異世界にきた俺はガス欠(魔力切れ)ステータスだった

のだ!

文字の大きさ
15 / 29

マリナ、勝利!

しおりを挟む

ーーーデルビア神魔国

「なに!? あのイフリートが斃されただと!」

魔王城で急遽召集された最高幹部会議で、デトロイン帝国の東に位置する地域を担当していた最高幹部であるイフリートの死亡報告がなされていた。

「あそこは、戦略的には大した要所ではないとはいえ、我らが最高幹部の一人が斃されたとあっては、このデルビア神魔国の名折れだ」
「しかし、・・・本当なのか。たかだが5人の人間に敗れたというのか。我ら幹部単体で、都市を一つ滅ぼせるだけの能力を持っているのは、ここにいる皆承知しているはず」
「イフリートも平和ぼけしていたのではないか。あいつは戦闘を愉しみすぎるきらいがあったからな」
「イフリート死亡現場で生き残った者が誰一人いなかったので、噂で聞いた話なんだろう?」
「だが、聖アリラン教皇庁から、斃した者に報奨金が支給されたのは間違いない」
「ならば、本当だろうな」
「で、その者らは一体何者なのだ」

会議の途中で、まがまがしい骸骨を形どった扉が重厚な音を立てゆっくりと開き、一人の人物が入ってきた。

カツ、カツ、カツ・・・

ハイヒールの音が甲高く部屋に響く。
最高幹部の一同は、一斉に立ち上がり、緊張しながら頭を下げる。
その者は、会議席の一番奥にゆっくりと座ると、声を出した。

「苦しゅうない。おもてを上げよ、着席を許す」

その者から滲み出る魔力は、最高幹部であっても畏敬を抱かせずにはいられない程である。
肌の色は、魔族には珍しく白い。流し目に長い睫毛、髪の色は金色でストレートロング。瞳は透き通る程の紺青。身長は165センチ程である。
胸は大きくはないが、動く度にゆっくりとゆれる。Cカップはあるだろうか。
一見すると天使に見え美しさに見とれてしまうほどである。

「エカテリーナ様、ご機嫌うるわしく」
「皆の者もな」

高位魔族達は、ゆっくりと着席すると自分らを統べる魔王に視線を向けた。
少しでも気に食わないことがあると容赦なく戦いを挑まれ、挑まれた者は蹂躙された後、惨殺されていく。
もう半年で、数人が犠牲となっている。しかも、それらは皆、最高幹部の構成員であったもの達だった。

「・・・で、面白そうな話じゃな。イフリートとは脆弱なる者ではあったが、魔神の称号を冠してはいた。それを斃すぐらいの者であるから、今回の戦を盛り上げてくれるかのう」
「は、はい。左様にございますな」

魔王エカテリーナから見れば、ここにいる最高幹部達も実力的にとるに足らない部下に過ぎない。
しかし、退屈しのぎに幹部と戯れたのはいいが、簡単にコロコロ死んでしまって内心反省していた。

「まあ、面白そうな話ではあるので少し興味が湧いてきた。どうだろう、人間に偽装して、わらわ自ら偵察に行ってみるかのう」
「・・・とるに足らない者とは思いますが、御意に」

最高幹部は、魔王の意見に反対することなど毛頭できる訳もなく頭を垂れる。

「しかし、魔王様の美しさ故に、余計な虫けら共が近づいてくるやもしれませぬ故、護衛を付けた方が宜しいかと」
「そうじゃのう、確かに虫けらが近づいてくるのはおぞましい。しかし、今回の人間の過去・現在・未来を調べることができる者も欲しいな。オロバスよ、頼めるか?」
「御意でございます。エカテリーナ様」

オロバスは、真理を探究する能力を持つ高位魔族であり、デルビア神魔国の戦略担当相である。ケンタウロスの様に半身半馬であるが、変身能力もあり人間に変装することも容易だ。

「して、その者は、今、どこにいるのじゃ?」
「デトロイン帝国の東の地域、要塞都市セレーネにおります」
「ふーん、その辺りは行ったことがないから、転移魔法が使えぬな。だれぞ、転移させられる者はおるか?」

