【年の差男女】セーラー服の融解点

りつ

文字の大きさ
1 / 1

セーラー服の融解点

しおりを挟む
 彼女の唇は、菓子箱と同じ赤色をしていた。口元についたチョコレートを見せつけるように舐める。人工的な赤。
(勿体ないな)
 彼女くらいの年頃ならば、化粧など必要ないと思う。頬も、唇も、ありのままで朱を差したように色づいている。
 僕は誰よりもそれを言ってはならないのだろう。
「そんなに駆け足で、大人にならなくて良いんだよ」
 案の定、彼女は顰めっ面をする。
「やだ。あたし大人になる」
「嫌でも大人にはなる。子どもの時間は大事にしなくちゃ」
 彼女は頑なに首を横に振った。
「二度と、エンコーとか、言われたくない」
 僕が彼女のモラトリアムを早送りする。
(それは不本意で、だけど)
 もしかしたら彼女のなかで一生消えない傷になる。
 大人になった彼女に置いて行かれることを、大人の僕は想定する。拙いマニキュア、アイラインの滲み、はみ出した口紅にキスをした。子どものころ食べたポッキーの味がした。


(了)
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

還暦女性と青年の恋愛

MisakiNonagase
恋愛
ますみは61歳。子育てもとうに終わり、孫もいて、ここ数年ロックバンドの推し活に生きがい感じている。ますみは推し活のオフ会やライブ会場で知り合った世代を超えた「推し活仲間」も多く、その中で二十歳の大学生の悠人とは特に気が合い、二人でライブに行くことが増えていった。 ますみと悠人に対して立場も年齢も大きく違うのだから、男女としての意識など微塵もなかったが、彼のほうは違った。 そんな世代を超えた2人の恋愛模様を書いたストーリーです。

ヤクザの若頭は、年の離れた婚約者が可愛くて仕方がない

絹乃
恋愛
ヤクザの若頭の花隈(はなくま)には、婚約者がいる。十七歳下の少女で組長の一人娘である月葉(つきは)だ。保護者代わりの花隈は月葉のことをとても可愛がっているが、もちろん恋ではない。強面ヤクザと年の離れたお嬢さまの、恋に発展する前の、もどかしくドキドキするお話。

秘事

詩織
恋愛
妻が何か隠し事をしている感じがし、調べるようになった。 そしてその結果は...

離婚した妻の旅先

tartan321
恋愛
タイトル通りです。

公爵令嬢の秘密

下菊みこと
恋愛
今回もヤンデレ。今回も自重しない。普通にいつもの短い感じです。 小説家になろう様でも投稿しています。

人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている

井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。 それはもう深く愛していた。 変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。 これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。 全3章、1日1章更新、完結済 ※特に物語と言う物語はありません ※オチもありません ※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。 ※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。

6年分の遠回り~いまなら好きって言えるかも~

霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
私の身体を揺らす彼を、下から見ていた。 まさかあの彼と、こんな関係になるなんて思いもしない。 今日は同期飲み会だった。 後輩のミスで行けたのは本当に最後。 飲み足りないという私に彼は付き合ってくれた。 彼とは入社当時、部署は違ったが同じ仕事に携わっていた。 きっとあの頃のわたしは、彼が好きだったんだと思う。 けれど仕事で負けたくないなんて私のちっぽけなプライドのせいで、その一線は越えられなかった。 でも、あれから変わった私なら……。 ****** 2021/05/29 公開 ****** 表紙 いもこは妹pixivID:11163077

還暦の性 若い彼との恋愛模様

MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。 そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。 その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。 全7話

処理中です...