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村長さん@出張中

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私の涙は星になった。

親友の亜紀は天体観測が好きだった。
寒い冬も暑い夏も関係なく、大きな望遠鏡を
持ち出しては河原で宇宙そらを観ていた。

「ねー、いつまで見てるつもりなの?」

「いつまでも!飽きたなら
別に帰ってもいいんだよ?」

「やだ!おばさんに怒られちゃうから」

「なに?怒られたくなくて一緒にいるのw?」

「違うもん…亜紀と居たいからだもん」

「なぁーに?聞こえなーい!」

「おばさんから見守り役をお願いされたから
居るだけだし!!」

「素直じゃないなー。雪ちゃんは」

「うるさいな!!聞こえてたなら聞くなし!」

「あはは。ごめん、ごめん。
いじりがいがあって本当可愛いw」

私は亜紀が大好きだった。

亜紀の見ている景色が大好きだった。

亜紀の好きなもの全てが大好きだった。

死んだ後もずっと一緒に居たいと思っていた。

でも、もう亜紀は居ない。

亜紀が死んだのは、夏だった。

2人1緒に望遠鏡を覗き込んだ
あの河原で冷たくなった状態で
見つかったんだ。

警察の見解としては「事件性なし」だった。

お葬式の帰り道。見上げた空には無数の星が散りばめられていた。

「亜紀?あんたは前から自分も星になりたいって言っていたよね。
この星のどれか1つになれたのかな?」

すると、1つの星が私の問いに答えるかのように瞬いた。

「やっぱり…本当に星になっちゃったんだね。
亜紀良かったね!夢が叶って…っ」

喉の奥が苦しくなり、目頭が熱くなっていくのが分かった。

「…亜紀、亜紀!置いていかないでよ。
ずっと一緒にいるって約束は!!

あああああ」

零れ落ちる涙は街灯に照らされ、キラキラと頬を滑り落ちていく。
涙でぬれた礼服の袖が冷たい。

「雪の涙。星みたいだね」

「亜紀!?」

「雪は私の分までちゃんと生きるんだよ?
でも、私も一人は寂しいから雪の涙を持っていくね」

ふわりと吹いた優しい風が私を包んだ。

ふと空を見上げると2つの星が瞬いていた。

「私は雪が大好き。雪の笑った顔が大好きだったよ」

その声がひどく優しく響いた。
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