異世界でおまけの兄さん自立を目指す

松沢ナツオ

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ハネムーン編

ハネムーン編 エルビス 2 *R18 sideエルビス

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 離宮に到着した頃、夜もふけていた。兄様が家に連絡してくれるというので甘えてしまった。馬車を降りて、歩き慣れた離宮の通路を進む。

(あちこちにジュンヤ様の気配を感じる)

 いずれ、現在建築中の黒晶宮に移り住む事が決まっているが、私はこの離宮が好きだ。ジュンヤ様が触れた木々や、いつもくつろいでおられる中庭にさえその慈悲が与えられている……私には、そう感じる。
 警備をする騎士の間を通り抜け、私は与えられている自室ではなくジュンヤ様の部屋へと向かう。すると、ヴァインが私に気がついた。

「エルビス様、どうされました? お戻りは明日では? 珍しい……飲んでこられたのですか?」
「ああ……兄上とな。もう休暇は終わりだ。早くこちらに帰りたかったんだ」
「そうでしたか。ジュンヤ様もお帰りになっていて、もうお休みになっておられますよ」
「そうか。——寝顔を見るくらい、許されるだろうか」
「伴侶なんですから、堂々とお隣でお眠りになればいいのに」
「わかっているんだが……」
「もう眠ってらっしゃるかもしれませんが、起きた時にエルビス様がいたら、絶対に喜びますよ。会いたがっていましたから」

 私に会いたがっていた? 

(ああ、それだけの言葉で私は幸せになれる)

 静かにドアを開け、寝室に向かう。室内はジュンヤ様の香りが満ちて、穏やかな寝息が聞こえていた。枕元に跪き、穏やかな寝顔を見つめる。目覚めている時とは違う、愛らしい寝顔にずくんと下半身がうずいた。この寝顔を一番見ているのは私だ。

(可愛い……ほんの少しだけ……)

 頬にそっと口付け、鼻腔にジュンヤ様の香りを吸い込む。

(ああ、どうしよう……起きないでください)

 下半身の熱を慰めようと、紐をほどき隙間に手を差し込むと、私のそこはジュンヤ様を求めて硬く勃ち上がっていた。こんなはしたないまねは良くないとわかっている。
 だが、ようやくお戻りになった愛する人を前に止められなかった。ベッドのそばに座り込み、香りを吸い込みながら上下に扱けばいやらしい音が聞こえた。

(酔っているせいだろうか、止められない)

「っ……ふ」

 声を必死でおさえ、早く終わらせようと硬く目を閉じてはしたない行為を続ける。

「ん……エルビス……?」
「っ?! あ、は、はい。私、です」

 目を擦りながら、ジュンヤ様が目覚めてしまった。ゴクリ、と喉がなってしまい、必死で冷静な顔を取り繕う。

「明日まで、実家だって……聞いたけど」
「こちらの方が落ち着くので……。起こして申し訳ありません。もう一度お眠りになってくださいね」

 話しながら、そっとはしたないものをしまい紐を結んだ。だが、張り詰めたソコは苦しくてたまらない。——早く自室に戻ろう。

「エルビスに、会いたかったんだ。だから、会いにきてくれて嬉しい」

 ふわっと柔らかくほほ笑んだジュンヤ様は、両手を広げて私を引き寄せ抱きしめてくれた。それは、とても嬉しい。だが、覆いかぶさる形になってしまい、これではバレてしまうと内心焦っていた。

「ジュンヤ様、お疲れでしょう?」
「ちょっとだけ。エルビス……一緒に寝よ?」

(ぐっ……! 可愛い! しかし、不都合があり過ぎる!)

 そっと離れようとしたのだが、私の腕をジュンヤ様はグッと握り引き留めた。

「そんな目で見てる癖に、俺を一人にする気?」

 ジャンヤ様が甘い声で囁いて、私を見つめる。

 好きです。愛しています。こんな陳腐な言葉をいくつ並べても、この気持ちを表せない。

「ジュンヤ様っ!」

 覆いかぶさって唇を奪うと、口を開いて私を中に導いてくれた。温かく濡れた舌が私の舌に絡んで優しく撫でてくれる。そんな甘い口付けに、理性など焼き切れてしまいそうだ——

