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聖女と救世主
誰にも望まれないステージの上で 1
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興奮の最高潮にある観衆と、恍惚な夢に浸っているルナが繰り広げるやり取りは、既に理屈が成立するものではない。
それでもその熱気だけは確かに伝わってきており、その場に立つことを求めらているクルスの足元を冷やしていく。
今、熱狂する観衆が何かを叫ぶ。
それにクルスは、びくりと肩を震わせていた。
「クルス様・・・」
「クルス・・・」
そんな彼に、優しく手を差し伸べてくれる存在がいた。
それはルナの従者である二人、シンシアとクリスタルである。
二人は左右からその手を伸ばし、慰めるように優しくクルスの身体を撫でていた。
「シンシア、クリスタル・・・ありがとう。でも、それでも僕は・・・君達が期待するような人間じゃないんだ。だから、こんな事―――」
その手の優しさに震えを止めたクルスはそれでも、竦んだ足を動かすことは出来ない。
それでもその優しさは、彼に弱音を漏らすことを許していた。
「はぁ~~~!?誰があんたなんかに期待してるってぇ!!?馬っ鹿じゃないの!!何、救世主様なんて呼ばれて、調子に乗っちゃった?ぷぷぷー、情けなーい」
「駄目だよシンシア、そんなこと言っちゃ!!本当の事でも、言って良いことと悪いことってあるんだから!!」
吐いた弱音に、返って来たのは剥き出しの侮辱だった。
心底呆れ果てたような声を漏らし、こちらの顔を覗き込んできたシンシアは、その凶悪なギザギザの歯を剥き出しにすると、クルスを馬鹿にするようにコロコロと表情を入れ替えている。
そんなシンシアを制止するように声を上げたクリスタルも、その言動までは否定しようとはしていない。
見ればこの粗末な小屋に待機している他の信徒達も、二人の言動を止めるような動きを見せてはいなかった。
それを意味することは、一つだろう。
「・・・はははっ、何だ・・・そうか、そういう事か」
クルスは一人、自嘲の笑みを漏らす。
この教団に、自分の味方が誰もいないだという事実を悟って。
「何、こいつ?キモッ!」
「だ、駄目だよシンシア!?それは流石に失礼だよぉ」
考えてみれば彼らは皆、ルナ・ダークネスというカリスマを信仰していただけなのだ。
その彼女がクルスを慕い、救世主と呼んで崇め奉るから、それに従うポーズをしていただけ。
それを一皮剥けば、こうして邪魔者のように扱われる現実が現れてくる。
左右からステレオで響く侮辱を聞きながら、クルスはその現実を噛みしめていた。
「はぁ~?そんなこと言われたって、キモいもんはキモいんだから仕方ないじゃない!!・・・あら?」
「うー・・・それでも駄目なものは、駄目だよ!・・・あっ!」
今更そんな現実に気付き、フルフルと震えているクルスの姿は、二人からすれば気持ちの悪いものだろう。
そんなクルスの姿を巡って、二人は軽い取っ組み合いを始めてしまっている。
しかしそんな二人が、同時に同じ方向へと目を向ける瞬間が訪れる。
それは舞台から、誰かを呼ぶ声が響いて来たからであった。
「あぁ・・・無理だ、無理だよ・・・僕には、そんなこと出来る訳がないんだ」
それが誰を呼ぶ声なのかは、聞かずとも分かる。
しかしそれを聞いた観衆は熱狂するだろうか、それとも戸惑うだろうか。
それを聞きたくなかったのか、クルスは自らの耳を塞ぎ、頭を抱えてその場に蹲っていた。
「いいから・・・さっさと行きなさい、よ!!」
その場に蹲り、現実を否定しようとしていたクルスの背中に、現実の衝撃が叩く。
しっかりと溜めを作り、力を蓄えたシンシアの蹴りはクルスの背中を射抜き、その身体を無理やり緞帳の向こう側まで運んでいた。
「シンシア、良かったの?」
予想だにしない衝撃にバランスを崩したクルスは、それを保つために全力で駆けるような速度で舞台へと駆け上がっていく。
そんな彼の姿に、クリスタルはどこか不思議そうな表情を見せていた。
「はぁ?良いに決まってんでしょ!?あんな奴、さっさと化けの皮を剥がされればいいのよ!!そうすれば、ルナ様もきっと・・・目を覚ましてくださるわ」
「う、うん!そうだね。そうなると、いいな」
クルスを舞台へと押しやったシンシアは、その凶悪な口元を剥き出しにすると、彼の失敗を願っていた。
その言葉に頷いたクリスタルは、シンシアとは異なった静けさでその両手を組む。
