20 / 55
13-3
しおりを挟む
「どうされましたか、騒がしい。豊穣を願う春の大祭に問題を起こすなとあれほど口酸っぱく申したでしょう」
二人の中に割って入ると、ヴァレーゼ令嬢は慌ててドレスの裾を持って貴族の挨拶を交わす。ひとつひとつの所作が美しい。王妃教育を受けていただけあって優美で無駄がない。
「アレーナ……ヴァシリッサ、お姉さま?」
対してアニスはミハイルと腕を組んだまま怪訝そうにこちらを見るだけだった。
無礼にも挨拶を交わせないのなら話す気もないので、アニスを無視しながらヴァレーゼ嬢に対して手を胸に当てて爵位を継ぐものとしての挨拶を交わす。
「はじめまして、メルティー・ヴァレーゼ嬢。アレーナ領領主、ヴァシリッサ・アレーナと申します。私の夫がなにやら粗相をしでかした様子でございましたがどうされたのかお聞きしてもよろしいでしょうか」
「告げ口をするような形になり少々説明も憚られるのですが、ご無礼をお許しください。ミハイル様が、妻がいる身でありながら妻ではない女を隣に侍らせているのでどういう神経をなさっているのかと質問していたところです」
じろりとアニスを睨むと、アニスは畏縮したように肩を震わせミハイルの腕をぎゅっと掴む。ミハイルは困った様子で肩を落とし、振り払うか迷ったように私に助けを求める。
アニスは性懲りもなく口を開く。
「お姉さま、メルティー様ったら酷いんです!友人と久しぶりに再開して喜んでいたところに難癖をつけて引き剥がそうとするんです。お姉さまからもなんとかいってやってください」
まるで自分の味方をすることが確定した口調で言葉を並べるアニス。挨拶も交わせない貴族などこの場で相手にしてしまえばアレーナの名を落とす行為だ。相手にする気もないので、視線に入れないでいると我慢できなかったのか「お姉さま!」と癇癪を起こした子供のような声をあげる。
「うちの夫が令嬢を不快にさせてしまい大変申し訳ございませんでした。メルティ―嬢と言えば王国の若い淑女の頂点にふさわしく、礼儀作法を重んじる御方。そんな御方に無礼な振舞いを幾度も行っており、妻として、1人の領主として夫を教育できなかったことが恥ずかしいばかりです」
本人がメルティーに謝る気持ちがあったとしても、その本人を不愉快にさせた以上貴族として1人の人間として謝るべきだ。さらに、王国では妻の教育は家門の長であるの責任とされている。歴史の古い家門でもあるヴァレーゼ家は王室専属のマナー講師に任命されるほど、礼儀とマナーの資本となるべき存在。マナーなどには厳しい家柄だというのに、恥ずかしい。
「伯爵の責任ではございません。こちらこそ記念すべき日にいらぬトラブルを起こしてしまったことが恥ずかしい。……ミハイル様、あなたの迂闊な行為が周りを傷つけることがどうしてお分かりにならないのですか?」
メルティーはミハイルに問う。メルティーは謝罪を要求するどころか二度と顔を見せないことを願ったのに、その謝罪という自己満足の為に場を乱したミハイルにため息混じりに睨む。
ミハイルは口を閉じたり、開いたりして口を最終的に閉じた。悪いことはだんまりとしてしまうのは彼の悪い癖だ。
「仮にあなたが謝る意志があったのなら、そこの無礼者に諭さなければいけません。それすらせず、その身に触れることを許すなど謝罪以前の問題です。その女性への甘さが事件を引き起こしたことが何故わからないのですか!」
陥れられた側なのに、それを指摘せずに心からの諫言にミハイルもどう答えればいいのかと視線を泳がせる。
「ミハイル、謝るべき人間を不愉快にさせればそれは謝罪ではなくただの迷惑な行為に他なりません。今日のところは一足先に屋敷へと帰っていただけますか?」
なるべく舐められないように、領主然とするように眉間の力を引き締めて命令を下すと、ミハイルはアニスの腕をほどき、承諾の一礼を見せる。
「俺の行いのせいでこんな騒ぎを起こしてしまい申し訳ございませんでした」
「貴方にはこの場で騒ぎを起こした責任として1年の自宅謹慎を言い渡します。今日の己の非礼を考え、深く反省してください」
会場がざわりとする。あの王妃から愛された第三王子ミハイルが格下の貴族に命令されて文句を言わずに従っているのだ。全盛期の彼であれば考えられなかった行為に、私を侮っていた貴族ですら恐ろしい物を見る視線を寄こす。
