借金勇者は、銅の剣と毒消し草を携えた

muku

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二章 幻の大地溝帯の町(フォッサマグナ)

012 ラブコメの空気が読めないクソ主人公

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「うわっ!トカゲ!?」
  
リーシャが驚きの声をあげる。勇者ワタルは銅の剣をみがまえた。
  
「サラマンダーだね。火を吐くから気を付けて!」
  
ワタルの声に、リーシャも身構える。
  
「初バトル!ここは私に任せて!」
  
リーシャが一歩前に出た。リーシャは特殊スキル『盗む』を行った。
  
「もらったぁ!」
  
リーシャはサラマンダーの尻尾を盗んだ。
  
「うわぁ…なんでそんなの盗むかな…。なんか血でてるし…。」
  
勇者ワタルは少し引いた。
  
「いや、何を盗めるかはランダムで、私の意志じゃないんだけど…。」
  
「薬草かなんか盗んできてくれないかな。」
  
「わかったわよ!再チャレンジよ!」
  
リーシャは再度特殊スキル『盗む』を行った。
  
「よしっ!これだぁ!」
  
リーシャはサラマンダーの火炎袋を盗んだ。仮にも内臓器官の一つであり、それは地上波では放送できないレベルのグロテスクさであった。
  
「…………普通にグロい。どうやって盗んだの?口に手突っ込んだの?そして引き抜いてきたの?」
  
勇者ワタルは蔑んだ目でリーシャを見た。
  
「そんな目で見ないでよ!何が盗めるかは運しだいだって言ってるでしょ!」
  
リーシャは半泣きで弁明した。
  
「まぁ、モンスター初討伐おめでとう!」
  
尻尾と火炎袋を盗まれたサラマンダーはたおれていた!
  
「えっ、本当だ!倒してる…。やったー!!」
  
リーシャは経験値を得た。手癖の悪さが1あがった!san値は1下がった。
  
「この調子で次の町までがんばろうね!」
  
勇者ワタルとリーシャはその後も、次々と現れるモンスターを倒して進んで行った。
  
「ねぇ…、ワタル?」
  
「うん?どうしたの?」
  
「ちょっと…エンカウント確率がぶっ壊れてるんじゃないの?さっきからモンスター出過ぎなんだけど。」
  
「そうかな?僕が一人の時はこの3倍は出てきたけど…。」
  
「えぇ…!?それって、その場所のせい?それともワタルのせい?」
  
「ごめん、昔から不幸体質で…。でも、リーシャが入ってくれて、パーティ全体の運はだいぶ上がったんだと思うよ。僕一人のときよりかはね。」
  
勇者ワタルは、『運』のステータスが人並み外れて極端に低かった。
  
「でも、こうやってリーシャという仲間が増えて、一緒に旅ができるのは幸運だったな!」
  
「えっ…///」
  
リーシャは心拍数が高まった。乙女らしくドキドキしている。しかし、勇者ワタルは墓穴をほった。
  
「おかげでアイテムも盗んでくれるし、やっぱシーフはいると便利だなぁ。」
  
「……はぁ。」
  
リーシャは深くため息をついた。
  
「うん?どうしたの?」
  
「別にっ!…ふんっ!!」
  
勇者ワタルはリーシャの機嫌を損ねた。ラブコメの空気が読めない糞主人公のような言動に、リーシャと読者からの好感度が3下がった。
  
「えっ!?ごめん、怒らせるつもりじゃなかったんだけど…。もちろん、シーフだからってじゃなくて、リーシャと一緒に旅できてうれしいんだよ。リーシャは明るいし、面白いし、よく変な物盗んでくるけど、話していたら楽しいし、可愛らしいし…それから…。」
  
勇者ワタルは必死に挽回しようとした。

「もういいっ!」
  
リーシャは大声でワタルの言葉を遮った。怒ったからではなく、それ以上言われると、恥ずかしくて死にそうだからであった。ちょっとしたラブコメ展開も挟みながら、勇者ワタルとリーシャは次の町に到着した。
  
タグ:ラブコメ キムチ事件

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