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経験上天井でしか見たことが無いコウモリだけど、床の近くや左右の壁にいないとは限らない。
それにウサギやネズミも絶対出てこないとは言い切れないので天井ばかりを見ているわけにもいかない。
でも私にはルー君とロウ君がいる。3人いれば分担して監視できるのだ。
ルー君はコウモリ地帯へと続く右側の通路を。ロウ君はまだ行った事の無い未踏破の通路を。私は主に天井を。
でもずっと同じところばかり見ていると疲れてしまうし、飽きてしまう。
なのである程度時間が経ったら交代して監視している……のだけど――。
「全然出てこないね」
「きゅぅ」
「ホォ~」
かれこれカタログの『魔力総量』が3つ減ったのだけど、一向にコウモリは追加補充される事は無かった。
じゃあさっきのコウモリはなんだったのだ、という話だけど、たまたま私が見逃しただけだろうか?
いくら私が間抜けでもそこまでではないと思いたい。
……でももう3時間以上はこうして監視しているわけで……。
「私が間抜けだったのかなぁ~……」
私はあまり頭の良いほうでもないし、運動ができるわけでもない。
極々平凡な女で、こんな殺伐としたところで非現実的な状況を楽しめる図太い神経も持ち合わせていない。
それでも自分の命に関わる事でもある『敵』の存在を見逃すなんていうのはちょっとありえない。
天井は暗いわけでもない。それどころかずっと遠くまで見える程度には明るい。こんな状況で真っ黒いコウモリを見逃すなんて……。
「あっ」
「きゅ!」
「ホホォ!」
監視を始めて3時間ちょっと。遂にそれは現れた。
天井の一部から闇が染み出したようにゆっくりと液体のような物が少しずつ染み出し……光の粒子が集まるのと同じように1つの塊になっていく。
急いで『気配探知』の範囲内になるように移動してみたが、やはり思ったとおりに『気配探知』に引っかからない。これも光の粒子と同じだ。
そのまま闇が集まり、形を成す。
そしてコウモリとして完成した闇はすぐさま私達に向かって音波攻撃を敢行してきた。
「いたっ!」
「きゅッ!」
「ホーホォ!」
すぐにルー君が焼き払ってくれたからよかったけど、久しぶりに音波攻撃を受けてしまった。うー痛かったぁ……。
「失敗失敗……。『気配探知』に引っかからなかった時点で下がるべきだったね……」
「きゅぃ」
「ホーホホホォ」
失敗したけれどこれでコウモリの出現方法はわかった。
光の粒子の他にも染み出す闇が集まっても『敵』が出てくるんだね。
今のところはコウモリしかこの闇から出てきてないけど、もしかしたら違うのも出てくるかもしれない。
今度からは光の粒子だけじゃなくて、闇も気をつけなければいけない。
でも知ってるのと知らないのとでは全然違うと思う。驚いて行動が遅れるし、何が起こってるのかもわかっていれば対処もしやすい。
うん、この3時間は無駄じゃなかった。
「よっし、コウモリ調査もコレで終わり! コウモリ倒しながら安全地帯に戻ろっか」
「きゅーい!」
「ホォ!」
くるっと1回転して華麗に着地するルー君と片翼を広げて胸を張るロウ君。
これからは連戦になるし、『声援魔法』を何度か使ってルー君の負担を下げながら行こう。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
コウモリ地帯はやっぱりコウモリがたくさんいて連戦になった。
でも『声援魔法』で素早さの上がったルー君に次々に燃やされてどんどん魔力に還元されていく。
でもこの前と同じ轍は踏まないように、休憩を挟みながら進んでいる。
この間は休憩も取らずに戦っていたからあんなに疲れてしまったのだ。
もうコウモリの出現方法もわかっているし、1度限界を知ったからかペース配分がちょっとだけわかったのも大きい。