「エルビス、なぁ……エッチしよう?」
「っ! し、しかし、お疲れでしょう」
「元気だよ。確かめてみたら?」

 そう言ってジュンヤ様は私の頬を撫で、色っぽくほほ笑んだ。

「ジュンヤ様っ!」
 
 ベッドに乗り上げ、もう一度唇を奪い激しく貪る。甘く優しい力が私を包み始めて、ようやくジュンヤ様に触れられた喜びがこみ上げてきた。

「ん、んっ……」

 私を抱きしめてキスを返してくれるジュンヤ様……

「エルビス、俺、寂しかった」
「私もです。会いたかった……!」
「ふふ、珍しい。お酒の匂いがする」
「あ、お嫌でしたか?!」
「違う。だからかな? 大胆な事、してたよね?」
「えっ? あっ? お、起きていらしたんですかっ?!」
「途中でね……俺がいるのに、一人でシないでよ」
「っう!? ジュンヤ様?」

 ジュンヤ様の手がシャツの内側に入り込み、私の脇腹をするりと撫でた。たったそれだけの動きなのに、なんて官能的なんだろう。

「エルビスに触りたい……かっこいい体が見たい……」

(なんて人だ——)

 体を起こしてシャツを脱ぎ捨てると、ジュンヤ様も起き上がってきた。

「ん。キレイな体」
「あなたの体も見たい——脱がせてもいいですか?」
「聞かなくていいのに。俺はエルビスのものなんだから」
「ええ……結婚できたんですよね」

 胸元の紐を解いてスポンと頭から引き抜くと、薄暗くてもはっきりとわかる所有痕が散らばっていた。

「ダリウス……」

 わざとに決まっている。私に見せつけるつもりだろう。

「嫌かな? 抱けない?」
「——いいえ。ジュンヤ様。書き換えさせてもらいます」

 心の奥底で、メラメラと嫉妬の炎が燃えていた。気がついたら抱きしめて、強引にベッドに押し倒していた。

「え? んっ、あっ! 急にっ!」

 首すじ、鎖骨に、そして胸の飾りのすぐ側に……あちこちに散らされた、ダリウスの痕跡。

(私に見せつけるためだな……)

 いつも愛らしいピンク色の乳首は、何度も愛されたと分かる薔薇色で、ほんの少しの刺激でツンと勃ち上がっていた。
 私は、乳首のすぐ側に残されたダリウスの付けた痕に口付けて強く吸い上げた。

「んっ、エルビス……」

 私が大事に大事にお手入れして磨いたお体だ。そして、ついに私の妻になった——先ほどよりはっきりと花開いた赤い花に、私は満足して頷いた。
 これまで、侍従として所有印は付けないように心がけていた。それに、自分のつけた痕を上書きされるのも嫌だった。

(だが、こうしてみてわかる。殿下の痕も、ダリウスの痕も、全て上書きして私の印にしたい)

 寝間着を剥ぎ取り、肌のあちこちに口づけてすべてを私の印に変えていく。念入りに、一つ残らず……

「ああっ、ん、エルビス! 焦らさないで……」
「ダメです。あなたについたすべてを私の印にします。絶対にやめません」

 今日の私はどうかしている。分かっているのにやめられない。

「ジュンヤ様、足を開いていただいてもいいですか?」
「う、うん……」

 恥ずかしそうにそろそろと足を開いてくださる。そして、思った通りだ。

「ここにもありますね」
「そんなところにも?!」

 頬を染めて恥ずかしそうにもじもじとしているジュンヤ様の愛らしさ。それに比べて、エロクソ団長はこんな内股にまで痕を残している。

(私が怯むと思ったら大間違いだ)

「そこにも、キスしてくれる……? 終わったらシてくれる? 怒ってない?」

 不安げな表情に、怖がらせていたとようやく気がついた。

「もちろんです。ジュンヤ様、大丈夫ですよ。怒ってなどいません。私が怒っているのはエロ団長にです。ジュンヤ様のお体にこんなに痕をつけて……」
「気がつかないとこにもいっぱいついてたみたいだ。エルビスだけの印もほしいな……」
「っ?!」

 可愛い!! 私の伴侶はなんて可愛いんだ!! そう、私のものなのだ——上書きにこだわった私は愚かだ。

「んっ、んん~」

 口付けて、舌を絡ませて私の唾液をジュンヤ様に注ぐ。コクリと飲み干してジュンヤ様は嬉しそうに笑ってくれた。

「エルビスのは、優しい味がする……好きだよ」
「愛しています。こんな言葉では足りない——」
「俺も愛してる。だから、早く」

 枕元から香油と玉を取り出し、そっと押し込むと柔らかく玉と私の指を飲み込んでくれた。ジュンヤ様の体内の熱さと締め付けに、乱暴に暴いてしまいたくなる。玉が溶けるまでの間に、内側のシコリを二本の指でやわやわと揉むと、ジュンヤ様の体がビクビクと跳ねた。

