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第七章 人間界侵略回避
上目遣い禁止令
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誰でも良いから助けて欲しい、そう思ってポツリと呟いた。するとメレディスが現れた。
「貴様ら、私の嫁に一体何をしておるのだ!」
メレディスが般若の形相で叫べば、ヴァンパイア六体が一斉に俺から離れた。
「メ、メレディス様」
「申し訳ございません……」
「私、妾に選ばれました!」
メレディスがギロッと俺を見た。すかさず首をぶんぶんと左右に振った。
「違うらしいぞ」
「そんな……あれほど気持ち良いと鳴いていたのに」
「オリヴァー、どういうことか説明してもらおうか。それに、この格好……」
怒っていたメレディスが一変、優しい眼差しへと変わった。
「最近会いに来なかったから、私を嫉妬させようと……それでこんな格好でこんなことをしたのか」
メレディスが勘違いしている。しかし、ハニートラップを仕掛けたと正直に言えば恐ろしいことになりそうだ。やめておこう。
「メレディス……会いたかった」
ギュッと抱き付けば、頭をポンポンと撫でられた。
「そうか、そうか。そんなに私に会いたかったのか」
「うん、凄く!」
会いたかったのは素直な気持ち。だって、これ以上ヴァンパイアの相手は正直キツい。刻印のおかげで最後まで犯されることはないはずだが、それでも嫌なものは嫌だ。
そして、抱きついたのは助けてくれたメレディスへのちょっとしたサービス。しかも、効果は抜群だ。
「貴様ら、人間界には二度と来るな! 今すぐ立ち去れ!」
メレディスがヴァンパイアに激怒すれば、ヴァンパイアは慌てふためいた。
「しかし、王命でして……」
「王命に逆らえばどうなるか」
「関係ない! 貴様らは私の嫁に手を出したのだ。死をもって償っても良いのだぞ? さぁ、ここで死ぬか王命に逆らって死罪になるか、どちらか選べ」
それはどちらも変わらないのでは……とは、言えなかった。
「そこまでにしてやれ、メレディス」
「「「魔王様!」」」
久々の魔王登場だ。いつの間にか後ろに立っていた。
ヴァンパイアは魔王に平伏し、魔王は俺の顔をうっとりとした目で見てきた。
「メレディスが急にいなくなったと思えば……これは良いものを見させてもらった。やはり、我のモノにならんか」
「や、メレディス」
恐怖のあまり、俺はメレディスに更にギュッと抱き付いた。
「陛下、嫁が怖がっております。そんなイヤらしい目で見るのはおやめ下さい」
「イヤらしいとはなんだ。それより汝、魔力が全く感じられんが?」
「あ、そうだった。これ外してくれない?」
そう言うと、魔王が俺の金髪の髪をかき分けた。
「痛ッ、やめてよ」
魔王がカプッと首筋を噛んだのだ。何故かみーちゃんが出てこない。
「やはり、この首飾りのせいで精霊が出て来られんらしいな」
その事実をヴァンパイアに知られていなくて良かった。魔王が噛んでもみーちゃんが出て来ないということは、ヴァンパイアに噛まれても出て来ない。つまり、血を吸われて死ぬかヴァンパイア化するか、若しくは……。考えるだけで恐ろしい。
「そういえば、どうしてメレディスは来てくれたの?」
メレディスから一旦離れると、メレディスは残念そうにしながらも嬉しそうに応えた。
「汝が呼んだのだろう? 刻印の相手に助けを求めれば、自動的に召喚されるようになっているからな。こっちの機能は大丈夫だったのだろう」
「そうなんだ」
それなら早く言って欲しかった。首輪をつけられた段階でメレディスに助けを求めていたのに。
「それよりお願い、早く外して!」
メレディスと魔王どちらでも良いからと見上げれば、二人とも固まった。
「まさかチェスター? 時を止めたの?」
チェスターを見れば、こちらに向かって手を翳していた。が、違ったようだ。魔王とメレディスが口を開いた。
「メレディス、この生き物は何だ。悪魔か?」
「何を馬鹿なことを仰いますか。悪魔は私達でしょう。オリヴァー、そんな大きな瞳をキラキラさせながら見るのは私だけにしろ。陛下まで悩殺する必要はない」
「悩殺って……してないんだけど」
「しかも、今はとても愛らしい姿をしているのだ。誰もが虜になってしまうではないか……はッ! もしや、貴様らヴァンパイアも私の嫁の上目遣いを見たのか? この尊い顔を見てしまったのか?」
メレディスがヴァンパイアらを睨みつければ、揃って目を泳がせた。
「オリヴァー、上目遣い禁止だ。分かったな」
「いや……そんなこと言われたって」
俺は背が低い。男性は大抵俺より十センチ以上高いのだ。顔を見て話すには上を向くしかない。自ずと上目遣いになってしまうのだ。
「それより早くこの首輪を……って、あれ? メレディス?」
いつの間にか俺は馬に乗っていた。後ろに誰かいるので振り返った。
「チェスター!?」