それに休憩を挟みながら進めば、少しだけど調節のできるようになった『声援魔法』もずっとというわけではないけど、高い頻度でかけ続けることができるようになる。
さすがに休憩を取りながらだったのでずいぶん時間がかかってしまったけれど、安全地帯に戻ってくるまでにすごい量の魔力を確保する事ができてしまった。
「戻ってきたー!」
「きゅーい!」
「ホホーホホホォ」
安全地帯に入ると同時にルー君とロウ君は水浴びをするために泉に飛び込み、私もいそいそと水浴びの用意をする。2人と違って私は目隠し用のバスタオルとローブを広げたり、色々やることがあるからね。
休憩を取りながらといってもさすがに安全地帯じゃないところでの休憩では精神は休まらない。
体の疲労も蓄積されるので全然疲れていないわけではない。むしろかなり疲れた。
でも水浴びは大事だ。いつでも綺麗にしておきたいのは誰だって一緒だと思う。少なくとも私はそうだ。
自分がさっぱりとしたところでルー君とロウ君も綺麗に洗ってあげる。
やっぱり気持ちいいのかされるがままになっていてとてもリラックスしている2人はいつもと違った可愛らしさがある。うちの王子様達は本当に素敵。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
今回の探索兼魔力集めは非常に有意義だった思う。
『敵』の新たな出現方法も判明して、ペース配分もだんだん掴めて来た。
食事も小分けにしてルー君とロウ君に食べさせてみたけど、これも大丈夫みたい。1度に全部食べさせてお腹いっぱいにしてあげられないのはちょっと可哀想だったけど、こまめに休憩を取ってその都度食べさせていたので空腹で悲しい思いをさせることもなかった。
食事休憩を長く取ると『敵』が出てきたときや、逃げなければいけなような状況になったときに空腹が続くのは困ると思ったからだ。
探索はどうしても時間がかかってしまう。
安全地帯ならゆっくりと食事も休憩も取れるけど、『敵』が何時出現するかわからない場所ではそうも言っていられない。
いちいち安全地帯に戻っていては先に進めなくなってしまうし、ぶっつけ本番というのも嫌だったので練習してみたのだ。
結果として様々な事がわかり、そして魔力がすごくたまった!
なんとなんと現在の『魔力総量』は3451!
「夢の『お布団セット』に手が届くよ!」
「きゅぃ! きゅきゅぅぃ!」
「ホー」
カタログを開いて一緒に見ていたルー君は私に飛びついて頬をぺろぺろ舐めてくれる。
でもやっぱりお布団の魔力を知らないロウ君の反応はいまいちだ。
ふふ……。君ももうすぐそんなにクールではいられなくなるのよ!
「むふふ」
「ホ、ホォ……」
ちょっとロウ君が引き気味だけど仕方ない。
だってお布団だよ、お布団! いつも皮のローブに包まって寝るしかなかったのがお布団だよ!
妖しい笑いがこぼれてしまうのも仕方ないと思うの!
夢にまで見た『お布団セット』の『消費魔力』は2800。
『お布団セット』を取得してもまだ600以上も残るので下に敷くための大きなシートなども取得できる。
……完璧だ。完璧すぎて怖いくらいだよ!
「じゃ、じゃあ取得するよ……?」
「きゅい! きゅきゅぅぅうい!」
「ホー」
ゴクリ、と1度唾を飲み込む。ルー君のテンションもうなぎのぼりだ。
ロウ君はもうしょうがない。1度お布団の良さを思い知ればいいのだ。
まず下に敷くための大きなシートを取得する。『消費魔力』は20のお手軽品だ。
青いビニールシートのようなものが折りたたまれた状態で出現し、手早くそれを広げる。
大きさは3m×3mくらいもあるすごく大きなシートだ。お布団を敷く以外にも色々使い道がありそう。
さて前菜はここまで。メインディッシュの登場ですよ!
「げっとー!」
「きゅーい!」
最早何も言わなくなったロウ君だけど、私達のテンションは天井知らずなのでこの際気にしない!
ビニールシートの上に出現した『お布団セット』はたたまれた状態の実に見事なお布団だった。
厚めで寝心地のよさそうな敷き布団。
3枚ある掛け布団はそれぞれどんな気温でも対応できそうな厚さがあり、1番薄い掛け布団は夏に1枚あれば快適そう。しかし全てをかけた時、極寒の真冬の寒さも凌げそうな暖かさを提供してくれることは疑いようがない。
何よりも触ってみればわかる。この1番厚い掛け布団は間違いなく羽毛。押せばふわっと凹み。離せばゆっくりと元に戻るこの濃厚な弾力。
無言で言葉をかみ締め、ゆっくりといつくしむ様にシートに神々しいまでのお布団達を敷いていく。
最後に乗せるのはやはり枕。
枕は快適な睡眠には必需品のマストアイテム。
私は枕が変わっても眠れるけど、やっぱり枕は大事。
低反発とか小豆枕とか色々あるけれど。やっぱりまくらはクッションタイプが1番だと思う。
ぽふっと叩けば、ぱふっと戻る。自然と口角が上がってしまう。
「完成……。完成だよ!」
「きゅうううぅぅぅぃいいいい!」
ルー君を抱き上げてくるくる回る私。
あぁ……お布団だよぅ……。回る視界と若干滲む視界。
私は遂にお布団を手に入れたんだよぉ!
ピタッと回転を止めていざお布団へ! と1歩を踏み出すと、なんとそこには先客が!
「ろ、ロウ君……? コレは一体!?」
「きゅぅぅ!?」
そこにはスヤスヤ、ととても気持ちよさそうに眠っているロウ君の姿があったのです。
私達がくるくる回っている間にどうやら1番興味がなかったはずのロウ君がお布団1番乗りを果たしていた事実に私は驚愕と困惑でいっぱいになり……そして理解してしまった。
「ロウ君……なんて……なんて策士!
まさか私達がハイテンションではしゃぐことまで全て計算にいれてあんな興味のない振りを!?
全てはこのお布団1番乗りを果たすために!?」
ロウ君……恐ろしい子ッ!
私が驚愕しつつ、上がりきったハイテンションのままになぞの解説を終えてもロウ君は特にリアクションも返さず、スヤスヤ眠っていました。
……お布団はとっても気持ちよく寝れました。
それにウサギやネズミも絶対出てこないとは言い切れないので天井ばかりを見ているわけにもいかない。
でも私にはルー君とロウ君がいる。3人いれば分担して監視できるのだ。
ルー君はコウモリ地帯へと続く右側の通路を。ロウ君はまだ行った事の無い未踏破の通路を。私は主に天井を。
でもずっと同じところばかり見ていると疲れてしまうし、飽きてしまう。
なのである程度時間が経ったら交代して監視している……のだけど――。
「全然出てこないね」
「きゅぅ」
「ホォ~」
かれこれカタログの『魔力総量』が3つ減ったのだけど、一向にコウモリは追加補充される事は無かった。
じゃあさっきのコウモリはなんだったのだ、という話だけど、たまたま私が見逃しただけだろうか?
