未だに父方の祖父は見ない。
もしかすると、夢に出てくるにも年月の定めがあるのであろうか。
それとも波長が合わねばならないのかと私は考えたりするのである。
死後の世界や来世など馬鹿にする者も在るかもしれないが、どちらとも言えないとしながらも私は少し信じてみたいのである。
死後の世界があるとすれば、どれ程素敵な場所であろうか。
一歩先に進めば誰も戻って帰る人が居ないのだから。
もし存在するのならば、私はお会いしたい人が沢山いる。
地獄へは決して行けないのだ。
きっと、お会いしたい人は全員天国にいるであろうから。
その為にも私はこの人生という急に始まった得体の知れないものの天寿を全うしなければならない。
苦しくあがいてもがこうと、嬉しさという衝動に振り回されようと、生きねばならぬ。
人間という生き物に愛着し、生に縋り付きながら祖父の様に人に優しく真摯に背中を押す様な人生を歩まねばならぬ。
きっと、いつかこの世の果てと死後の世界の有無がこの心を以って明らかになるであろうから。
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