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マリナ、勝利!
しおりを挟むーーーデルビア神魔国
「なに!? あのイフリートが斃されただと!」
魔王城で急遽召集された最高幹部会議で、デトロイン帝国の東に位置する地域を担当していた最高幹部であるイフリートの死亡報告がなされていた。
「あそこは、戦略的には大した要所ではないとはいえ、我らが最高幹部の一人が斃されたとあっては、このデルビア神魔国の名折れだ」
「しかし、・・・本当なのか。たかだが5人の人間に敗れたというのか。我ら幹部単体で、都市を一つ滅ぼせるだけの能力を持っているのは、ここにいる皆承知しているはず」
「イフリートも平和ぼけしていたのではないか。あいつは戦闘を愉しみすぎるきらいがあったからな」
「イフリート死亡現場で生き残った者が誰一人いなかったので、噂で聞いた話なんだろう?」
「だが、聖アリラン教皇庁から、斃した者に報奨金が支給されたのは間違いない」
「ならば、本当だろうな」
「で、その者らは一体何者なのだ」
会議の途中で、まがまがしい骸骨を形どった扉が重厚な音を立てゆっくりと開き、一人の人物が入ってきた。
カツ、カツ、カツ・・・
ハイヒールの音が甲高く部屋に響く。
最高幹部の一同は、一斉に立ち上がり、緊張しながら頭を下げる。
その者は、会議席の一番奥にゆっくりと座ると、声を出した。
「苦しゅうない。おもてを上げよ、着席を許す」
その者から滲み出る魔力は、最高幹部であっても畏敬を抱かせずにはいられない程である。
肌の色は、魔族には珍しく白い。流し目に長い睫毛、髪の色は金色でストレートロング。瞳は透き通る程の紺青。身長は165センチ程である。
胸は大きくはないが、動く度にゆっくりとゆれる。Cカップはあるだろうか。
一見すると天使に見え美しさに見とれてしまうほどである。
「エカテリーナ様、ご機嫌うるわしく」
「皆の者もな」
高位魔族達は、ゆっくりと着席すると自分らを統べる魔王に視線を向けた。
少しでも気に食わないことがあると容赦なく戦いを挑まれ、挑まれた者は蹂躙された後、惨殺されていく。
もう半年で、数人が犠牲となっている。しかも、それらは皆、最高幹部の構成員であったもの達だった。
「・・・で、面白そうな話じゃな。イフリートとは脆弱なる者ではあったが、魔神の称号を冠してはいた。それを斃すぐらいの者であるから、今回の戦を盛り上げてくれるかのう」
「は、はい。左様にございますな」
魔王エカテリーナから見れば、ここにいる最高幹部達も実力的にとるに足らない部下に過ぎない。
しかし、退屈しのぎに幹部と戯れたのはいいが、簡単にコロコロ死んでしまって内心反省していた。
「まあ、面白そうな話ではあるので少し興味が湧いてきた。どうだろう、人間に偽装して、わらわ自ら偵察に行ってみるかのう」
「・・・とるに足らない者とは思いますが、御意に」
最高幹部は、魔王の意見に反対することなど毛頭できる訳もなく頭を垂れる。
「しかし、魔王様の美しさ故に、余計な虫けら共が近づいてくるやもしれませぬ故、護衛を付けた方が宜しいかと」
「そうじゃのう、確かに虫けらが近づいてくるのはおぞましい。しかし、今回の人間の過去・現在・未来を調べることができる者も欲しいな。オロバスよ、頼めるか?」
「御意でございます。エカテリーナ様」
オロバスは、真理を探究する能力を持つ高位魔族であり、デルビア神魔国の戦略担当相である。ケンタウロスの様に半身半馬であるが、変身能力もあり人間に変装することも容易だ。
「して、その者は、今、どこにいるのじゃ?」
「デトロイン帝国の東の地域、要塞都市セレーネにおります」
「ふーん、その辺りは行ったことがないから、転移魔法が使えぬな。だれぞ、転移させられる者はおるか?」