いくら私が間抜けでもそこまでではないと思いたい。
……でももう3時間以上はこうして監視しているわけで……。
「私が間抜けだったのかなぁ~……」
私はあまり頭の良いほうでもないし、運動ができるわけでもない。
極々平凡な女で、こんな殺伐としたところで非現実的な状況を楽しめる図太い神経も持ち合わせていない。
それでも自分の命に関わる事でもある『敵』の存在を見逃すなんていうのはちょっとありえない。
天井は暗いわけでもない。それどころかずっと遠くまで見える程度には明るい。こんな状況で真っ黒いコウモリを見逃すなんて……。
「あっ」
「きゅ!」
「ホホォ!」
監視を始めて3時間ちょっと。遂にそれは現れた。
天井の一部から闇が染み出したようにゆっくりと液体のような物が少しずつ染み出し……光の粒子が集まるのと同じように1つの塊になっていく。
急いで『気配探知』の範囲内になるように移動してみたが、やはり思ったとおりに『気配探知』に引っかからない。これも光の粒子と同じだ。
そのまま闇が集まり、形を成す。
そしてコウモリとして完成した闇はすぐさま私達に向かって音波攻撃を敢行してきた。
「いたっ!」
「きゅッ!」
「ホーホォ!」
すぐにルー君が焼き払ってくれたからよかったけど、久しぶりに音波攻撃を受けてしまった。うー痛かったぁ……。
「失敗失敗……。『気配探知』に引っかからなかった時点で下がるべきだったね……」
「きゅぃ」
「ホーホホホォ」
失敗したけれどこれでコウモリの出現方法はわかった。
光の粒子の他にも染み出す闇が集まっても『敵』が出てくるんだね。
今のところはコウモリしかこの闇から出てきてないけど、もしかしたら違うのも出てくるかもしれない。
今度からは光の粒子だけじゃなくて、闇も気をつけなければいけない。
でも知ってるのと知らないのとでは全然違うと思う。驚いて行動が遅れるし、何が起こってるのかもわかっていれば対処もしやすい。
うん、この3時間は無駄じゃなかった。
「よっし、コウモリ調査もコレで終わり! コウモリ倒しながら安全地帯に戻ろっか」
「きゅーい!」
「ホォ!」
くるっと1回転して華麗に着地するルー君と片翼を広げて胸を張るロウ君。
これからは連戦になるし、『声援魔法』を何度か使ってルー君の負担を下げながら行こう。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
コウモリ地帯はやっぱりコウモリがたくさんいて連戦になった。
でも『声援魔法』で素早さの上がったルー君に次々に燃やされてどんどん魔力に還元されていく。
でもこの前と同じ轍は踏まないように、休憩を挟みながら進んでいる。
この間は休憩も取らずに戦っていたからあんなに疲れてしまったのだ。
もうコウモリの出現方法もわかっているし、1度限界を知ったからかペース配分がちょっとだけわかったのも大きい。
それに休憩を挟みながら進めば、少しだけど調節のできるようになった『声援魔法』もずっとというわけではないけど、高い頻度でかけ続けることができるようになる。
さすがに休憩を取りながらだったのでずいぶん時間がかかってしまったけれど、安全地帯に戻ってくるまでにすごい量の魔力を確保する事ができてしまった。
「戻ってきたー!」
「きゅーい!」
「ホホーホホホォ」
安全地帯に入ると同時にルー君とロウ君は水浴びをするために泉に飛び込み、私もいそいそと水浴びの用意をする。2人と違って私は目隠し用のバスタオルとローブを広げたり、色々やることがあるからね。
休憩を取りながらといってもさすがに安全地帯じゃないところでの休憩では精神は休まらない。
体の疲労も蓄積されるので全然疲れていないわけではない。むしろかなり疲れた。
でも水浴びは大事だ。いつでも綺麗にしておきたいのは誰だって一緒だと思う。少なくとも私はそうだ。
自分がさっぱりとしたところでルー君とロウ君も綺麗に洗ってあげる。
やっぱり気持ちいいのかされるがままになっていてとてもリラックスしている2人はいつもと違った可愛らしさがある。うちの王子様達は本当に素敵。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
今回の探索兼魔力集めは非常に有意義だった思う。
『敵』の新たな出現方法も判明して、ペース配分もだんだん掴めて来た。
食事も小分けにしてルー君とロウ君に食べさせてみたけど、これも大丈夫みたい。1度に全部食べさせてお腹いっぱいにしてあげられないのはちょっと可哀想だったけど、こまめに休憩を取ってその都度食べさせていたので空腹で悲しい思いをさせることもなかった。
食事休憩を長く取ると『敵』が出てきたときや、逃げなければいけなような状況になったときに空腹が続くのは困ると思ったからだ。
探索はどうしても時間がかかってしまう。
安全地帯ならゆっくりと食事も休憩も取れるけど、『敵』が何時出現するかわからない場所ではそうも言っていられない。
いちいち安全地帯に戻っていては先に進めなくなってしまうし、ぶっつけ本番というのも嫌だったので練習してみたのだ。
結果として様々な事がわかり、そして魔力がすごくたまった!
