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82話(終話)大賢者である私の見果てぬ夢
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あれから300年。
世は平和だねぇ。
私にはロゼシアスタであり、ミリーシアタだった過去が有る。
今は3回目の人生をこれから謳歌しようというところ。
現在の私はとある国の侯爵家の次女で名をシャーリニステと言う。
家族からはシャーリと呼ばれている。
私の姉の名はシェールミンテ。
過保護なくらいに私に優しくしてくれるとても綺麗な姉だ。
「お姉様、きれいな音だったね」
「ええ、とても心が洗われたわ」
心が洗われたといった姉の表情はどこか苦笑気味だった。
私は姉と新聖女様の就任の証である『聖音の儀』(第60話参照)に観光客として参加していた。
ということで此処はサンムーン聖王国。
「ワシは3代に渡り聖音を聞いたが今回の聖音が一番良かった! 心に染みたワイ」
私達の隣で涙を流して喜ぶお爺さんがいて正直ドン引きだ。
今は平和の時代。
貴族の娘だから将来あまり自由はないかもだけど、そうなったら出奔すればいいしー。
私にはそれだけの力が有るからねー。
オトプレちゃんと、オトハナちゃん(写本)には眠ってもらっている。
私はまだ5歳だから。
無双するには早い年齢だよね。
今回私の魔力ストックはたっぷり300年分(MAX)ある。
3才で覚醒した時にストックが50年分だった事を考えると、貴族の食事はそれだけ贅沢だって事だね。
前世ではいろいろあった。
サファたんが一緒に付いて来たり、フェルたんが魔法剣士、リッキーが剣聖としてパーティーに加わったり。
楽しい人生だったと思う。
私を巡る男どもの戦いの行方はヒミツね。
しかしまあ、300年後にこんな儀式になってるとは。
サファたん、あんたスゲーよ。
まぁそれはクーンにも言えることだけど。
国家レベルの規模で後世に伝えるとは流石に思わなかったさ。
私達は新聖女誕生を見届けた後、アラバスタル王国のウノユに向かった。
ちょうどお祭りだというからね。
あまり気が進まなかったんだけど、歴史研究家でもある父がどうしても来たがった。
父の研究テーマが聖紋の大聖女だったからだ。
祭りといったら、とんでもない事になってたね。
穴があったら入りたい、マジで。
『大聖女祭』と呼ばれるその祭りは、路上演劇ぽい感じで進行する。
題材はズバリ、かつての私の大活躍についてだ。
劇は『ほっかむり』を被った少女が簀巻きにされて町に運ばれてくる所から始まる。
ほっかむりは色も模様も見事に再現されていた。
簀巻きにされた少女は、たまたま居合わせた女聖騎士(役の少女)に助けられ簀巻きを解かれる。
その時、都市にモンスターの群れ(に扮した男達)が襲って来た。
女聖騎士を始め、都市の戦士(役の男)達が必死に戦うも陥落の危機に陥ってしまう。
その時、ほっかむりを被った少女に羽が生える!(背中に羽飾りを装着)
ほっかむりの少女は大聖女だったのだ。
大聖女は突如取りだした剣を女聖騎士に渡し、勇者に任命。
その後、釣り上げ装置をつかって大聖女は宙に舞い上がり、右手を前に突き出す。
すると 鏡を持った黒子がいっぱい登場し鏡の反射を利用してモンスターの群れに反射光をあて出す。
光の当たったモンスターは倒れていく。
最後にハリボテで作った魔神が登場。
勇者にも羽が生え、勇者と大聖女でハリボテ魔神を盛大に倒す。
勇者のひとふりで倒れたハリボテ魔神は火をつけられ燃える。
そこで劇は終わる。
私はその劇を見た時とっても恥ずかしくなった。
顔が真っ赤になっていたと思う。
かなり脚色された劇だったけど一つ見事に再現されている部分があった。
そう戦いの始まり、途中、最後に至るまでほっかむりを被っていたのだ。
<ぐふ! 精神ダメージ多大なり!>
何でも、ほっかむりはアラバスタル王国聖女のシンボルになってるそうで、正式な場では大聖女ミリーシアタに習い、聖女はホッカムリを鼻にかけて被るのだそうだ。
それをこの後の夕食にて自慢げに父から聞かされた時、飲んでいたジュースを思い切り吹いた。
私は姉に劇の感想を述べた。
「変な劇だったねー」
「概ね正しいんじゃないかしら」
おや?どういう事だろう。
姉は父から歴史の話でも聞いてるのかな?
