悪役王子だるまにされてエロBL世界を生き抜いていく

爺誤

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悪役王子だるまにされたけど手が生えたから脱走することにした 2

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 逃げ出したとはいっても、ここはヨゥクォーリ公爵邸の端でしかないだろう。通りすがりの村人一号かなにかに拾ってもらいたい。できれば若い娘さんが良い。この世界のモブは女の子だろう。

 腕一本でずるずると牧場から離れて、道のわきの木にもたれてぼんやりと空を眺めた。
 怒涛の一年だった。ものすごく長い間のようだが、ほとんどの期間はシャイオのオナホで、直近数カ月がイリアスのオナホだった。途中で輪姦ショーはあったが、そこは黒歴史として割愛することに……できないな。

 そもそもおれの父親がゲイヴのためにあの輪姦ショーを計画したみたいなのに、いまさら兄が死んだから繰り上がり王太子ですなんて困り切っていることだろう。ざまあみろ。
 おれが生きている限り王国碑には、王太子の名前としておれの名前が刻まれ続ける。碑に逆らうと天災が起きるという話だし、父が存命中に後継問題は片付けたいだろう。

 王宮に見つからずに生き続けることは、この世界への嫌がらせになる。見てろよ、おれは同性婚もしないし男性妊娠もしない!

 生き延びるというささやかな野望に燃えて転がっていると、遠くから小柄な人物がやってきた。フードを目深に被っているが、スカートを履いている。女性だ。

「あら? こんなところでどうなされたのです?」

 かっわいい声! 若い娘さんだ!! フードの端から見える顎はつるっつるで唇はぷるぷるしている。少し肉厚なところが色っぽい。おっぱいはどうだろう。もう巨乳が良いとは言わない、柔らかいおっぱいがあったらいい。
 娘さんがしゃがんだ。谷間ぁー!!

「連れに置いていかれてしまいました。生まれつき身体が満足でなく、長く迷惑をかけてしまっていたので、仕方がないのですが……。不躾なお願いで申し訳ありません。貴女のような美しい方の腕の中で生を終えたい」

 一本だけの腕で彼女の腕を掴んだ。あああ細い柔らかい。ゴツゴツした男にしか触れていなかった今生、神はおれを見捨てていなかった。

「寂しいことを言わないでください。もしよろしければうちにいらしてください。驢馬を連れて参りますから、待っていて」
「あっ」

 期待と不安の時間はそう長くなかった。彼女はに驢馬を連れてきて、おれを驢馬の上に乗せて家まで連れ帰ってくれた。
 道すがら、親を亡くしたばかりで家が広くて寂しかったのだと話してくれた。おれが無害そうなのも良かったのだろう。

「私は森の奥で薬師を営んでいます。薬草を取って処理するには、人がいないところの方がいいから」
「薬? 魔法で癒せるんじゃないのか?」
「治癒魔法を使える魔法使いはとても少なくて、お願いするにはとても高額な報酬が必要なのよ。たいていの人は薬を使って時間をかけて治すの」

 幼い子供に言い聞かせるような優しい言い方だった。おれは王子として生きていて、貴族社会のことしか知らなかった。
 庶民は違うんだ……。

「シンタさんは……ううん、なんでもないわ」

 名前を聞かれておれは前世の名を名乗った。ドゥルマの名はこの国では有名だから。
 彼女は世間知らずのおれが何者か言おうとしたんだろう。でも捨てられたという境遇を思い出して黙った。なんて優しい子だろう。

「おれも少しだけ魔法が使えるんだ。カリデュカの役に立てたらいいんだけど」
「ふふ、ありがとう。慣れてきたらお願いするね。いまはうちに慣れて、私の話し相手をしてくれたら嬉しいの」
「うん。君の知らない話をたくさん話すよ」
「楽しみ」

 穏やかな時間だった。触手はおれの気持ちを汲んでくれているみたいで大人しくしている。

 カリデュカの家はほんとうに森の奥で、ここならイリアスもシャイオも見つけられないだろう。カリデュカとおれの愛の巣。時間はたっぷりあるんだから、ゆっくり絆を深めていこう。
 もし彼女に選ばれなくても、おっぱいに埋もれて死ねたら満足だ。


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