なんとなんと現在の『魔力総量』は3451!
「夢の『お布団セット』に手が届くよ!」
「きゅぃ! きゅきゅぅぃ!」
「ホー」
カタログを開いて一緒に見ていたルー君は私に飛びついて頬をぺろぺろ舐めてくれる。
でもやっぱりお布団の魔力を知らないロウ君の反応はいまいちだ。
ふふ……。君ももうすぐそんなにクールではいられなくなるのよ!
「むふふ」
「ホ、ホォ……」
ちょっとロウ君が引き気味だけど仕方ない。
だってお布団だよ、お布団! いつも皮のローブに包まって寝るしかなかったのがお布団だよ!
妖しい笑いがこぼれてしまうのも仕方ないと思うの!
夢にまで見た『お布団セット』の『消費魔力』は2800。
『お布団セット』を取得してもまだ600以上も残るので下に敷くための大きなシートなども取得できる。
……完璧だ。完璧すぎて怖いくらいだよ!
「じゃ、じゃあ取得するよ……?」
「きゅい! きゅきゅぅぅうい!」
「ホー」
ゴクリ、と1度唾を飲み込む。ルー君のテンションもうなぎのぼりだ。
ロウ君はもうしょうがない。1度お布団の良さを思い知ればいいのだ。
まず下に敷くための大きなシートを取得する。『消費魔力』は20のお手軽品だ。
青いビニールシートのようなものが折りたたまれた状態で出現し、手早くそれを広げる。
大きさは3m×3mくらいもあるすごく大きなシートだ。お布団を敷く以外にも色々使い道がありそう。
さて前菜はここまで。メインディッシュの登場ですよ!
「げっとー!」
「きゅーい!」
最早何も言わなくなったロウ君だけど、私達のテンションは天井知らずなのでこの際気にしない!
ビニールシートの上に出現した『お布団セット』はたたまれた状態の実に見事なお布団だった。
厚めで寝心地のよさそうな敷き布団。
3枚ある掛け布団はそれぞれどんな気温でも対応できそうな厚さがあり、1番薄い掛け布団は夏に1枚あれば快適そう。しかし全てをかけた時、極寒の真冬の寒さも凌げそうな暖かさを提供してくれることは疑いようがない。
何よりも触ってみればわかる。この1番厚い掛け布団は間違いなく羽毛。押せばふわっと凹み。離せばゆっくりと元に戻るこの濃厚な弾力。
無言で言葉をかみ締め、ゆっくりといつくしむ様にシートに神々しいまでのお布団達を敷いていく。
最後に乗せるのはやはり枕。
枕は快適な睡眠には必需品のマストアイテム。
私は枕が変わっても眠れるけど、やっぱり枕は大事。
低反発とか小豆枕とか色々あるけれど。やっぱりまくらはクッションタイプが1番だと思う。
ぽふっと叩けば、ぱふっと戻る。自然と口角が上がってしまう。
「完成……。完成だよ!」
「きゅうううぅぅぅぃいいいい!」
ルー君を抱き上げてくるくる回る私。
あぁ……お布団だよぅ……。回る視界と若干滲む視界。
私は遂にお布団を手に入れたんだよぉ!
ピタッと回転を止めていざお布団へ! と1歩を踏み出すと、なんとそこには先客が!
「ろ、ロウ君……? コレは一体!?」
「きゅぅぅ!?」
そこにはスヤスヤ、ととても気持ちよさそうに眠っているロウ君の姿があったのです。
私達がくるくる回っている間にどうやら1番興味がなかったはずのロウ君がお布団1番乗りを果たしていた事実に私は驚愕と困惑でいっぱいになり……そして理解してしまった。
「ロウ君……なんて……なんて策士!
まさか私達がハイテンションではしゃぐことまで全て計算にいれてあんな興味のない振りを!?
全てはこのお布団1番乗りを果たすために!?」
ロウ君……恐ろしい子ッ!
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……お布団はとっても気持ちよく寝れました。
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