そして二人は寄り添うに、祈りの姿を真似ては舞台へと視線を向ける。
そこでは今まさに、クルスの布教が始まろうとしていた。
熱狂を一身に集める舞台の上は、熱気が渦巻いている。
そしてそこに飛び込んだクルスを受け止めたのは、その熱狂の中心にあるものであった。
「あぁ・・・救世主様。ご覧くださいませ、この者達の姿を。全て、貴方様を待ち望んでのものでございます」
クルスを受け止めた両手は優しく、熱い。
その燃えるような熱さに比例して、クルスの身体は急激に冷えていく。
それは彼女の導かれるままに、その腕の先へと視線をやれば尚更だろう。
熱狂する観衆はしかし、得体の知れない存在であるクルスの登場に戸惑いが広がりつつあった。
「さぁ、救世主様。後は、貴方様次第でございます」
ルナはそんな状況など目に入っていないかのように、クルスへと語りかける。
いや、事実彼女にはその状況など目に入っていないのだろう。
恍惚に濡れる瞳で、ルナはクルスだけを見詰めている。
その瞳には、それ以外の何者も映ってはいなかった。
「ルナ、待って・・・!僕には・・・出来、ない・・・よ」
天上の美を身に纏うルナの熱情は、クルスの意識を魅了して縛り付ける。
その一瞬の空白に、彼女は素早く舞台からはけていくと、緞帳の向こう側へと姿を消していた。
クルスが彼女を止めようとその手を伸ばしても、そこにはもうその姿はない。
舞台の上で一人、クルスは熱狂と戸惑いの観衆の前に取り残されていた。
「何だ、あいつ?おい、ルナ様はどうしたー!?ルナ様を出せー!!」
「そうだそうだ!!ルナ様を出せよ、ルナ様を!!」
得体の知れない存在が登場しても、そこに望まれたスターがいるのならば文句はない。
しかしそれが去った後に一人立ち尽くす、得体の知れない存在を一体誰が許すだろうか。
怒り狂う観衆は、容赦なくその怒りを残されたクルスへとぶつけ始める。
その声は高まるばかりで、とてもではないが収まりそうはなかった。
「あ・・・あの、皆さん・・・僕は、その・・・」
叩きつけるような罵声を浴びて、びくりと身体を震わせたクルスは、一歩前へと進み出る。
それが勇気を振り絞った全身なのか、竦んだ足がふらついただけなのかは分からない。
それでも進んだ一歩に、クルスが何とか振り絞ろうとした声はしかし、震えるばかりでうまく言葉にもなってくれない。
「あぁ?聞こえねぇんだよ、はっきり喋れや!!」
「誰もお前の話なんて興味ねーんだよ!!さっさとルナ様を出しやがれ!!」
クルスのはっきりとしない態度は、観衆の怒りに余計に油を注ぐだけ。
高まる観衆の怒りは、やがて彼らに直接的な行動へと走らせていた。
「ち、違うんです!僕は・・・がっ!?」
投げつけられた瓶の中には、琥珀色の液体が満たされている。
それはクルスのこめかみの辺りを強打して、舞台へと落ちて粉々になった。
辺りには強烈なアルコールの匂いが漂い、舞台を照らすための照明へと燃え移ったそれは、炎を巻き起こしている。
「あぁ・・・目に。何だ、これ?血?血、なのか・・・何で血、何かが・・・あぁ、あぁぁぁ、あぁぁぁぁっ―――!?」
怒り狂う観衆、巻き上がる炎の熱、こめかみに奔った痛みがいつかの記憶を呼び起こす。
大勢の、数得きれないほどの信徒達。
彼らが熱狂のままに叫ぶたびに、頭の痛みが増していった。
痛みの根源へと、そっと手をやる。
目の前には、病的なほどに痩せこけた少女が跪いていた。
彼らが何を求めているのか、それは分かっていた。
だから僕は、この手を握った短刀で手の平を切り裂く。
この世の全てが真っ赤に染まって、やがて静かになる。
ほうら、もう一度騒ぎ出すぞ。
そうしたら今度は、それが世界を塗りつぶすんだ。
歓喜の声が聞こえた。
やがて、それも聞こえなくなる。
「このままでは、クルス様が!!ボク、行って消火してきます!!」
幾ら信奉していない相手といっても、目の前で焼き死んでしまう事を看過することは出来ない。
クリスタルは慌てて、クルスを助け出そうと駆け出そうとしている。
「待ちなさい、クリスタル」
「ルナ様!?で、でも・・・!」
しかしそれを、ルナが押し留めていた。
クリスタルはそんな彼女の振る舞いが信じられないと、見上げていた。
そこには、歓喜に濡れるルナの姿が映っていた。
「あれでいいのです。あぁ、救世主様・・・お見せください、貴方様のその力を!」
ルナの瞳にはもはや、彼の姿しか映っていない。