「あっ、んうっ! そこ、は、すぐイッちゃうとこだからぁ~」

 ジュンヤ様は顔を真っ赤に染めてピクピクと痙攣し、ダメだと拒否をしながらも淫靡に腰が揺らめき、誘っているとしか思えない。


「気持ちがいいのでしょう?」
「イイ、けど! エルビスので……シてほしい……」
「——お望みとあらば」

 とっくに痛いほど張り詰めていた欲望をジュンヤ様の蕾にあてがうと、そこはパクパクと口を開いて私を待ち焦がれていたように見えた。

(可愛くて美しくて、そして官能的で……この世にジュンヤ様ほど完璧な人がいるだろうか)

 小さく可憐な蕾を、ゆっくりと押し開いていく。呼吸を整えながら私を受け入れてくれるジュンヤ様が愛しくて可愛くて、気が狂いそうだ。

「ん……なんか、いつもより、おっきい……!」
「それはジュンヤ様が素敵すぎるからです。美しくてエッチで可愛くて、こんなに小さな蕾で私を受け入れてくれて——ここ、擦りましょうか?」

 腰を回して感じるポイントをコツコツと突き上げた。

「ふぁっ?! あっ! あんっ! あ、あ!!」

 ああ、なんて可愛らしい声を聞かせてくれるんですか。中のしこりは誰もが快感に狂うポイントだが、ジュンヤ様の感じる姿は芸術品だ。何度も達した後で中に愛を注げば、美しさに磨きがかかり、自分から腰を振り求めてくれる。

「違うところがいいですか? もっと奥? ほしいところを教えてください」
「んんっ! あぅっ! なんか、今日、違うっ!」
「私がですか?」
「ちょっとだけ、いじわ、る、あぁっ!」

 意地悪だったか。きっと嫉妬のせいだ。

「嫌いになりますか?」
「なら、な、い。嬉しい」
「嬉しい、ですか?」

 意地悪なのに? 思わず動きを止めて固まった私に、ジュンヤ様がほほ笑みかけてくれた。

「妬いてくれてる……嬉しい。いっぱいしてほし、あっ! んあっ!」

 そんなことを言われたら、止められなくなる。
 可愛い、愛しい、大事にしたい。でも、あます事なく奪いたい。そんな激情に駆られて、激しく腰を打ち付ける。

 パン! パチュッ!! パン!! 

 玉から溢れた潤滑油が、私たちの繋がりからいやらしい水音を響かせる。ジュンヤ様のぺ○スは先走りでぬめり、上下に擦るのになんの差し障りもない。

「ん、両方、は、すぐ、イッちゃうっ!」
「イッてください。何度でもイクのを見せてください」
「ん、早すぎ、だからぁ」
「見たいんです。——ジュンヤ、私に抱かれてイク顔を、見せて」

 伴侶だから。
 二人きりだから。
 呼び捨てでいいと言ってくれたから——

「エルっ、ずる、い、んん~っ!!」

 ビュルッと白濁が飛び、中もヒクヒクと痙攣をして絶頂したことを知らせてくれる。そして、中に注いでほしいと波打っている。

「はっ、はぁ……やぁ~! 早く、ナカに出してぇ……エルビスのでいっぱになりたい~」
「くっ……ジュンヤ、可愛い! イキます!!」
「きてっ!」

 バチュン! バチュッ!! パン! パン! パン!!

「はっ、う、出します、よ」
「~~っ! あっ、ああぁ……イイ……熱いの、イイ……」

 恍惚とした表情で私の愛を奥深くで受けてくださった。私も射精した開放感に、うっとりと目を閉じた。だが、わ私の欲望は収まることを知らず、一度では足りないとばかりにまた芯を持ちはじめていた。

「もう一度、良いですか?」
「ん……いい……美味しいの、いっぱいちょうだい……」

 私の腰にジュンヤ様の足が絡み、もう一度とねだってくださる。だから、私は遠慮はしない。

 だって、この人は私のものだから——


ーーーー

 エルビス視点は終わりです。結構こじらせてるけど、やっぱりエルビスは優しいです。 だけど、強引に攻め込め! と作者は応援しましたよ!
 楽しんでいただければ幸いです。次はジュンヤ視点に戻ります。


 
 
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