転移魔法は、一回でも訪れた場所でないとマーキング出来ないため、要塞都市セレーネに訪れたことのないエカテリーナは自ら転移することが出来ない。
「私めが、イフリートの居城まで転移できます」
「カイムか、では頼むぞ」
「御意」
鶏の姿をした魔神カイムは、転移魔法を唱える。エカテリーナとオロバスの二人は、瞬時にその場から転移した。
「ふうっ、あの方といると、全然生きた心地がせんよ」
「まったくだのう」
「オロボス殿には気の毒だが」
最高幹部達は、いっきに緊張感が抜け、深く椅子に背もたれするのであった。
----------------------------------
要塞都市セレーネ ザイアス邸。
ザイアスは久しぶりの柔らかく大きなベッドで睡眠を味わっていた。
気持ちいい。やっぱり、自宅があるっていうのは嬉しいな。
夢見心地を漂いながら下僕(アルテイシア)を想う。いつも一緒に寝ていたし、人肌恋しくもあるな・・・
うーん、なんか柔らかいものが、頬の両側に触れる。随分ひさしぶりの感覚。
口を開け手でその物体を揉みしだきながら味あう。気持ちいい感触。
なにやら、熱い吐息を感じる。これは、アルテイシアの・・・
夢なら、遠慮なく可愛がらせてもらうぞ。
俺はひさしびりの気持ちい感覚に酔いしれながら、遠慮なく溜まっていた欲求を吐き出した。
ふー、最高!
そして、心地よい身体の疲労感に酔いしれながら、再び深い眠りについた。
「・・・・ザイアス様」
「・・・・」
「ザイアス様、起きてください。朝ですよ」
いつも起しにくる教会から派遣されてきたメイドとは違う声だな。まだ、起しにくる時間ではない気もする。
「んっ、ああ。おはよう」
「昨日は、ずいぶん激しかったですわねぇ。マリナ~、腰が動かないです。今日は、ギルド休んじゃいます」
・・・マリナ? マリナっ!?
「・・・えっ!? マ、マリナさん、どうして私の部屋に?」
なんで、マリナさんが。しかも、裸で。
「もう、昨日の夜、マリナが挨拶にお邪魔したら、急に色々な事しだすんだもん、びっくりですよ」
「部屋には鍵をかけておいたはずだった・・・」
「いやだぁ、ちょっとメイドさんにザイアス様に用事があるってお話ししたら貸してくれたのでぇ」
マリナさんは、胸をぐいぐい身体に押し付けてくる。
「責任とってくれますよねぇ、私、もうお嫁にいけなくなっちゃいました」
「えっと、その・・・状況がよく理解できてなくて」
昨日の夢は、途中から現実で色々いたしてしまったということか!?
俺ともあろうものが、不覚。
「昨日、凄かったですよ。マリナ、何回も意識が飛んじゃいました」
マリナは、ごそごそとザイアスの敏感な場所に手を触れてきた。
「でもー、ザイアス様のお好きにしていいんですよー」
「あっ、ちょっと、まって」
「お嫁さんにしてくれますよねぇ?」
「責任はとりま・・・しょう。事実は、事実ですから」
「本当ですか、マリナ嬉しい!」
「でも、責任の取り方として結婚するかどうかは、少し考えさせてもらえませんか」
「えー、でも考えてくれますよね?」
「私は、この世界の常識に欠けているところもありますし、マリナさんと私はまだお互いをよく知っている訳ではないでしょう」
マリナは、少し考えて俯いた。強引に進めて既成事実をつくったのはいいが、無理してザイアスに嫌われるのは本意ではない。
「んー、では彼女にはしてもらうってことで、手を打ちませんか?」
「・・・それは、そうですね」
ザイアスは、諦め顔になりながら頷いた。
前の世界でも、こんな強引な人いなかったなぁ。俺も女性には、まだまだということなのかな。
マリナは満面の笑みを浮かべると、シーツの中で親指を上に向けた。
ゲッチュー! 愛してますわよ、ザイアス様!
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