いや、そこにはもはや彼の姿すら映っていないのかもしれない。
抑えきれない喜びに、自らの身体を強く抱きしめるルナは、その視線の先に眩いばかりの輝きを見ていた。
それでもその熱気だけは確かに伝わってきており、その場に立つことを求めらているクルスの足元を冷やしていく。
今、熱狂する観衆が何かを叫ぶ。
それにクルスは、びくりと肩を震わせていた。
「クルス様・・・」
「クルス・・・」
そんな彼に、優しく手を差し伸べてくれる存在がいた。
それはルナの従者である二人、シンシアとクリスタルである。
二人は左右からその手を伸ばし、慰めるように優しくクルスの身体を撫でていた。
「シンシア、クリスタル・・・ありがとう。でも、それでも僕は・・・君達が期待するような人間じゃないんだ。だから、こんな事―――」
その手の優しさに震えを止めたクルスはそれでも、竦んだ足を動かすことは出来ない。
それでもその優しさは、彼に弱音を漏らすことを許していた。
「はぁ~~~!?誰があんたなんかに期待してるってぇ!!?馬っ鹿じゃないの!!何、救世主様なんて呼ばれて、調子に乗っちゃった?ぷぷぷー、情けなーい」
「駄目だよシンシア、そんなこと言っちゃ!!本当の事でも、言って良いことと悪いことってあるんだから!!」
吐いた弱音に、返って来たのは剥き出しの侮辱だった。
心底呆れ果てたような声を漏らし、こちらの顔を覗き込んできたシンシアは、その凶悪なギザギザの歯を剥き出しにすると、クルスを馬鹿にするようにコロコロと表情を入れ替えている。
そんなシンシアを制止するように声を上げたクリスタルも、その言動までは否定しようとはしていない。
見ればこの粗末な小屋に待機している他の信徒達も、二人の言動を止めるような動きを見せてはいなかった。
それを意味することは、一つだろう。
「・・・はははっ、何だ・・・そうか、そういう事か」
クルスは一人、自嘲の笑みを漏らす。
この教団に、自分の味方が誰もいないだという事実を悟って。
「何、こいつ?キモッ!」
「だ、駄目だよシンシア!?それは流石に失礼だよぉ」
考えてみれば彼らは皆、ルナ・ダークネスというカリスマを信仰していただけなのだ。
その彼女がクルスを慕い、救世主と呼んで崇め奉るから、それに従うポーズをしていただけ。
それを一皮剥けば、こうして邪魔者のように扱われる現実が現れてくる。
左右からステレオで響く侮辱を聞きながら、クルスはその現実を噛みしめていた。
「はぁ~?そんなこと言われたって、キモいもんはキモいんだから仕方ないじゃない!!・・・あら?」
「うー・・・それでも駄目なものは、駄目だよ!・・・あっ!」
今更そんな現実に気付き、フルフルと震えているクルスの姿は、二人からすれば気持ちの悪いものだろう。
そんなクルスの姿を巡って、二人は軽い取っ組み合いを始めてしまっている。
しかしそんな二人が、同時に同じ方向へと目を向ける瞬間が訪れる。
それは舞台から、誰かを呼ぶ声が響いて来たからであった。
「あぁ・・・無理だ、無理だよ・・・僕には、そんなこと出来る訳がないんだ」
それが誰を呼ぶ声なのかは、聞かずとも分かる。
しかしそれを聞いた観衆は熱狂するだろうか、それとも戸惑うだろうか。
それを聞きたくなかったのか、クルスは自らの耳を塞ぎ、頭を抱えてその場に蹲っていた。
「いいから・・・さっさと行きなさい、よ!!」
その場に蹲り、現実を否定しようとしていたクルスの背中に、現実の衝撃が叩く。
しっかりと溜めを作り、力を蓄えたシンシアの蹴りはクルスの背中を射抜き、その身体を無理やり緞帳の向こう側まで運んでいた。
「シンシア、良かったの?」
予想だにしない衝撃にバランスを崩したクルスは、それを保つために全力で駆けるような速度で舞台へと駆け上がっていく。
そんな彼の姿に、クリスタルはどこか不思議そうな表情を見せていた。
「はぁ?良いに決まってんでしょ!?あんな奴、さっさと化けの皮を剥がされればいいのよ!!そうすれば、ルナ様もきっと・・・目を覚ましてくださるわ」
「う、うん!そうだね。そうなると、いいな」
クルスを舞台へと押しやったシンシアは、その凶悪な口元を剥き出しにすると、彼の失敗を願っていた。
その言葉に頷いたクリスタルは、シンシアとは異なった静けさでその両手を組む。
そして二人は寄り添うに、祈りの姿を真似ては舞台へと視線を向ける。
そこでは今まさに、クルスの布教が始まろうとしていた。
熱狂を一身に集める舞台の上は、熱気が渦巻いている。
