13 / 38
12 臨時広場+俺=やべーやつホイホイ
しおりを挟む休憩を挟みつつ、サンゾウとの狩りを数時間楽しんだ俺は一度ログアウトした。
いくらリアルだといっても、現実はこっち側であり、しっかりご飯と睡眠を摂取しないとゲームも出来なくなってしまう。
働かなくてもいいだけでも、かなり恵まれてるんだろうけどな。
というわけで夜に備えて少し休憩。
三時間程寝て起きると、外はすっかり暗くなっていた。
飯風呂歯磨きを済ませ、ベッドに横になる。
さーて、続き続き。
俺もすっかりこのゲームにはまってしまったみたいだ。
何をしていても、次は何をしようか、どこへ行こうか、なんて考えてしまう。
新しい趣味としてこれを選んで正解だった。
有難う斉藤さん。
貴女の為に買ったこのゲームが、俺の生きる糧になってくれました。
次の貢いでくれる人を探して下さい。
俺はバーチャルに生きます。
さあ、レッツログイン!
▽
「うわぁ、すごい人だな」
俺の前に広がるいつもの街は、いつにも増して人で溢れていた。
でかいのやゴーレムみたいなの、逆に小さな妖精さんみたいなのも飛んでるしかなりカオスだ。
今は土曜の午後九時。
世間的には今が一番プレイしやすい時間帯だもんな。
≪CPO≫は何故か日本限定発売だったことが、より集中させているに違いない。
これから何をするか。
フレンド登録したレンとサンゾウは、今はインしていないようだ。
うーむ、一人で経験値目当ての狩りはスペック上無理。
効率度外視で兎を撲殺するか、街を散策するか、臨時広場へ行くか。
悩む。
今日は狩りもしたけど、休んだお陰で元気いっぱいだ。
よし、臨時広場へ行こう。
そこで適当なパーティーに混ぜてもらって、二層へ繋がるダンジョンへ行こう。
このスターレの街がある一層には、ダンジョンが二つある。
その内の片方が西の平原の奥にあって、そこが二層へと繋がっているそうだ。
ソロでもパーティーでも、とにかくボスを倒すことが出来ればいいらしい。
色んなところへ行けるようになっておくのは悪くない。
レンやサンゾウが行きたがった時に、手助けも出来るだろうし。
よし、決定。
逸る気持ちを抑えながらも、早足で臨時広場へ向かう。
地面を踏む感触が気持ちいい。それだけで気持ちが弾む。
「うわぉ……」
臨時広場へ到着した。
人、人型の何か、骨、二足歩行のトカゲ。
広場として区切られているスペースよりも大幅にはみ出している。
案の定というか、ここも大繁盛していた。
っていうか人以外の種族もいっぱいいるな。
そういうゲームだったな、そういえば。
俺も≪妖狐≫だけど、違いといえば頭に生えるケモノミミと、スカートの下から生えるフサフサの尻尾くらいだし、自分じゃほとんど見えないから忘れてた。
何はともあれ、乱立している会話ルームを眺める。
良さそうな人がいたり、条件の合う募集があれば、入って直接話しかけることが出来る。
会話ルームに入った状態の会話は、外部に漏れることはない。
ルーム名の吹き出しは自由に文字入力が出来る為、募集内容なんかを書いて使ってるわけだな。
鍵をつけたり、色々便利な機能もあるらしい。
うーん、ざっと見た感じ、これというのがない。
募集の方は大抵クラスで指定されているから、≪プリンセス≫はお呼びじゃない。
それに、≪回復役≫、という募集なんて無かった。
≪支援≫募集と書かれているのは結構あったから、回復しか出来ない俺は求められていない気がする。
落ちているプレイヤーもまた難しい。
交渉中であったり、俺が拾ったところでどうしていいのか分からないんだ。
【レベル8 剣士 何かに】 【レベル6 シーフ 敏捷先行】 【体力型力士 4 肉壁にでも】
こんな感じ。
他にもいっぱいいるが、どれも似たようなものだ。
どうも近接型が多い気がする。
俺の型といえば、なんだろう。
回復が出来る、箱を出せる、≪魅力≫極振り。
うーん、自信がない。
受け身なのはあれだが、俺も落ちて誰か拾ってくれるのを待つか。
必要としてくれる人がいれば拾ってくれるだろう。
なんか型を書くのが一般的っぽいし、俺もそうするか。
確かに、何が得意かというのが一目で分かって便利な気がする。
≪レベル21 魅力極振りプリンセス 回復出来ます≫、っと。
前回は会話ルームを作った直後にサンゾウが入って来たが、今回はとくにそういうこともなかった。
地べたに座って待つか。
見た目は女の子だし、胡坐はまずいよな。
正座は辛いから俗に言う女の子座り。
五分経過。
十分経過
二十分経過。
誰も来ない。
なんでだろう。
看板に≪魅力≫極振りと書いたのがまずかったんだろうか。
サンゾウも、極振りは人気が無いみたいなこと言ってたしなぁ。
……もう少し待ってみても誰も来なければ、街でも散策するか。
まだ見てないお店もいっぱいあるし。
ポーン!
来た!
誰か来た!
誰が来た!?
思わず、キョロキョロと辺りを見回してしまう。
そんな俺に向かって近づいてくる人物が一人。
深いスリットのある、修道服のようなものに身を包んでいる。
ニーソックスとガーターベルトのお陰で、チラチラ見える太ももの破壊力が倍増だ。
ダークブルーの長い髪を右肩の辺りで一つに束ねていて、少しキリッとした目が気の強さをうかがわせる。
清楚なシスターっぽいこの子が、会話ルームに来てくれたのかな?
俺の目の前で止まった彼女は、大きく息を吸い込んだ。
「お姉様と呼ばせてください!」
前言撤回。
またやべー奴が来たようだ。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ト・カ・リ・ナ〜時を止めるアイテムを手にしたら気になる彼女と距離が近くなった件〜
遊馬友仁
青春
高校二年生の坂井夏生(さかいなつき)は、十七歳の誕生日に、亡くなった祖父からの贈り物だという不思議な木製のオカリナを譲り受ける。試しに自室で息を吹き込むと、周囲のヒトやモノがすべて動きを止めてしまった!
木製細工の能力に不安を感じながらも、夏生は、その能力の使い途を思いつく……。
「そうだ!教室の前の席に座っている、いつも、マスクを外さない小嶋夏海(こじまなつみ)の素顔を見てやろう」
そうして、自身のアイデアを実行に映した夏生であったがーーーーーー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる