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第三章 新メンバー登場
幼馴染コンビ
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三人がかりでもグリフォンに苦戦している。
「せめてキースを治して連れ帰れたら良いんだけど」
グリフォンは空を飛んでおり、キースに近づこうとすれば行く手を阻まれて全く近付けない。
「これならどうだ! 凍てつく氷よ、如何なる敵も射抜く槍となれ氷槍」
ジェラルドが氷の槍をグリフォンに打ち込むも、なんなくかわされた。と、思いきや遅れてもう一つ氷の槍がグリフォンめがけて放たれていた。
「ヒギャッ」
「やった、当たった!」
氷の槍は翼の付け根付近に刺さり、体勢を崩してグリフォンは下に落ちてきた。そこへエドワードが剣を握りしめてグリフォンに向かっていった。
しかし、グリフォンはしっかりと四本足で地面に着地した。エドワードが攻撃を仕掛ける前にグリフォンの鉤爪がエドワードの腕を引っ掻いた。
「うッ」
エドワードは動く間も与えられず、グリフォンに胸元を引っ掻かれ、後ろ脚で蹴られた。
「「エドワード!」」
エドワードは木に思い切り背中を打ち付けた。
「エドワード、すぐ治すから! うわッ!」
エドワードに駆け寄ろうとすれば、グリフォンが走って体当たりしてきた。俺はそのまま吹っ飛ばされた。
エドワード同様に木に打ち付けられるかと思ったその時。
「凍える冷気よ、極寒の息吹で汝を包め吹雪」
ジェラルドの魔法で俺はフワッと雪と風に包まれた。
「ありがとう」
「おう、それよりエドワードを早く治してやらないとな」
「うん」
しかし、こう邪魔をされてはエドワードの元まで行けない。やはりグリフォンを先に倒すしかないのか。戦い方を考えていると、リアムが前に出てきた。
「リアム?」
「僕が囮になるよ。その隙にエドワードを治してあげて。ついでにあいつも」
「お前、囮って、あいつの威力見てただろ?」
「そうだよ。リアムは安全なとこにいてよ」
ジェラルドと二人で止めるが、リアムは頭に手をかけた。
「駄目だって!」
俺の言葉も虚しく、リアムはピンクのカツラを取った。
「馬鹿!」
グリフォンがリアムを一点に見つめた。そして、駆けてきた。
「ったく、無茶しすぎだよ! 氷よ、如何なる攻撃も防げ氷壁」
ジェラルドが氷のシールドを幾重にもはった。しかし、グリフォンはそれをいとも簡単に破って一直線に駆けてくる。それを見ながらリアムが叫んだ。
「オリヴァー、早く!」
エドワードとリアムを交互に見て、俺の思考は停止した。そして、俺はリアムの前に出た。ジェラルドも俺の横に立った。
「オリヴァー! なんで行かないんだ!」
「行けるわけないじゃん」
「自己犠牲は嫌われるぞ」
それに、一直線に駆けてくるなら好都合だ。
「ジェラルド、行くよ」
「おう!」
俺とジェラルドは二人同時に詠唱した。
「聖なる光よ、一筋の光となりて敵を薙ぎ払え閃光」
「凍てつく氷よ、一筋の氷となりて敵を薙ぎ払え氷光線」
光と氷のビーム、二種類が交わりながら一直線にグリフォンに向かっていった。
ドガーンッ!
大きな音と共にグリフォンの周りには土煙が舞い上がった。
「どうだ? やったか?」
土煙が徐々に薄れ、視界が良好になってきた。
「やった!」
「俺達にかかればチョロいな」
グリフォンはその場に倒れていた。
「あ、そうだ。二人を早く治して下山しないと」
「他にも魔獣が出てきたら困るからな」
俺はエドワードとキースに治癒魔法をかけた。キースは元気になると、その場に居座って魔物を狩ると言い張ったが、ショーンの説得で共に下山した。
◇
山の麓まで下りると、既に辺りは薄暗い夕暮れ時だった。
「本当に送らなくて良いの?」
「おう、助けてくれてありがとな」
せっかく馬で来ているので、キースを野盗のアジト付近まで送ると提案したのだが、断られた。
「でも良いのか? これオレが貰っても」
キースは青い魔石を出して聞いてきた。
そう、青だ。赤でもオレンジでも白でもない、青。つまりレア魔石だ。グリフォンから出てきた。
キースもかなりの数の魔物を狩ったようだが、どれも普通の魔石だった。今回、唯一のレア魔石。キースに譲ることにした。
「でも、キース」
「分かってるよ。人を傷付けることには使わない」
「絶対だよ」
話を終えて馬に乗ろうとすると、ノエルが嬉しそうに言った。
「それでキース様、いつお兄様のパーティーに入られますか?」
「は?」
キースは初耳なのでキョトンとした顔をし、ジェラルドとリアムは至極不愉快な顔をした。
「ノエル、無茶を言わないの」
「だってキース様もお兄様が好きですわよね?」
ノエルの言葉に一瞬沈黙が流れたが、キースは優しく笑って俺の頭をクシャッと撫でた。
「好きだぞ」
「やっぱりですわ! キース様、仲間になりましょう!」
「はは、お前の妹面白いな」
ノエルとキースのやり取りを不機嫌そうに見ていたジェラルドが、リアムを馬に乗せた。
「リアム、先帰ろうぜ」
「そうだね」
「あ、二人とも待ってよ。ノエルもエドワードも行こう」
ノエルを無理矢理馬に乗せて、俺達はキースと別れた——。
「せめてキースを治して連れ帰れたら良いんだけど」
グリフォンは空を飛んでおり、キースに近づこうとすれば行く手を阻まれて全く近付けない。
「これならどうだ! 凍てつく氷よ、如何なる敵も射抜く槍となれ氷槍」
ジェラルドが氷の槍をグリフォンに打ち込むも、なんなくかわされた。と、思いきや遅れてもう一つ氷の槍がグリフォンめがけて放たれていた。
「ヒギャッ」
「やった、当たった!」
氷の槍は翼の付け根付近に刺さり、体勢を崩してグリフォンは下に落ちてきた。そこへエドワードが剣を握りしめてグリフォンに向かっていった。
しかし、グリフォンはしっかりと四本足で地面に着地した。エドワードが攻撃を仕掛ける前にグリフォンの鉤爪がエドワードの腕を引っ掻いた。
「うッ」
エドワードは動く間も与えられず、グリフォンに胸元を引っ掻かれ、後ろ脚で蹴られた。
「「エドワード!」」
エドワードは木に思い切り背中を打ち付けた。
「エドワード、すぐ治すから! うわッ!」
エドワードに駆け寄ろうとすれば、グリフォンが走って体当たりしてきた。俺はそのまま吹っ飛ばされた。
エドワード同様に木に打ち付けられるかと思ったその時。
「凍える冷気よ、極寒の息吹で汝を包め吹雪」
ジェラルドの魔法で俺はフワッと雪と風に包まれた。
「ありがとう」
「おう、それよりエドワードを早く治してやらないとな」
「うん」
しかし、こう邪魔をされてはエドワードの元まで行けない。やはりグリフォンを先に倒すしかないのか。戦い方を考えていると、リアムが前に出てきた。
「リアム?」
「僕が囮になるよ。その隙にエドワードを治してあげて。ついでにあいつも」
「お前、囮って、あいつの威力見てただろ?」
「そうだよ。リアムは安全なとこにいてよ」
ジェラルドと二人で止めるが、リアムは頭に手をかけた。
「駄目だって!」
俺の言葉も虚しく、リアムはピンクのカツラを取った。
「馬鹿!」
グリフォンがリアムを一点に見つめた。そして、駆けてきた。
「ったく、無茶しすぎだよ! 氷よ、如何なる攻撃も防げ氷壁」
ジェラルドが氷のシールドを幾重にもはった。しかし、グリフォンはそれをいとも簡単に破って一直線に駆けてくる。それを見ながらリアムが叫んだ。
「オリヴァー、早く!」
エドワードとリアムを交互に見て、俺の思考は停止した。そして、俺はリアムの前に出た。ジェラルドも俺の横に立った。
「オリヴァー! なんで行かないんだ!」
「行けるわけないじゃん」
「自己犠牲は嫌われるぞ」
それに、一直線に駆けてくるなら好都合だ。
「ジェラルド、行くよ」
「おう!」
俺とジェラルドは二人同時に詠唱した。
「聖なる光よ、一筋の光となりて敵を薙ぎ払え閃光」
「凍てつく氷よ、一筋の氷となりて敵を薙ぎ払え氷光線」
光と氷のビーム、二種類が交わりながら一直線にグリフォンに向かっていった。
ドガーンッ!
大きな音と共にグリフォンの周りには土煙が舞い上がった。
「どうだ? やったか?」
土煙が徐々に薄れ、視界が良好になってきた。
「やった!」
「俺達にかかればチョロいな」
グリフォンはその場に倒れていた。
「あ、そうだ。二人を早く治して下山しないと」
「他にも魔獣が出てきたら困るからな」
俺はエドワードとキースに治癒魔法をかけた。キースは元気になると、その場に居座って魔物を狩ると言い張ったが、ショーンの説得で共に下山した。
◇
山の麓まで下りると、既に辺りは薄暗い夕暮れ時だった。
「本当に送らなくて良いの?」
「おう、助けてくれてありがとな」
せっかく馬で来ているので、キースを野盗のアジト付近まで送ると提案したのだが、断られた。
「でも良いのか? これオレが貰っても」
キースは青い魔石を出して聞いてきた。
そう、青だ。赤でもオレンジでも白でもない、青。つまりレア魔石だ。グリフォンから出てきた。
キースもかなりの数の魔物を狩ったようだが、どれも普通の魔石だった。今回、唯一のレア魔石。キースに譲ることにした。
「でも、キース」
「分かってるよ。人を傷付けることには使わない」
「絶対だよ」
話を終えて馬に乗ろうとすると、ノエルが嬉しそうに言った。
「それでキース様、いつお兄様のパーティーに入られますか?」
「は?」
キースは初耳なのでキョトンとした顔をし、ジェラルドとリアムは至極不愉快な顔をした。
「ノエル、無茶を言わないの」
「だってキース様もお兄様が好きですわよね?」
ノエルの言葉に一瞬沈黙が流れたが、キースは優しく笑って俺の頭をクシャッと撫でた。
「好きだぞ」
「やっぱりですわ! キース様、仲間になりましょう!」
「はは、お前の妹面白いな」
ノエルとキースのやり取りを不機嫌そうに見ていたジェラルドが、リアムを馬に乗せた。
「リアム、先帰ろうぜ」
「そうだね」
「あ、二人とも待ってよ。ノエルもエドワードも行こう」
ノエルを無理矢理馬に乗せて、俺達はキースと別れた——。
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