今度こそ時を操って何かしたようだ。しかも、俺の首には魔力封じだけでなく奴隷の首輪までついている。
「これからはボク達の奴隷として生きてもらう。良いね?」
「良いねって言われても……チェスター、殺されちゃうよ?」
「貴様ら、私の嫁に一体何をしておるのだ!」
メレディスが般若の形相で叫べば、ヴァンパイア六体が一斉に俺から離れた。
「メ、メレディス様」
「申し訳ございません……」
「私、妾に選ばれました!」
メレディスがギロッと俺を見た。すかさず首をぶんぶんと左右に振った。
「違うらしいぞ」
「そんな……あれほど気持ち良いと鳴いていたのに」
「オリヴァー、どういうことか説明してもらおうか。それに、この格好……」
怒っていたメレディスが一変、優しい眼差しへと変わった。
「最近会いに来なかったから、私を嫉妬させようと……それでこんな格好でこんなことをしたのか」
メレディスが勘違いしている。しかし、ハニートラップを仕掛けたと正直に言えば恐ろしいことになりそうだ。やめておこう。
「メレディス……会いたかった」
ギュッと抱き付けば、頭をポンポンと撫でられた。
「そうか、そうか。そんなに私に会いたかったのか」
「うん、凄く!」
会いたかったのは素直な気持ち。だって、これ以上ヴァンパイアの相手は正直キツい。刻印のおかげで最後まで犯されることはないはずだが、それでも嫌なものは嫌だ。
そして、抱きついたのは助けてくれたメレディスへのちょっとしたサービス。しかも、効果は抜群だ。
「貴様ら、人間界には二度と来るな! 今すぐ立ち去れ!」
メレディスがヴァンパイアに激怒すれば、ヴァンパイアは慌てふためいた。
「しかし、王命でして……」
「王命に逆らえばどうなるか」
「関係ない! 貴様らは私の嫁に手を出したのだ。死をもって償っても良いのだぞ? さぁ、ここで死ぬか王命に逆らって死罪になるか、どちらか選べ」
それはどちらも変わらないのでは……とは、言えなかった。
「そこまでにしてやれ、メレディス」
「「「魔王様!」」」
久々の魔王登場だ。いつの間にか後ろに立っていた。
ヴァンパイアは魔王に平伏し、魔王は俺の顔をうっとりとした目で見てきた。
「メレディスが急にいなくなったと思えば……これは良いものを見させてもらった。やはり、我のモノにならんか」
「や、メレディス」
恐怖のあまり、俺はメレディスに更にギュッと抱き付いた。
「陛下、嫁が怖がっております。そんなイヤらしい目で見るのはおやめ下さい」
「イヤらしいとはなんだ。それより汝、魔力が全く感じられんが?」
「あ、そうだった。これ外してくれない?」
そう言うと、魔王が俺の金髪の髪をかき分けた。
「痛ッ、やめてよ」
魔王がカプッと首筋を噛んだのだ。何故かみーちゃんが出てこない。
「やはり、この首飾りのせいで精霊が出て来られんらしいな」
その事実をヴァンパイアに知られていなくて良かった。魔王が噛んでもみーちゃんが出て来ないということは、ヴァンパイアに噛まれても出て来ない。つまり、血を吸われて死ぬかヴァンパイア化するか、若しくは……。考えるだけで恐ろしい。
「そういえば、どうしてメレディスは来てくれたの?」
メレディスから一旦離れると、メレディスは残念そうにしながらも嬉しそうに応えた。
「汝が呼んだのだろう? 刻印の相手に助けを求めれば、自動的に召喚されるようになっているからな。こっちの機能は大丈夫だったのだろう」
「そうなんだ」
それなら早く言って欲しかった。首輪をつけられた段階でメレディスに助けを求めていたのに。
「それよりお願い、早く外して!」
メレディスと魔王どちらでも良いからと見上げれば、二人とも固まった。
「まさかチェスター? 時を止めたの?」
チェスターを見れば、こちらに向かって手を翳していた。が、違ったようだ。魔王とメレディスが口を開いた。
「メレディス、この生き物は何だ。悪魔か?」
「何を馬鹿なことを仰いますか。悪魔は私達でしょう。オリヴァー、そんな大きな瞳をキラキラさせながら見るのは私だけにしろ。陛下まで悩殺する必要はない」
「悩殺って……してないんだけど」
「しかも、今はとても愛らしい姿をしているのだ。誰もが虜になってしまうではないか……はッ! もしや、貴様らヴァンパイアも私の嫁の上目遣いを見たのか? この尊い顔を見てしまったのか?」
メレディスがヴァンパイアらを睨みつければ、揃って目を泳がせた。
「オリヴァー、上目遣い禁止だ。分かったな」
「いや……そんなこと言われたって」
俺は背が低い。男性は大抵俺より十センチ以上高いのだ。顔を見て話すには上を向くしかない。自ずと上目遣いになってしまうのだ。
「それより早くこの首輪を……って、あれ? メレディス?」
いつの間にか俺は馬に乗っていた。後ろに誰かいるので振り返った。
「チェスター!?」
今度こそ時を操って何かしたようだ。しかも、俺の首には魔力封じだけでなく奴隷の首輪までついている。
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