ゲームで第二の人生を!~最強?チート?ユニークスキル無双で【最強の相棒】と一緒にのんびりまったりハチャメチャライフ!?~

俊郎

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168 ペット無双と決着

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 相手は格闘家のようで、ゴツいナックルを装備している。
 モグラが言うには、格闘家には防御を無視したり防御が高いほどダメージが増すようなスキルもあるらしい。
 石華は堅そうな見た目だし、それに合わせたんだろう。
 上手くいくかどうかは別にして。

「はじめ!!」

 始まったと同時に、石華の周りに十体の≪クリスタルナイト≫と、一体の≪ダイヤモンドナイト≫が出現した。
 めら☆もっちゃへと群がって行く。

「なっ、くそっ!」

 そしてそのままHPは1に。
 ひどい数の暴力を見た。
 クリスタルナイトを二体倒しただけでも、相手は頑張った方だと思う。

 観客達もざわついている。
 よしよし、もっと石華の頑張りを称えろ。

「だ、第四試合、如月対ピンポン玉! 双方、前へ!」
「出番ですよ。いっておいで」
「プシッ」

 ミルキーが頭の上のピンポン玉をそっと持って地面へ下ろした。
 声に応じるように空気を吐いて、中央へと這って行った。

「おいおいなんだれ、勝つ気あるのか?」
「むしろ今までが異常だったんだよ。エンジョイプレイヤーって噂だし、数合わせか捨石だろ」
「なるほどな。もう三勝してるから負けても問題ないし」
「ってことは後は大将同士の対決か」
「実質そうなるだろうな」

 観客達はピンポン玉の姿を見てざわついている。
 三日月のメンバーや伊達も、すっかり余裕の笑みを浮かべている。
 それは対戦相手の如月も同じのようだ。

「如月、もう後が無いぞ!」
「分かってますよマスター。私に任せてください」

 如月は魔法使い風の女性だった。
 ミルキーと同じような、近接も出来る魔法使いタイプなんだろうか。

「彼女も有名だね。三日月の頭脳担当でサブリーダー。確か純粋な魔法型、対人戦でも負け無しの猛者だったと思うけど……その時点でもう勝敗が決まってるんだよね」
「そうですね」
『可哀そうにのう』
「皆様、どういうことですか?」

 モグラの話を聞いて、俺達は勝利を確信した。
 それどころか憐みにも似た空気が流れる。

 戸惑った様子でミゼルが首を傾げた。
 そうか、知らないんだな。ちょっと悪い事をしてしまった。
 疎外感を感じさせてしまったかもしれない。

「えっとですね、あれを見てください」
「はい」

 ピンポン玉の姿が消えた。
 開始を宣言しようとしていた進行役が固まる。
 数秒後、巨大なイカが広場に出現した。

 ≪輝きの大空洞≫にいた時と同じように、足は一際長い二本を残して地面の下へ。
 周りには移動式の足が八本、直立するように地面から生えて蠢いている。

「あの状態になると、ピンポン玉に魔法は効かないんですよ」
「まぁ、すごいですわね」

 ミゼルが笑顔を咲かせる。
 そういえば、冒険やモンスターの話が好きだったな。
 出汁巻を貸してもらったし、また今度みんなでゆっくり話をしようかな。
 俺はそんなに引出しはないけど、モグラなんかは一杯持ってるだろう。

 周りも突然現れた≪古代異界烏賊≫の姿に驚いている。
 それでもパニックになったりしないのは、決闘のバトルフィールドの中にいることと、合図を待つようにじっとしているからだろう。
 もしも危険な野生のモンスターなら、進行役と如月に襲い掛かるのに十分な時間が過ぎている。

「は、はじめ!!」

 戦いは一方的だった。
 辛うじて放たれた数発の魔法は全て、1ダメージにしかならない。
 如月は群がった足の攻撃を受けて崩れ落ちた。

 これで四勝。
 決闘自体の決着はついた。

 観客は困惑している。
 三日月も、伊達も困惑している。
 負けを認めるしかない状況なのに、なんでそんなに固まってるんだ。

 仕方ない、話をするか。
 中央を通って、三日月のメンバーが集まる場所へ真っ直ぐ向かう。

「ピンポン玉、お疲れ様」
「プシッ」

 途中で、俺達の方へ戻ろうとしていたピンポン玉に声を掛けると、空気を吐く音を一つ鳴らしていった。
 今はデフォルメされたタコの姿だ。

「おつかれー!」
「さすが先輩じゃのう」
「ピンポン玉、お疲れ様」
「すごいなー。まずMVPモンスターをテイムしてるのがすごい」
「たこたこちゅーたこたこたこ」
「にゃあ」

 後ろからは、タマ達の声が聞こえる。
 最後の意味がわからないのはゴロウだな。

「伊達さん」
「――なんだ?」
「まだやりますか?」
「くっ」

 何故かは分からないが、続けることも出来る。
 その場合も、既に決まった勝敗は変わらない。
 七戦して勝利数が多い方という条件だからな。

 意味があるのかは分からない。
 そういうのが選べるということはきっと、俺には分からない意味があるんだろう。

 ただ聞いてるだけなのに悔しそうに睨まなくても。
 
「どうしますか?」
「――もういい、俺達の負けだ」

 もう一度声をかけると、伊達は負けを認めた。
 思ったより素直だった。
 メンバーは納得がいかないようだけど。

「マスター!?」
「終わってませんよ! あいつら、何か不正を!」
「うるせぇ! どう見ても負けてるだろうが! 恥をかかせるな!」
「っ――!」
「す、すみません」
「分かればいい……。降参だ、四敗した俺達三日月は、負けを認める」

 伊達が宣言したと同時に、俺の頭上に今までよりも大きな『WINNER!!』の字が現れた。
 金色だしくるくる回っている。
 花火のようなものまで上がって、ファンファーレが鳴り響く。
 派手だ。
 多人数での勝負だとこうなるのか。

 賭けていたものは自動で支払われるようで、所持金が20M増えていた。
 これだと決闘が成立した時点で逃げられないな。

「俺達は楽しく暮らしたいだけなので、もうちょっかいを出してこないでくださいね」
「っ……」

 話は終わった。
 黙り込んでいる伊達に背中を向けて、ミルキー達の方へ足を踏み出した。

 背後で、観客の中から誰かが飛び込んで来たようだ。
 ちらっと見てみると、懐かしい顔がいた。

 伊達と知り合いだったんだろうか。
 まぁいいか。
 もっと大事なことがある。

「みんな、お疲れ様。帰ってパーティーしようパーティー!」

 
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