そしてそこに飛び込んだクルスを受け止めたのは、その熱狂の中心にあるものであった。
「あぁ・・・救世主様。ご覧くださいませ、この者達の姿を。全て、貴方様を待ち望んでのものでございます」
クルスを受け止めた両手は優しく、熱い。
その燃えるような熱さに比例して、クルスの身体は急激に冷えていく。
それは彼女の導かれるままに、その腕の先へと視線をやれば尚更だろう。
熱狂する観衆はしかし、得体の知れない存在であるクルスの登場に戸惑いが広がりつつあった。
「さぁ、救世主様。後は、貴方様次第でございます」
ルナはそんな状況など目に入っていないかのように、クルスへと語りかける。
いや、事実彼女にはその状況など目に入っていないのだろう。
恍惚に濡れる瞳で、ルナはクルスだけを見詰めている。
その瞳には、それ以外の何者も映ってはいなかった。
「ルナ、待って・・・!僕には・・・出来、ない・・・よ」
天上の美を身に纏うルナの熱情は、クルスの意識を魅了して縛り付ける。
その一瞬の空白に、彼女は素早く舞台からはけていくと、緞帳の向こう側へと姿を消していた。
クルスが彼女を止めようとその手を伸ばしても、そこにはもうその姿はない。
舞台の上で一人、クルスは熱狂と戸惑いの観衆の前に取り残されていた。
「何だ、あいつ?おい、ルナ様はどうしたー!?ルナ様を出せー!!」
「そうだそうだ!!ルナ様を出せよ、ルナ様を!!」
得体の知れない存在が登場しても、そこに望まれたスターがいるのならば文句はない。
しかしそれが去った後に一人立ち尽くす、得体の知れない存在を一体誰が許すだろうか。
怒り狂う観衆は、容赦なくその怒りを残されたクルスへとぶつけ始める。
その声は高まるばかりで、とてもではないが収まりそうはなかった。
「あ・・・あの、皆さん・・・僕は、その・・・」
叩きつけるような罵声を浴びて、びくりと身体を震わせたクルスは、一歩前へと進み出る。
それが勇気を振り絞った全身なのか、竦んだ足がふらついただけなのかは分からない。
それでも進んだ一歩に、クルスが何とか振り絞ろうとした声はしかし、震えるばかりでうまく言葉にもなってくれない。
「あぁ?聞こえねぇんだよ、はっきり喋れや!!」
「誰もお前の話なんて興味ねーんだよ!!さっさとルナ様を出しやがれ!!」
クルスのはっきりとしない態度は、観衆の怒りに余計に油を注ぐだけ。
高まる観衆の怒りは、やがて彼らに直接的な行動へと走らせていた。
「ち、違うんです!僕は・・・がっ!?」
投げつけられた瓶の中には、琥珀色の液体が満たされている。
それはクルスのこめかみの辺りを強打して、舞台へと落ちて粉々になった。
辺りには強烈なアルコールの匂いが漂い、舞台を照らすための照明へと燃え移ったそれは、炎を巻き起こしている。
「あぁ・・・目に。何だ、これ?血?血、なのか・・・何で血、何かが・・・あぁ、あぁぁぁ、あぁぁぁぁっ―――!?」
怒り狂う観衆、巻き上がる炎の熱、こめかみに奔った痛みがいつかの記憶を呼び起こす。
大勢の、数得きれないほどの信徒達。
彼らが熱狂のままに叫ぶたびに、頭の痛みが増していった。
痛みの根源へと、そっと手をやる。
目の前には、病的なほどに痩せこけた少女が跪いていた。
彼らが何を求めているのか、それは分かっていた。
だから僕は、この手を握った短刀で手の平を切り裂く。
この世の全てが真っ赤に染まって、やがて静かになる。
ほうら、もう一度騒ぎ出すぞ。
そうしたら今度は、それが世界を塗りつぶすんだ。
歓喜の声が聞こえた。
やがて、それも聞こえなくなる。
「このままでは、クルス様が!!ボク、行って消火してきます!!」
幾ら信奉していない相手といっても、目の前で焼き死んでしまう事を看過することは出来ない。
クリスタルは慌てて、クルスを助け出そうと駆け出そうとしている。
「待ちなさい、クリスタル」
「ルナ様!?で、でも・・・!」
しかしそれを、ルナが押し留めていた。
クリスタルはそんな彼女の振る舞いが信じられないと、見上げていた。
そこには、歓喜に濡れるルナの姿が映っていた。
「あれでいいのです。あぁ、救世主様・・・お見せください、貴方様のその力を!」
ルナの瞳にはもはや、彼の姿しか映っていない。
いや、そこにはもはや彼の姿すら映っていないのかもしれない。
抑えきれない喜びに、自らの身体を強く抱きしめるルナは、その視線の先に眩いばかりの輝きを見ていた。
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