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悪役王子だるまにされて世界に復讐したかったのに触手が生えてしまう2

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「う……ん……」
「ドゥルマ様、ドゥルマ様」

 何故か必死におれを呼ぶ声に目覚めると、手足がないのに重く感じる身体は以前のままだった。エロ触手が生えているのとどっちがマシなんだろう。
 あれはシャイオが見せた悪夢だったに違いないと結論付けたとき、切断面から細い触手がチョロっと出てきた。

「ひっ、いやだ」
「大丈夫ですドゥルマ様。テンタクーは一定量の体液を吸収すると大人しくなります」

 おれは弱っていて性器は勃たなかったはずだ。どこから体液をとったんだ?

「私の精液をかけたら大人しくなりましたとも。最近はご無沙汰でしたから、量も多くてドゥルマ様の触手にも満足して頂けたようです」

 触手に犯されているおれをオカズにしていたシャイオが放った精液で、触手が大人しくなったというこらしい。なら最初からシャイオを犯せよ……。この世界、相変わらずおれに対してハードモード過ぎねえ?

 だけど手足がなくなっても魔法でどうにかなるのはありがたい。召喚術じゃなくて風魔法とかだったら自分の身体を浮かせて飛んだりすることもできたのだろうか。
 ……だるま人間が飛んで来たらトラウマどころじゃない。それこそ討伐対象にされてしまう。モブレどころじゃない。いやモブレも嫌なんだけど。ほら、人から憎まれるのって結構心理的に苦しいものがあるじゃん。

 前世の記憶が戻るまでのおれなら、何も気にしなかっただろう。努力もしないでおれを評価しない周囲が悪いのだと言って、好きなものに意地悪をして……どうしてあの子はおれを好きになってくれたんだろう。

 おれのやったことと言えば、平民での癖に周囲にちやほやされているが羨ましくて、憎まれ口ばかり叩いていた。そのくせ主人公補正のあるあの子のことが魅力的だから放っておけなくて、身の程をわきまえろとか、勉学に励みに来たなら恋愛ごとにうつつをぬかすなとか、リア充爆発しろ的な発言しかしていない。
 ……ちやほやされていたから、そういうのが珍しくてよかったのだろうか。

 そういえばシャイオも俺がずっと好きだったとか言っていたな。何でだ? 接点なんてなかったはずなのに。

「シャイオ、おまえはまだおれが好きなのか」

 手足を失う前とは随分様変わりした。色々ありすぎて顔つきも変わっただろうし、何より手足が触手になってしまった。

「ドゥルマ様に全てを捧げます」

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