ゲームで第二の人生を!~最強?チート?ユニークスキル無双で【最強の相棒】と一緒にのんびりまったりハチャメチャライフ!?~

俊郎

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123 危機と出発

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 集合場所で待っていると、モグラがやってきた。
 まだ約束の時間の二十分前だ。
 軽いように見えてそういうところはしっかりしてる。

「おはー」
「おはようございます」
「おはよー!」
「おはです」

 今日のモグラはいつもよりもがっちりとした装備を着こんでいて、相変わらずサングラスを装備している。
 これがモグラの本気装備のようだ。
 武器は二本の剣。二刀流ってかっこいいよね。
 憧れるけど盾を手放すのも怖い。

「お、ナガマサさん、装備がいい感じだね。これで絡まれることもないかな?」
「だといいんですけどね」

 モグラが俺の装備に気付いて褒めてくれた。
 昨日ミルキーを怒らせた奴の言い分が、俺が弱そうだったから心配して、だったからな。
 ミルキーに迷惑がかかると良くないし、まともに見えてると嬉しい。

 集合時間の10時になって、更に30分程過ぎた。
 集合場所である中央噴水の前には俺、タマ、ミルキー、そしてモグラがいる。
 一人足りない。

「ゴロウちゃん来ないなぁ」
「どうしたんでしょうか」
「寝坊とかだといいんですけど」
「多分大丈夫だと思うけど……あ、来た」

 時間になってもゴロウが現れなかった。
 メッセージはモグラが送っているから、もう待つことしか出来ない。
 段々心配になったところでゴロウがやって来た。

「おはおはー」
「にゃあ」
「おはようございます、ゴロウさん」
「おはよーゴロウ! にゃーこさんもおはよ!」
「にゃあ」
「おはです」
「ゴロウちゃん、どしたの? 寝坊?」

 いつも通り明るいんだけど、のんびりしてて不思議な感じだ。
 やっぱり≪笑顔の仮面≫を売っていた≪純白猫≫に雰囲気が似ている。
 挨拶を交わしているとモグラが事情を聞いていた。
 結構寝坊することがあるらしいから、きっと今日もそうなんだろう。
 
「おはおはー。いやー、遅れてすみません。ちょっとPKに襲われてたもので」
「えっ」
「ぴ、PKですか!?」
「ちょっとちょっと、そんなさらっと言うことじゃないでしょうよ。それで、どうしたの?」
「結構危ない所だったけど、偶々通りがかった≪出汁巻玉子≫っていうプレイヤーが助けてくれたよ」

 びっくりした。
 ゴロウは案の定寝坊して、慌てて集合場所に向かっていたらしい。
 それで普段は通らないような人気のない道を通っていたら二人組のPKに襲われたそうだ。
 抵抗してる内に追い詰められたが、通りがかった出汁巻玉子の協力で撃退出来たとのことだった。

 このゲームでは街の中でもPKが出来る。
 俺も始めたばかりの頃に、一度街の中で襲われた。
 だから初心者の内はなるべく人気のないところへは行かないように、熟練者が呼びかけているらしい。

 ゴロウはこっちへ来てそれなりに経っているから油断してしまったようだ。
 出汁巻が通りがかって運が良かったと笑っていたのは、すごい度胸だと思う。

 というか出汁巻は何やってたんだろうか。
 露店でも見てたのかな。

「ゴロウちゃんもまだ装備を整えてる最中で、見た目が強そうじゃないからね。ナガマサさんみたいにしっかり装備を固めとかないと、人気の無い場所はまだ危ないよ」
「面目ない」

 モグラがゴロウに説教と言うか、アドバイスをしていた。
 命の危険がある以上、油断しないようにしないとな。

 モグラが言うには、商売をしているプレイヤーはレアな装備や大量のお金を抱えてることが多く、その為狙われやすい。
 特に注意をしないといけないんだそうだ。
 
 やっぱり見た目は大事なんだな。
 他のプレイヤーの情報は、本人に聞く以外では名前と見た目しか情報が得られない。
 だからPK達はプレイ日数が浅そうな、見た目が弱そうなプレイヤーを狙う傾向にあるらしい。

 相手がPKじゃなくても見た目が弱そうな人は絡まれるっていうのは、俺も身を以て体感したからな。
 装備を更新したのもつい今朝のことだから、例に挙げられるとなんだかむず痒い。

 モグラのレベルは29、ゴロウのレベルは21。
 いつの間にか追い越してしまっていたらしい。流石に経験値の補正が大きいな。

「それじゃあ今日いっぱい稼いで、装備も揃えましょう。いい素材がごろごろ取れますからね。俺やミルキーの装備の素材も、ほとんどそこで採れたものですよ。ね、ミルキー」
「はい。性能もかなり高いし、タケダさんの腕なら最高の装備が作ってもらえますよ」
「まっするのまっするは最高だからね!」
「それタケダ製の装備なんだね。オレもしっかり稼いで依頼しようかな。ありがとね、ナガマサさん。楽しみだよ」
「いえいえ、モグラさんにはお世話になりましたから」

 俺達の熱いタケダ推しにモグラは笑っている。
 タマのは筋肉を褒めてるだけのような気がするぞ。確かにすごいけど。

 すごい筋肉だからすごい装備が生み出されるのか?
 つまり、筋肉こそ全て?
 ――駄目だ、筋肉の世界から帰って来れなくなる。忘れよう。

 モグラには、こっちへ来た当初からお世話になっている。
 いくらスキルやステータスがおかしなことになっても、俺よりすごい部分をいっぱい持っている。
 これからもお世話になることは多いと思う。

 だから、これからどんどん恩を返していこう。
 他の初心者に対して返すように言われたけど、それとは別に本人にも返しておきたい。

「俺も素材を集めていい装備作って売ろう!」
「そこは自分で装備するんじゃないんですか?」
「今とんでもなくお金無いし。素寒貧パラダイスリターンズですわ」
「帰って来なくて良いよそんなの。ようは、自分用と売る用の素材をかき集めればいいってことでしょ」
「そうですね。それじゃあ出発しましょうか」
「張り切っていこー!」

 タマの号令でぞろぞろと歩き出す。
 向かうは北、≪輝きの大空洞≫。
 和やかなムードで狩りが出来そうだ。

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