転移魔法は、一回でも訪れた場所でないとマーキング出来ないため、要塞都市セレーネに訪れたことのないエカテリーナは自ら転移することが出来ない。

「私めが、イフリートの居城まで転移できます」
「カイムか、では頼むぞ」
「御意」

鶏の姿をした魔神カイムは、転移魔法を唱える。エカテリーナとオロバスの二人は、瞬時にその場から転移した。

「ふうっ、あの方といると、全然生きた心地がせんよ」
「まったくだのう」
「オロボス殿には気の毒だが」

最高幹部達は、いっきに緊張感が抜け、深く椅子に背もたれするのであった。

----------------------------------
要塞都市セレーネ ザイアス邸。

ザイアスは久しぶりの柔らかく大きなベッドで睡眠を味わっていた。

気持ちいい。やっぱり、自宅があるっていうのは嬉しいな。

夢見心地を漂いながら下僕(アルテイシア)を想う。いつも一緒に寝ていたし、人肌恋しくもあるな・・・

うーん、なんか柔らかいものが、頬の両側に触れる。随分ひさしぶりの感覚。

口を開け手でその物体を揉みしだきながら味あう。気持ちいい感触。
なにやら、熱い吐息を感じる。これは、アルテイシアの・・・
夢なら、遠慮なく可愛がらせてもらうぞ。

俺はひさしびりの気持ちい感覚に酔いしれながら、遠慮なく溜まっていた欲求を吐き出した。

ふー、最高!

そして、心地よい身体の疲労感に酔いしれながら、再び深い眠りについた。

「・・・・ザイアス様」
「・・・・」
「ザイアス様、起きてください。朝ですよ」

いつも起しにくる教会から派遣されてきたメイドとは違う声だな。まだ、起しにくる時間ではない気もする。

「んっ、ああ。おはよう」
「昨日は、ずいぶん激しかったですわねぇ。マリナ~、腰が動かないです。今日は、ギルド休んじゃいます」

・・・マリナ? マリナっ!?

「・・・えっ!? マ、マリナさん、どうして私の部屋に?」

なんで、マリナさんが。しかも、裸で。

「もう、昨日の夜、マリナが挨拶にお邪魔したら、急に色々な事しだすんだもん、びっくりですよ」
「部屋には鍵をかけておいたはずだった・・・」
「いやだぁ、ちょっとメイドさんにザイアス様に用事があるってお話ししたら貸してくれたのでぇ」

マリナさんは、胸をぐいぐい身体に押し付けてくる。

「責任とってくれますよねぇ、私、もうお嫁にいけなくなっちゃいました」
「えっと、その・・・状況がよく理解できてなくて」

昨日の夢は、途中から現実で色々いたしてしまったということか!?
俺ともあろうものが、不覚。

「昨日、凄かったですよ。マリナ、何回も意識が飛んじゃいました」

マリナは、ごそごそとザイアスの敏感な場所に手を触れてきた。

「でもー、ザイアス様のお好きにしていいんですよー」
「あっ、ちょっと、まって」
「お嫁さんにしてくれますよねぇ?」
「責任はとりま・・・しょう。事実は、事実ですから」
「本当ですか、マリナ嬉しい!」
「でも、責任の取り方として結婚するかどうかは、少し考えさせてもらえませんか」
「えー、でも考えてくれますよね?」
「私は、この世界の常識に欠けているところもありますし、マリナさんと私はまだお互いをよく知っている訳ではないでしょう」

マリナは、少し考えて俯いた。強引に進めて既成事実をつくったのはいいが、無理してザイアスに嫌われるのは本意ではない。

「んー、では彼女にはしてもらうってことで、手を打ちませんか?」
「・・・それは、そうですね」

ザイアスは、諦め顔になりながら頷いた。

前の世界でも、こんな強引な人いなかったなぁ。俺も女性には、まだまだということなのかな。

マリナは満面の笑みを浮かべると、シーツの中で親指を上に向けた。

ゲッチュー! 愛してますわよ、ザイアス様!
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

『異世界ガチャでユニークスキル全部乗せ!? ポンコツ神と俺の無自覚最強スローライフ』

チャチャ
ファンタジー
> 仕事帰りにファンタジー小説を買った帰り道、不運にも事故死した38歳の男。 気がつくと、目の前には“ポンコツ”と噂される神様がいた——。 「君、うっかり死んじゃったから、異世界に転生させてあげるよ♪」 「スキル? ステータス? もちろんガチャで決めるから!」 最初はブチギレ寸前だったが、引いたスキルはなんと全部ユニーク! 本人は気づいていないが、【超幸運】の持ち主だった! 「冒険? 魔王? いや、俺は村でのんびり暮らしたいんだけど……」 そんな願いとは裏腹に、次々とトラブルに巻き込まれ、無自覚に“最強伝説”を打ち立てていく! 神様のミスで始まった異世界生活。目指すはスローライフ、されど周囲は大騒ぎ! ◆ガチャ転生×最強×スローライフ! 無自覚チートな元おっさんが、今日も異世界でのんびり無双中!

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

処理中です...