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二章 幻の大地溝帯の町(フォッサマグナ)
017 小学校の帰り道に、傘で全力の必殺技出してた遠い過去
しおりを挟む地面に倒れるワタルとリーシャの前に現れたのは、ワタルの兄である派遣社員ヤマトだった。派遣社員ヤマトは、地面に突き刺さっている銅の剣を携えた。
「かわいい弟に手を出しやがって、ただじゃ済まさねぇぞ!」
Tレックスの骨格は、満月にまで届くような咆哮を放った。そしてドシン、ドシンと地面を揺らせながら、勇者ヤマトへと襲い掛かる。対する勇者ヤマトも、銅の剣を逆手にもって構えた。
「あっ、あの構えは…!?兄貴がいつも下校の時に、傘を振り回して練習していた技!」
猛スピードで突進するTレックスに、ヤマトも正面から向かっていく。
「くらえっ…、ア〇ン流…ア〇ンストラッッッッシュッッッ!!!!!」
眩い光がヤマトを包み、銅の剣は紫電一閃、Tレックスの身体を一刀両断した。
「す…すごい…。」
勇者ヤマトの必殺技が放たれる瞬間を、ワタルは目を見開いて見ていた。
「ふぅ…。またつまらぬものを斬ってしまった…。大丈夫か?」
勇者ヤマトから伸ばされた手を、ワタルは素直に握った。
「すごい…!やっぱり、兄さんもちゃんと勇者だったんだ!」
「あぁ、このところ…魔王の影響か、この周辺の町も異変が多くてな。派遣社員として各地を回って、その原因を調べているんだ。」
勇者ヤマトは、ワタルに銅の剣を手渡した。
「お前ももっと精進しろよ。っじゃないと、俺が先に魔王を倒しちまうぜ!」
勇者ヤマトは、マントをさっと翻した。すると、彼が来ていたリクルートスーツは、一瞬にして光り輝く鋼の鎧を身にまとった姿に変わった。
「…っえ?」
目の前で早変わりしたヤマトの姿に、ワタルとリーシャは目を丸くした。
「っじゃあな!アディオス!!」
勇者ヤマトは、鋼の剣を携えて去っていった。
タグ:アバンストラッシュ
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この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
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