ミハイルが会場を去り、私はメルティーに頭を下げた。
「ミハイルの不手際、そして教育不足とメルティー様への非礼……重ねてお詫び申し上げます。ただ、ミハイルはメルティー様へ行った非道と非礼の数々に関して謝罪したいという意志があったことだけはわかってあげていただけたら幸いです。優柔不断で周りが見えないところはありますが、根は悪くないんです」
ミハイルの性格は育った環境が悪かったからと言えるだろう。自分の行いに対して反省する姿や仕事に打ち込む姿を見て来た。ただ物事を鵜呑みにしてしまう性分もあるからか、一度信じてしまうと物事の是非を問う前に自分の敵対する意見を頭ごなしに否定するが、理解すればそれは悪いことだったのだと反省する意志があるのなら彼の王子という権力を恐れきちんと教育を行えなかった人たちにも責任がないわけではない。
だからといって、メルティーに対してしたことは消えないけど。
「伯爵、お顔をお上げください。我々女性の希望の星とされる御方がこんなつまらないことで頭を下げないでくださいませ。私はミハイル様の行いは非難されるべきことですが、それは彼個人の問題で、伯爵の責任はこれほどもございません」
メルティーの心優しい言葉にほっと胸を撫でおろす。仲直りの印に今度アレーナ領で始める観光事業のひとつ、温泉施設の優先優待券を渡すとメルティー様の表情が綻ぶ。
機嫌取りというわけではないけど、謝罪の意味も込めてこれくらいはさせて欲しい。
「温泉とは、どのような施設なのですか?」
「源泉のお風呂を味わえる宿泊、娯楽施設です。温泉は源泉によって効果が違い、うちの源泉はリウマチや打ち身などの怪我や、美肌効果のお湯などさまざまあります。うちの薬師厳選の薬草湯の用意やエステ、オイルマッサージもあるので、身体の老廃物排出だけではなく、リラックス効果も見込めます。よろしければご家族の皆さまとお越しください」
ヴァレーゼ家は王族派閥で財政管理も担当している。懇意にすれば敵対貴族の弱みを握りやすくなったり、いざという時に融資をしてくれやすくなったり色々とメリットも大きい。
メルティーもそれがわかっているようだからか、にこりと笑みを返す。
「素晴らしい施設なのですね。わかりました「家族と」一緒に必ず利用させていただきますね」
返事も良いものだったので、ガッツポーズを心の中しつつ、会場を後にしようとする。
「お姉さま!何故私を無視するんですの!?」
むきぃ、という鳴き声と共にしかめっ面を浮かべるアニス。まだそこにいたのかと心の中で吐き捨てつつ、口で言わないとわからないようなので言葉にすることにした。元ビーンルサノ家といっても、好き勝手に言いふらされるのも面倒だから。
「私は仮にも公女の1人で今は伯爵の地位を国王陛下から賜っています。なのに、あなたは目上の人間からの挨拶を待たず、己の話ばかりするのですから、そんな無礼者に割く時間などありません」
「お姉さまは宰相の養女といえどビーンルサノ家の血を引いているではございませんか!」
「あら、この黒髪を見る度に不義の子だと罵ったではありませんか。こういう時だけ都合のいいように「お姉さま」と慕うような呼び方はやめてくださいな。それに、私に話かけるより、まずはメルティー様への謝罪が先ではありませんか?」
彼女がメルティーに対して罪をでっちあげて大勢の前で恥を欠かせた。公の場での判断はアニスたちが有罪となった。なら一言でも謝罪はあるべきなのに、彼女は反省の色を見せず、こうして無礼ばかりを重ねている。こんな子が血のつながった妹だと思うと恥ずかしくなる。
「それは、ヴァレーゼ侯爵令嬢が本当に私を虐めたのですわ!ミハイル様も庇ってくださいましたし、他の証言がありました」
「しかし結果的には証言は証拠になりえなかったし、有罪となってミハイルは王位継承権のはく奪。あなたはしばらくの自宅謹慎を命じられたではありませんか」
アニスは正当化しようとするが、関係ない。発端はアニスでも事態を大きくしたのはミハイルであり、ミハイル主導なので罪はミハイルの方が重くなる。そこは賢いと言えるのだろうか、謹慎期間を終えたアニスはこうしてパーティーに参加できるというわけだが、一番の被害を被ったメルティーは納得がいっていない様子。これ以上会話をしても無駄だと私は彼女に背を向ける。
「納得が出来なければそれでいいわ。話を戻すけれど、礼儀がなっていないあなたに挨拶も無駄話をもする必要性は感じられないので、これからも話すことはなにもないわ。令嬢、私はこれにて失礼します」
わたしはメルティーに別れの挨拶を口にして夫たちの元へと戻った。
二人の中に割って入ると、ヴァレーゼ令嬢は慌ててドレスの裾を持って貴族の挨拶を交わす。ひとつひとつの所作が美しい。王妃教育を受けていただけあって優美で無駄がない。
「アレーナ……ヴァシリッサ、お姉さま?」
対してアニスはミハイルと腕を組んだまま怪訝そうにこちらを見るだけだった。
無礼にも挨拶を交わせないのなら話す気もないので、アニスを無視しながらヴァレーゼ嬢に対して手を胸に当てて爵位を継ぐものとしての挨拶を交わす。
「はじめまして、メルティー・ヴァレーゼ嬢。アレーナ領領主、ヴァシリッサ・アレーナと申します。私の夫がなにやら粗相をしでかした様子でございましたがどうされたのかお聞きしてもよろしいでしょうか」
「告げ口をするような形になり少々説明も憚られるのですが、ご無礼をお許しください。ミハイル様が、妻がいる身でありながら妻ではない女を隣に侍らせているのでどういう神経をなさっているのかと質問していたところです」
じろりとアニスを睨むと、アニスは畏縮したように肩を震わせミハイルの腕をぎゅっと掴む。ミハイルは困った様子で肩を落とし、振り払うか迷ったように私に助けを求める。
アニスは性懲りもなく口を開く。
「お姉さま、メルティー様ったら酷いんです!友人と久しぶりに再開して喜んでいたところに難癖をつけて引き剥がそうとするんです。お姉さまからもなんとかいってやってください」
まるで自分の味方をすることが確定した口調で言葉を並べるアニス。挨拶も交わせない貴族などこの場で相手にしてしまえばアレーナの名を落とす行為だ。相手にする気もないので、視線に入れないでいると我慢できなかったのか「お姉さま!」と癇癪を起こした子供のような声をあげる。
「うちの夫が令嬢を不快にさせてしまい大変申し訳ございませんでした。メルティ―嬢と言えば王国の若い淑女の頂点にふさわしく、礼儀作法を重んじる御方。そんな御方に無礼な振舞いを幾度も行っており、妻として、1人の領主として夫を教育できなかったことが恥ずかしいばかりです」
本人がメルティーに謝る気持ちがあったとしても、その本人を不愉快にさせた以上貴族として1人の人間として謝るべきだ。さらに、王国では妻の教育は家門の長であるの責任とされている。歴史の古い家門でもあるヴァレーゼ家は王室専属のマナー講師に任命されるほど、礼儀とマナーの資本となるべき存在。マナーなどには厳しい家柄だというのに、恥ずかしい。
「伯爵の責任ではございません。こちらこそ記念すべき日にいらぬトラブルを起こしてしまったことが恥ずかしい。……ミハイル様、あなたの迂闊な行為が周りを傷つけることがどうしてお分かりにならないのですか?」
メルティーはミハイルに問う。メルティーは謝罪を要求するどころか二度と顔を見せないことを願ったのに、その謝罪という自己満足の為に場を乱したミハイルにため息混じりに睨む。
ミハイルは口を閉じたり、開いたりして口を最終的に閉じた。悪いことはだんまりとしてしまうのは彼の悪い癖だ。
「仮にあなたが謝る意志があったのなら、そこの無礼者に諭さなければいけません。それすらせず、その身に触れることを許すなど謝罪以前の問題です。その女性への甘さが事件を引き起こしたことが何故わからないのですか!」
陥れられた側なのに、それを指摘せずに心からの諫言にミハイルもどう答えればいいのかと視線を泳がせる。
「ミハイル、謝るべき人間を不愉快にさせればそれは謝罪ではなくただの迷惑な行為に他なりません。今日のところは一足先に屋敷へと帰っていただけますか?」
なるべく舐められないように、領主然とするように眉間の力を引き締めて命令を下すと、ミハイルはアニスの腕をほどき、承諾の一礼を見せる。
「俺の行いのせいでこんな騒ぎを起こしてしまい申し訳ございませんでした」
「貴方にはこの場で騒ぎを起こした責任として1年の自宅謹慎を言い渡します。今日の己の非礼を考え、深く反省してください」
会場がざわりとする。あの王妃から愛された第三王子ミハイルが格下の貴族に命令されて文句を言わずに従っているのだ。全盛期の彼であれば考えられなかった行為に、私を侮っていた貴族ですら恐ろしい物を見る視線を寄こす。
ミハイルが会場を去り、私はメルティーに頭を下げた。
「ミハイルの不手際、そして教育不足とメルティー様への非礼……重ねてお詫び申し上げます。ただ、ミハイルはメルティー様へ行った非道と非礼の数々に関して謝罪したいという意志があったことだけはわかってあげていただけたら幸いです。優柔不断で周りが見えないところはありますが、根は悪くないんです」
ミハイルの性格は育った環境が悪かったからと言えるだろう。自分の行いに対して反省する姿や仕事に打ち込む姿を見て来た。ただ物事を鵜呑みにしてしまう性分もあるからか、一度信じてしまうと物事の是非を問う前に自分の敵対する意見を頭ごなしに否定するが、理解すればそれは悪いことだったのだと反省する意志があるのなら彼の王子という権力を恐れきちんと教育を行えなかった人たちにも責任がないわけではない。
だからといって、メルティーに対してしたことは消えないけど。
「伯爵、お顔をお上げください。我々女性の希望の星とされる御方がこんなつまらないことで頭を下げないでくださいませ。私はミハイル様の行いは非難されるべきことですが、それは彼個人の問題で、伯爵の責任はこれほどもございません」
メルティーの心優しい言葉にほっと胸を撫でおろす。仲直りの印に今度アレーナ領で始める観光事業のひとつ、温泉施設の優先優待券を渡すとメルティー様の表情が綻ぶ。
機嫌取りというわけではないけど、謝罪の意味も込めてこれくらいはさせて欲しい。
「温泉とは、どのような施設なのですか?」
「源泉のお風呂を味わえる宿泊、娯楽施設です。温泉は源泉によって効果が違い、うちの源泉はリウマチや打ち身などの怪我や、美肌効果のお湯などさまざまあります。うちの薬師厳選の薬草湯の用意やエステ、オイルマッサージもあるので、身体の老廃物排出だけではなく、リラックス効果も見込めます。よろしければご家族の皆さまとお越しください」
ヴァレーゼ家は王族派閥で財政管理も担当している。懇意にすれば敵対貴族の弱みを握りやすくなったり、いざという時に融資をしてくれやすくなったり色々とメリットも大きい。
メルティーもそれがわかっているようだからか、にこりと笑みを返す。
「素晴らしい施設なのですね。わかりました「家族と」一緒に必ず利用させていただきますね」
返事も良いものだったので、ガッツポーズを心の中しつつ、会場を後にしようとする。
「お姉さま!何故私を無視するんですの!?」
むきぃ、という鳴き声と共にしかめっ面を浮かべるアニス。まだそこにいたのかと心の中で吐き捨てつつ、口で言わないとわからないようなので言葉にすることにした。元ビーンルサノ家といっても、好き勝手に言いふらされるのも面倒だから。
「私は仮にも公女の1人で今は伯爵の地位を国王陛下から賜っています。なのに、あなたは目上の人間からの挨拶を待たず、己の話ばかりするのですから、そんな無礼者に割く時間などありません」
「お姉さまは宰相の養女といえどビーンルサノ家の血を引いているではございませんか!」
「あら、この黒髪を見る度に不義の子だと罵ったではありませんか。こういう時だけ都合のいいように「お姉さま」と慕うような呼び方はやめてくださいな。それに、私に話かけるより、まずはメルティー様への謝罪が先ではありませんか?」
彼女がメルティーに対して罪をでっちあげて大勢の前で恥を欠かせた。公の場での判断はアニスたちが有罪となった。なら一言でも謝罪はあるべきなのに、彼女は反省の色を見せず、こうして無礼ばかりを重ねている。こんな子が血のつながった妹だと思うと恥ずかしくなる。
「それは、ヴァレーゼ侯爵令嬢が本当に私を虐めたのですわ!ミハイル様も庇ってくださいましたし、他の証言がありました」
「しかし結果的には証言は証拠になりえなかったし、有罪となってミハイルは王位継承権のはく奪。あなたはしばらくの自宅謹慎を命じられたではありませんか」
アニスは正当化しようとするが、関係ない。発端はアニスでも事態を大きくしたのはミハイルであり、ミハイル主導なので罪はミハイルの方が重くなる。そこは賢いと言えるのだろうか、謹慎期間を終えたアニスはこうしてパーティーに参加できるというわけだが、一番の被害を被ったメルティーは納得がいっていない様子。これ以上会話をしても無駄だと私は彼女に背を向ける。
