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14.幼なじみの家を熟知している小話(詰め替えの日)

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「ただいまー」
「お邪魔シマース」
「どうぞいらっしゃーい」
「湊がいらっしゃいもすんの」
「だって今誰もいないし。返事ないと寂しくない?」
「確かに。じゃあオレも湊に、オカエリー」
「いいね、帰ってきたーって感じする」
「手洗いうがい?」
「やりましょう」
「ポンプの石鹸、少なくなってた気する」
「ほんと? じゃあ詰め替えミッションだ」
「オレ拝命。プロだから」
「何プロ? 詰め替えプロ?」
「湊家プロ。詰め替えの置場所を熟知し、一滴も溢さぬ匠の業を持つ」
「なんということでしょう!」
「ひ、似てねー。九十五点」
 モノマネ五点、可愛いから九十点加点という計算らしい。まさかの高得点である。


(了)210625
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