ま、いいけど。
なお劇は期間中毎日公演される。
聖女役と勇者役は毎年事前にオーディションが行われ、選ばれることは大変名誉なことらしい。
翌日私達は劇以外の観光をした。
ウノユの防壁は流石に再建されていたが、私の作った回復陣と強化陣は跡地が残るのみとなっていた。
代わりなのか、恐らく再現したつもりだろうけど変な模様が石畳に掘ってもあった。
そしてウノユの広場には 羽をはやした大聖女像が設置されていた。
軍勢に号令を出すかの如く、右手を突き出しているポーズなのだけど、やはりホッカムリを被っている。
<ぐう、歴史的な恥になってる>
ふう、旅の恥はかき捨てというから、ウノユの事はきれいさっぱり忘れてしまおう。
私の心の平静の為に。
恥と言えば、もう一つあったなー。
父が今、聖紋の聖女研究で頭を悩ましている事の一つがミリー(私)に与えられた称号だった。
前世の私が大聖女と宣言された後日、論功行賞の発表があり、私は何故かアラバスタル王国軍『陸軍提督』に任じられたのだった。
陸軍提督という謎の役職に就いたのは後にも先にも例がなく、大聖女ミリーシアタのみだと言う。
<まぁ、私とオトプレちゃんと将軍さんしか事情知らないからなぁ>
私は姉と手をつないで歩きながら、早く帰りたいなぁなどと思っていた。
私にはイケメンハーレム召喚魔法と豊胸魔法の作成という前世でも果たせなかった壮大な夢がある。
こんな所で観光してる場合では無いのだ。
===============
私の名はシェールミンテ。
現在は8歳。
皆からはシェールと呼ばれてる。
私には秘密がある。
私は転生者という事。
しかも今生で3回目の人生だったりする。
私には可愛い、本当に可愛い妹がいる。
妹の名はシャーリニステ。
現在5歳。
妹のシャーリは実に可愛い。
そして妹の秘密も知っている。
妹も転生者だ。
私の知る範囲では2回の転生をしている。
彼女の過去の名前はロゼシアスタでありミリーシアタ。
何故判ったか?
そんな事は簡単な事。
それは彼女と私の魂の結びつきが私に教えたから。
私の名はシェールミンテ、その前はリリエナスタ、更にその前は宮野彩芽という名だった。
ロゼからはアヤメと言われていたっけ。
こちらの世界との結びつきができてしまったから、私はこちらの世界に転生したんだと思う。
リリーの時は覚醒したのが遅く、魔王討伐旅の途中だった。
ミリーがアヤメの事をとても大切にしていたのが判って、とても嬉しかった。
過去2回も勇者になってしまったから、今回は平和に生きたいと思う。
妹と一緒にね、うふふ。
シャーリと私はこんなにも結びついている。
だから、今生こそ結ばれてもいいじゃないかな、って思っている。
可愛いシャーリ、可愛がって可愛がって可愛がるわ。
絶対手放さないからね。
シャーリとお姉ちゃんはずーと一緒だよ。
いつまでもね。
完
世は平和だねぇ。
私にはロゼシアスタであり、ミリーシアタだった過去が有る。
今は3回目の人生をこれから謳歌しようというところ。
現在の私はとある国の侯爵家の次女で名をシャーリニステと言う。
家族からはシャーリと呼ばれている。
私の姉の名はシェールミンテ。
過保護なくらいに私に優しくしてくれるとても綺麗な姉だ。
「お姉様、きれいな音だったね」
「ええ、とても心が洗われたわ」
心が洗われたといった姉の表情はどこか苦笑気味だった。
私は姉と新聖女様の就任の証である『聖音の儀』(第60話参照)に観光客として参加していた。
ということで此処はサンムーン聖王国。
「ワシは3代に渡り聖音を聞いたが今回の聖音が一番良かった! 心に染みたワイ」
私達の隣で涙を流して喜ぶお爺さんがいて正直ドン引きだ。
今は平和の時代。
貴族の娘だから将来あまり自由はないかもだけど、そうなったら出奔すればいいしー。
私にはそれだけの力が有るからねー。
オトプレちゃんと、オトハナちゃん(写本)には眠ってもらっている。
私はまだ5歳だから。
無双するには早い年齢だよね。
今回私の魔力ストックはたっぷり300年分(MAX)ある。
3才で覚醒した時にストックが50年分だった事を考えると、貴族の食事はそれだけ贅沢だって事だね。
前世ではいろいろあった。
サファたんが一緒に付いて来たり、フェルたんが魔法剣士、リッキーが剣聖としてパーティーに加わったり。
楽しい人生だったと思う。
私を巡る男どもの戦いの行方はヒミツね。
しかしまあ、300年後にこんな儀式になってるとは。
サファたん、あんたスゲーよ。
まぁそれはクーンにも言えることだけど。
国家レベルの規模で後世に伝えるとは流石に思わなかったさ。
私達は新聖女誕生を見届けた後、アラバスタル王国のウノユに向かった。
ちょうどお祭りだというからね。
あまり気が進まなかったんだけど、歴史研究家でもある父がどうしても来たがった。
父の研究テーマが聖紋の大聖女だったからだ。
祭りといったら、とんでもない事になってたね。
穴があったら入りたい、マジで。
『大聖女祭』と呼ばれるその祭りは、路上演劇ぽい感じで進行する。
題材はズバリ、かつての私の大活躍についてだ。
劇は『ほっかむり』を被った少女が簀巻きにされて町に運ばれてくる所から始まる。
ほっかむりは色も模様も見事に再現されていた。
簀巻きにされた少女は、たまたま居合わせた女聖騎士(役の少女)に助けられ簀巻きを解かれる。
その時、都市にモンスターの群れ(に扮した男達)が襲って来た。
女聖騎士を始め、都市の戦士(役の男)達が必死に戦うも陥落の危機に陥ってしまう。
その時、ほっかむりを被った少女に羽が生える!(背中に羽飾りを装着)
ほっかむりの少女は大聖女だったのだ。
大聖女は突如取りだした剣を女聖騎士に渡し、勇者に任命。
その後、釣り上げ装置をつかって大聖女は宙に舞い上がり、右手を前に突き出す。
すると 鏡を持った黒子がいっぱい登場し鏡の反射を利用してモンスターの群れに反射光をあて出す。
光の当たったモンスターは倒れていく。
最後にハリボテで作った魔神が登場。
勇者にも羽が生え、勇者と大聖女でハリボテ魔神を盛大に倒す。
勇者のひとふりで倒れたハリボテ魔神は火をつけられ燃える。
そこで劇は終わる。
私はその劇を見た時とっても恥ずかしくなった。
顔が真っ赤になっていたと思う。
かなり脚色された劇だったけど一つ見事に再現されている部分があった。
そう戦いの始まり、途中、最後に至るまでほっかむりを被っていたのだ。
<ぐふ! 精神ダメージ多大なり!>
何でも、ほっかむりはアラバスタル王国聖女のシンボルになってるそうで、正式な場では大聖女ミリーシアタに習い、聖女はホッカムリを鼻にかけて被るのだそうだ。
それをこの後の夕食にて自慢げに父から聞かされた時、飲んでいたジュースを思い切り吹いた。
私は姉に劇の感想を述べた。
「変な劇だったねー」
「概ね正しいんじゃないかしら」
おや?どういう事だろう。
姉は父から歴史の話でも聞いてるのかな?
ま、いいけど。
なお劇は期間中毎日公演される。
聖女役と勇者役は毎年事前にオーディションが行われ、選ばれることは大変名誉なことらしい。
翌日私達は劇以外の観光をした。
ウノユの防壁は流石に再建されていたが、私の作った回復陣と強化陣は跡地が残るのみとなっていた。
代わりなのか、恐らく再現したつもりだろうけど変な模様が石畳に掘ってもあった。
そしてウノユの広場には 羽をはやした大聖女像が設置されていた。
軍勢に号令を出すかの如く、右手を突き出しているポーズなのだけど、やはりホッカムリを被っている。
<ぐう、歴史的な恥になってる>
ふう、旅の恥はかき捨てというから、ウノユの事はきれいさっぱり忘れてしまおう。
私の心の平静の為に。
恥と言えば、もう一つあったなー。
父が今、聖紋の聖女研究で頭を悩ましている事の一つがミリー(私)に与えられた称号だった。
前世の私が大聖女と宣言された後日、論功行賞の発表があり、私は何故かアラバスタル王国軍『陸軍提督』に任じられたのだった。
陸軍提督という謎の役職に就いたのは後にも先にも例がなく、大聖女ミリーシアタのみだと言う。
<まぁ、私とオトプレちゃんと将軍さんしか事情知らないからなぁ>
私は姉と手をつないで歩きながら、早く帰りたいなぁなどと思っていた。
私にはイケメンハーレム召喚魔法と豊胸魔法の作成という前世でも果たせなかった壮大な夢がある。
こんな所で観光してる場合では無いのだ。
===============
私の名はシェールミンテ。
現在は8歳。
皆からはシェールと呼ばれてる。
私には秘密がある。
私は転生者という事。
しかも今生で3回目の人生だったりする。
私には可愛い、本当に可愛い妹がいる。
妹の名はシャーリニステ。
現在5歳。
妹のシャーリは実に可愛い。
そして妹の秘密も知っている。
妹も転生者だ。
私の知る範囲では2回の転生をしている。
彼女の過去の名前はロゼシアスタでありミリーシアタ。
何故判ったか?
そんな事は簡単な事。
それは彼女と私の魂の結びつきが私に教えたから。
私の名はシェールミンテ、その前はリリエナスタ、更にその前は宮野彩芽という名だった。
ロゼからはアヤメと言われていたっけ。
こちらの世界との結びつきができてしまったから、私はこちらの世界に転生したんだと思う。
リリーの時は覚醒したのが遅く、魔王討伐旅の途中だった。
ミリーがアヤメの事をとても大切にしていたのが判って、とても嬉しかった。
過去2回も勇者になってしまったから、今回は平和に生きたいと思う。
妹と一緒にね、うふふ。
シャーリと私はこんなにも結びついている。
だから、今生こそ結ばれてもいいじゃないかな、って思っている。
可愛いシャーリ、可愛がって可愛がって可愛がるわ。
絶対手放さないからね。
シャーリとお姉ちゃんはずーと一緒だよ。
いつまでもね。
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