「納得が出来なければそれでいいわ。話を戻すけれど、礼儀がなっていないあなたに挨拶も無駄話をもする必要性は感じられないので、これからも話すことはなにもないわ。令嬢、私はこれにて失礼します」
わたしはメルティーに別れの挨拶を口にして夫たちの元へと戻った。
333
あなたにおすすめの小説
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
初恋の人と再会したら、妹の取り巻きになっていました
山科ひさき
恋愛
物心ついた頃から美しい双子の妹の陰に隠れ、実の両親にすら愛されることのなかったエミリー。彼女は妹のみの誕生日会を開いている最中の家から抜け出し、その先で出会った少年に恋をする。
だが再会した彼は美しい妹の言葉を信じ、エミリーを「妹を執拗にいじめる最低な姉」だと思い込んでいた。
なろうにも投稿しています。
最愛の番に殺された獣王妃
望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。
彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。
手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。
聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。
哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて――
突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……?
「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」
謎の人物の言葉に、私が選択したのは――
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
妹に傷物と言いふらされ、父に勘当された伯爵令嬢は男子寮の寮母となる~そしたら上位貴族のイケメンに囲まれた!?~
サイコちゃん
恋愛
伯爵令嬢ヴィオレットは魔女の剣によって下腹部に傷を受けた。すると妹ルージュが“姉は子供を産めない体になった”と嘘を言いふらす。その所為でヴィオレットは婚約者から婚約破棄され、父からは娼館行きを言い渡される。あまりの仕打ちに父と妹の秘密を暴露すると、彼女は勘当されてしまう。そしてヴィオレットは母から託された古い屋敷へ行くのだが、そこで出会った美貌の双子からここを男子寮とするように頼まれる。寮母となったヴィオレットが上位貴族の令息達と暮らしていると、ルージュが現れてこう言った。「私のために家柄の良い美青年を集めて下さいましたのね、お姉様?」しかし令息達が性悪妹を歓迎するはずがなかった――
【完結】転生したので悪役令嬢かと思ったらヒロインの妹でした
果実果音
恋愛
まあ、ラノベとかでよくある話、転生ですね。
そういう類のものは結構読んでたから嬉しいなーと思ったけど、
あれあれ??私ってもしかしても物語にあまり関係の無いというか、全くないモブでは??だって、一度もこんな子出てこなかったもの。
じゃあ、気楽にいきますか。
*『小説家になろう』様でも公開を始めましたが、修正してから公開しているため、こちらよりも遅いです。また、こちらでも、『小説家になろう』様の方で完結しましたら修正していこうと考えています。
恋心を封印したら、なぜか幼馴染みがヤンデレになりました?
夕立悠理
恋愛
ずっと、幼馴染みのマカリのことが好きだったヴィオラ。
けれど、マカリはちっとも振り向いてくれない。
このまま勝手に好きで居続けるのも迷惑だろうと、ヴィオラは育った町をでる。
なんとか、王都での仕事も見つけ、新しい生活は順風満帆──かと思いきや。
なんと、王都だけは死んでもいかないといっていたマカリが、ヴィオラを追ってきて……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる