6 / 8
6.お話し
しおりを挟む
「わかればいい。落ち着いてくれたようだから、少し話をしてもいいか?」
「いしさんと、お話するの?」
「ああ。その前にまず名前を教えてくれ。俺は石井純だ」
「いし、いじゅん?」
「区切る場所が違うが、まあいい。君の名前は?」
「なまえはラナだよ」
「ラナか」
「うん、いしさん」
「……」
まあ実際に石なんだからそれでいいのか?
とにかく話を進めるか。
「ラナは外の状況わかってるのか? 他に人は居ないみたいだが……」
「その、わたし、わからないの。おおきな音がしたとおもったら……」
「荷物が散乱していたわけか」
「うん……」
だが、なぜはこの中に隠れていたんだ?
もしかして、この馬車の正規の乗組員じゃなかったのか?
「ラナはどうしてこの馬車に乗っていたんだ?」
「……おねえちゃんのところに行こうとおもって」
「おねえちゃん?」
姉妹がいるのか。
詳しく話を聞いてみると、街に冒険者として出稼ぎに出た7つ年上の姉に会うために馬車にこっそりと乗り込んだらしい。
体の小さい彼女だからこそ出来たのだろう。
俺は疑問に思ったことを聞いてみる。
「でもどうしてそこまで? ただ会いたかったからこんな無茶をしたのか?」
普通、まだ年端も行かない子が、一大決心で馬車に乗り込んで姉に会いに行くとは思えなかった。
姉の居る街まで、馬車で一ヶ月ほどかかる道のりらしいのだ。
下手したら途中で見つかって大変なことになる可能性だってあった。
「おねえちゃんからぜんぜん手紙がこなくなって……もしかしたら」
ああなるほど、ラナの目を見てわかった。
らか、手紙が来なくなって死んでしまったと思ったのだろう。
冒険者がどういう仕事なのかわからないが、俺が途中で目にした魔物らしき存在からするに、危険な仕事なのかもしれない。
「そうか、わかった。それでどうする? 俺もここから移動したい。ラナも姉のところに行きたい。だけど、外の状況を確認すればわかるが、他の馬車は全滅している。進むにせよ戻るにせよ、馬車は使えない。ラナはどうする?」
正直なところ、最初の遭遇者がラナくらいの年齢の子でよかった。
下手に大人のやつに話しかけて、悪魔祓いだの石の魔物だのと騒がれるのが一番まずかった。その辺のことを思うと、気味悪く思っていないラナは当たりかもしれない。
「わかんないよそんなの……。いしさん、わたし、どうすればいいの?」
どうする?
「いしさんと、お話するの?」
「ああ。その前にまず名前を教えてくれ。俺は石井純だ」
「いし、いじゅん?」
「区切る場所が違うが、まあいい。君の名前は?」
「なまえはラナだよ」
「ラナか」
「うん、いしさん」
「……」
まあ実際に石なんだからそれでいいのか?
とにかく話を進めるか。
「ラナは外の状況わかってるのか? 他に人は居ないみたいだが……」
「その、わたし、わからないの。おおきな音がしたとおもったら……」
「荷物が散乱していたわけか」
「うん……」
だが、なぜはこの中に隠れていたんだ?
もしかして、この馬車の正規の乗組員じゃなかったのか?
「ラナはどうしてこの馬車に乗っていたんだ?」
「……おねえちゃんのところに行こうとおもって」
「おねえちゃん?」
姉妹がいるのか。
詳しく話を聞いてみると、街に冒険者として出稼ぎに出た7つ年上の姉に会うために馬車にこっそりと乗り込んだらしい。
体の小さい彼女だからこそ出来たのだろう。
俺は疑問に思ったことを聞いてみる。
「でもどうしてそこまで? ただ会いたかったからこんな無茶をしたのか?」
普通、まだ年端も行かない子が、一大決心で馬車に乗り込んで姉に会いに行くとは思えなかった。
姉の居る街まで、馬車で一ヶ月ほどかかる道のりらしいのだ。
下手したら途中で見つかって大変なことになる可能性だってあった。
「おねえちゃんからぜんぜん手紙がこなくなって……もしかしたら」
ああなるほど、ラナの目を見てわかった。
らか、手紙が来なくなって死んでしまったと思ったのだろう。
冒険者がどういう仕事なのかわからないが、俺が途中で目にした魔物らしき存在からするに、危険な仕事なのかもしれない。
「そうか、わかった。それでどうする? 俺もここから移動したい。ラナも姉のところに行きたい。だけど、外の状況を確認すればわかるが、他の馬車は全滅している。進むにせよ戻るにせよ、馬車は使えない。ラナはどうする?」
正直なところ、最初の遭遇者がラナくらいの年齢の子でよかった。
下手に大人のやつに話しかけて、悪魔祓いだの石の魔物だのと騒がれるのが一番まずかった。その辺のことを思うと、気味悪く思っていないラナは当たりかもしれない。
「わかんないよそんなの……。いしさん、わたし、どうすればいいの?」
どうする?
0
あなたにおすすめの小説
不倫されて離婚した社畜OLが幼女転生して聖女になりましたが、王国が揉めてて大事にしてもらえないので好きに生きます
天田れおぽん
ファンタジー
ブラック企業に勤める社畜OL沙羅(サラ)は、結婚したものの不倫されて離婚した。スッキリした気分で明るい未来に期待を馳せるも、公園から飛び出てきた子どもを助けたことで、弱っていた心臓が止まってしまい死亡。同情した女神が、黒髪黒目中肉中背バツイチの沙羅を、銀髪碧眼3歳児の聖女として異世界へと転生させてくれた。
ところが王国内で聖女の処遇で揉めていて、転生先は草原だった。
サラは女神がくれた山盛りてんこ盛りのスキルを使い、異世界で知り合ったモフモフたちと暮らし始める――――
※第16話 あつまれ聖獣の森 6 が抜けていましたので2025/07/30に追加しました。
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
異世界に転生したら?(改)
まさ
ファンタジー
事故で死んでしまった主人公のマサムネ(奥田 政宗)は41歳、独身、彼女無し、最近の楽しみと言えば、従兄弟から借りて読んだラノベにハマり、今ではアパートの部屋に数十冊の『転生』系小説、通称『ラノベ』がところ狭しと重なっていた。
そして今日も残業の帰り道、脳内で転生したら、あーしよ、こーしよと現実逃避よろしくで想像しながら歩いていた。
物語はまさに、その時に起きる!
横断歩道を歩き目的他のアパートまで、もうすぐ、、、だったのに居眠り運転のトラックに轢かれ、意識を失った。
そして再び意識を取り戻した時、目の前に女神がいた。
◇
5年前の作品の改稿板になります。
少し(?)年数があって文章がおかしい所があるかもですが、素人の作品。
生暖かい目で見て下されば幸いです。
この度異世界に転生して貴族に生まれ変わりました
okiraku
ファンタジー
地球世界の日本の一般国民の息子に生まれた藤堂晴馬は、生まれつきのエスパーで透視能力者だった。彼は親から独立してアパートを借りて住みながら某有名国立大学にかよっていた。4年生の時、酔っ払いの無免許運転の車にはねられこの世を去り、異世界アールディアのバリアス王国貴族の子として転生した。幸せで平和な人生を今世で歩むかに見えたが、国内は王族派と貴族派、中立派に分かれそれに国王が王位継承者を定めぬまま重い病に倒れ王子たちによる王位継承争いが起こり国内は不安定な状態となった。そのため貴族間で領地争いが起こり転生した晴馬の家もまきこまれ領地を失うこととなるが、もともと転生者である晴馬は逞しく生き家族を支えて生き抜くのであった。
転生先は上位貴族で土属性のスキルを手に入れ雑魚扱いだったものの職業は最強だった英雄異世界転生譚
熊虎屋
ファンタジー
現世で一度死んでしまったバスケットボール最強中学生の主人公「神崎 凪」は異世界転生をして上位貴族となったが魔法が土属性というハズレ属性に。
しかし職業は最強!?
自分なりの生活を楽しもうとするがいつの間にか世界の英雄に!?
ハズレ属性と最強の職業で英雄となった異世界転生譚。
異世界で幸せに~運命?そんなものはありません~
存在証明
ファンタジー
不慮の事故によって異世界に転生したカイ。異世界でも家族に疎まれる日々を送るがある日赤い瞳の少年と出会ったことによって世界が一変する。突然街を襲ったスタンピードから2人で隣国まで逃れ、そこで冒険者となったカイ達は仲間を探して冒険者ライフ!のはずが…?!
はたしてカイは運命をぶち壊して幸せを掴むことができるのか?!
火・金・日、投稿予定
投稿先『小説家になろう様』『アルファポリス様』
転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです
NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた
英雄将軍の隠し子は、軍学校で『普通』に暮らしたい。~でも前世の戦術知識がチートすぎて、気付けば帝国の影の支配者になっていました~
ヒミヤデリュージョン
ファンタジー
帝国の辺境で、ただ静かに生き延びたいと願う少年、ヴァン。
彼に正義感はない。あるのは、前世の記憶と、母が遺した『物理法則を応用した高圧魔力』という危険な理論だけだ。
敵の大軍が迫る中、ヴァンは剣も振るわず、補給線と心理を切り裂く。
結果、敵軍は撤退。代償も、喝采も、彼には無意味だった。
だが、その「効率的すぎる勝利」は帝国の目に留まり、彼は最高峰の『帝国軍事学院』へと引きずり出される。
「英雄になりたいわけじゃない。生き残りたいだけだ」
謎の仮面メイド『シンカク』、命を取引に差し出した狼耳の少女『アイリ』。
少年は選択する。正義ではなく、最も費用対効果の高い道を。
これは、合理が英雄譚を侵食していく、学園ミリタリーファンタジー。
【※作者は日本語を勉強中の外国人です。翻訳ソフトと辞書を駆使して執筆しています。至らない点もあるかと思いますが、物語を楽しんでいただければ幸いです。】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる