人を生きる君

爺誤

文字の大きさ
33 / 33

33 目標達成

「このときを待っていた」

 耳元でささやくリナサナヒメトの声にも、快感でぞくぞくと全身がふるえる。ゆっくりとそれが孔に挿入はいってくるのには、苦しさよりも充足感が満たされ、トーカは口をおおきく開けてすぎる快楽を逃がそうとのけぞったが、ソレは容赦なく敏感になりすぎた内壁を擦った。
 逃げたいけれど逃げたくない、リナサナヒメトの腕を掴んだ腕をぴんと伸ばして、何のために溢れたかわからない涙を散らした。

「っあ、あ、これすご……あ」
「ふ、トーカ……なかがすごいことになっている」

 トーカに包み込まれたリナサナヒメトのモノは、強い力で引き絞られたと思えば、誘い込むように蠕動されて、激しく動かなくてもじゅうぶんな悦楽が与えられていた。
 顎を伝った汗が、トーカの胸に落ちていくのを舐めとると、とうとうトーカが逃げようと腕を払った。すぐにその腕を捕らえて、逃げられないように組み敷くと、トーカが自分の顔を手で覆う。

「なんで顔を隠してるんだ?」
「っ、ぁ、おれ……んぅっ……酷い、かお、ぁう!」

 捕まれた腕を顔の横に貼り付けられ、涙や涎でぐちゃぐちゃになった顔をリナサナヒメトに晒された。
 ゆっくりと腰を揺らされるから、悲鳴を上げて動きをとめるために両足をリナサナヒメトの腰に回したが、より深く感じるばかりでどうしようもできない。

「確かに、トーカの顔は好きだが……この顔も、愛おしい」
「あ――……っ!」

 リナサナヒメトの囁きに脳まで蕩かされたようで、前に触れられないまま、達してしまう。それなのに興奮は収まらず、どこまででも求められそうな己自身に、トーカは慄いた。

「っふ、すご、すごい……ヒメサマ、イイのが、止まらないよぉ……っ」
「俺もだ、トーカ」

 体内のリナサナヒメトが大きくふるえ、中を濡らすのさえ気持ちいい。

「あああぅっ! ぁあっ」

 トーカ同様に達しても止まらないリナサナヒメトのものが、出したもので卑猥な音を立てて激しく抽挿される。トーカを見る瞳にはあからさまな情欲が燃え、そこに映るトーカもまた同じように熱に浮かされている。

「あう、ヒメサマ! ああっ、い、あああっ」
「トーカ、っく」

 手足を絡め、下肢は繋がり、これ以上はない幸せだと、トーカが霞む瞳をリナサナヒメトに向けると、美しい縦の瞳孔が飛び込んできた。
 同時に、内部にちくちくしたもので削られるような痛みが走った。

「っああああああっ!?」

 咄嗟に逃げを打った身体を押さえつけられ、首筋に噛みつかれる。本来なら痛みに耐えられないはずなのに、トーカの身体は痛みの熱すら快楽に変換した。

「ぇ、あ、ぁはあ……んぁああっ!」
「トーカ、トーカ」

 獲物を襲うように犯されているというのに、理性を飛ばしたリナサナヒメトが嬉しくて、トーカの身体も変化していく。

「ひ、ん……イ、ぁん、イ……い、きもち、いいよぉ……ああっ、ヒメサマ、もっと、あう!」

 ヒトの形から半分猫になったリナサナヒメトの姿が愛おしくて、その耳に齧りついた。
 すると、それ以上はないと思えたリナサナヒメトのモノがより奥へ進入し、先端が深いところを暴く。

「う゛、あ゛ーーーー」

 最奥をリナサナヒメトのもので濡らされて、全身が染まるような感覚に陥る。溶け合うとはこういうことか、とリナサナヒメトの腕に齧り付きながらトーカは思った。


 何度も意識を手放して、終わらない絶頂にまた目を覚ますことを繰り返したトーカだったが、しばらくしてやっと落ち着きを取り戻した。
 時間がどれほど経ったのかはわからないが、快楽の余韻はあれど疲れも痛みもない身体の状態に感動していた。

「……すごかった。おれ、生きてる……?」
「もうトーカは寿命を迎えるまでは死なない。このための神格だ」

 トーカに膝枕をしているリナサナヒメトも、薄い服を着ていつも通りになっていた。

「ヒメサマ、戻っちゃった。耳と尻尾のあるヒメサマも良かったな」

 手を伸ばして尻のあたりを撫でるトーカに、リナサナヒメトは笑って好きにさせる。

「中途半端じゃないか?」
「かっこよくて可愛かったよ。トゲトゲのちんちんって、猫が子どもつくるために必要なんだってね。おれがヒメサマの子どもを産んだら猫耳と尻尾のついた子になるのかな」

 今度はリナサナヒメトから猫の喉をくすぐるように撫でられて、トーカはくすくすと笑う。

「産みたいのか? 神格を得たからできないこともないが、トーカの寿命とともにその子も死ぬぞ。厳密には子どもではなく、眷属という扱いになる。かみに子どもはできないから」
「ふたりの子どもじゃないならいらないかな。でも、人間と獣の混ざった生き物がいたら、世界はもっと面白くなるんじゃない?」

 中庸の地で出会った精霊たちは獣の姿だけど人と同じように会話ができた。トーカはそれがとても楽しかったから、間の生き物がいたら意思疎通ができるようになるのではないかと考えた。

「新しい生物を作るには三柱での話し合いになる。トーカはどちらにも気に入られているから、説得してみたらいい」
「また試練でぬるぬる塗れにされるのはやだなぁ。ヒメサマどろどろにされるのは大歓迎だけど」
「それなら、此度の生は愛欲に溺れよう」
「ひゃん」
「まだ試していないことはたくさんあるぞ、トーカ」
「あっ、あっ、たまには地上にも遊びに行……ひゃあぁん!」

 トーカが次に地上に遊びに行くのはずいぶん先になるのだった。
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

処刑される悪役令息に転生したらなぜか推しの騎士団長がグイグイ近づいてくる

猫に小判
BL
交通事故で死んだはずの会社員・田中悠人は、気がつくとBL小説『恋と陰謀~はじまりは夜に~』の世界に転生していた。 しかも転生先は、原作で処刑される悪役令息エリオット。 当然そんな未来は回避したい。 原作知識を頼りに慎重に立ち回るつもりだったのに、気づけば王宮を揺るがす事件に巻き込まれていき――。 さらに困ったことに、原作で一番の推しだった騎士団長ガイウスがやたらと距離を詰めてきて……? 平穏に生きたい元悪役令息と、過保護な騎士団長がじれじれ距離を縮める話。 ガイウス(騎士団長)×エリオット(元悪役令息)

愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない

了承
BL
卒業パーティー。 皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。 青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。 皇子が目を向けた、その瞬間——。 「この瞬間だと思った。」 すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。   IFストーリーあり 誤字あれば報告お願いします!

将軍の宝玉

なか
BL
国内外に怖れられる将軍が、いよいよ結婚するらしい。 強面の不器用将軍と箱入り息子の結婚生活のはじまり。 一部修正再アップになります

おひめさまな俺、帝王に溺愛される

  *  ゆるゆ
BL
帝王陛下に捧げられることになった小国の王族レイには、大変な問題が──! ……男です。

【完結】マジで婚約破棄される5秒前〜婚約破棄まであと5秒しかありませんが、じゃあ悪役令息は一体どうしろと?〜

明太子
BL
公爵令息ジェーン・アンテノールは初恋の人である婚約者のウィリアム王太子から冷遇されている。 その理由は彼が侯爵令息のリア・グラマシーと恋仲であるため。 ジェーンは婚約者の心が離れていることを寂しく思いながらも卒業パーティーに出席する。 しかし、その場で彼はひょんなことから自身がリアを主人公とした物語(BLゲーム)の悪役だと気付く。 そしてこの後すぐにウィリアムから婚約破棄されることも。 婚約破棄まであと5秒しかありませんが、じゃあ一体どうしろと? シナリオから外れたジェーンの行動は登場人物たちに思わぬ影響を与えていくことに。 ※小説家になろうにも掲載しております。

神子の余分

朝山みどり
BL
ずっと自分をいじめていた男と一緒に異世界に召喚されたオオヤナギは、なんとか逃げ出した。 おまけながらも、それなりのチートがあるようで、冒険者として暮らしていく。 途中、長く中断致しましたが、完結できました。最後の部分を修正しております。よければ読み直してみて下さい。

忘れた名前の庭で

千葉琴音
BL
【凍てついた記憶を溶かすのは、不器用な守護者の体温】 「俺のことはルーカスでいい」 目覚めると、僕は自分の名前すら忘れていた。 唯一の肉親である兄・テオドールの死と同時に失われた記憶。無愛想な兄の友人ルーカスと共にゆっくりと兄の足跡を辿っていく。 厳格で甘いものが嫌いだった亡き兄・テオドール。彼が密かに弟のために植物図鑑を読み、内緒で菓子を買い与えていたという、口にされることのなかった真実。 ルーカスの語る「かつての自分」と、今の自分が少しずつ重なっていく中、アルノは因縁の魔獣の住む森へと足を踏み入れる。そこで彼が思い出したのは、独りで耐える術ではなく、誰かに抱きしめられて「息をする」方法だった。 孤独な少年と、彼を見守り続けた騎士。二人が雪解けの庭で見つける、新しい絆の物語。

虚ろな檻と翡翠の魔石

篠雨
BL
「本来の寿命まで、悪役の身体に入ってやり過ごしてよ」 不慮の事故で死んだ僕は、いい加減な神様の身勝手な都合により、異世界の悪役・レリルの器へ転生させられてしまう。 待っていたのは、一生を塔で過ごし、魔力を搾取され続ける孤独な日々。だが、僕を管理する強面の辺境伯・ヨハンが運んでくる薪や食事、そして不器用な優しさが、凍てついた僕の心を次第に溶かしていく。 しかし、穏やかな時間は長くは続かない。魔力を捧げるたびに脳内に流れ込む本物のレリルの記憶と領地を襲う未曾有の魔物の群れ。 「僕が、この場所と彼を守る方法はこれしかない」 記憶に翻弄され頭は混乱する中、魔石化するという残酷な決断を下そうとするが――。