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変わる世界
衝撃の事実
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「はぇ~・・・俺が引きこもってる間に、世界がそんな事になってたなんてなぁ」
ブレンダから一通りこの世界の現状について説明を受けたアランは、その急激な変化に呆けたような感想を漏らしている。
「そうよ!大変なんだから!!私たちは偶々、メイヴィス様の像がこの毒を防ぐ力を持ってたから助かったけど・・・」
ようやくこの世界の現状を知り、それに対して呆けたような表情を見せるアランに、ブレンダはどこか自分達を誇るように声を強くしている。
毒が蔓延した世界で彼女がこうして暮らしていけているのは、どうやらこの村の中心に存在する女神像の力らしい。
彼女達はそれが放棄してあった廃村に集まり、それを中心とした村を作って、何とかこの世界を生き抜いているらしかった。
「でもこれで分かったでしょ!この世界には今、危険な毒が蔓延してるの!!だからあんたみたいのがいるのは、おかしいって言ってるのよ!!」
この世界には、毒が蔓延している。
それが今の常識であった。
事実ある日急激に広がったそれは、瞬く間に世界を覆いつくし日常を一変させてしまった。
今の世界の状況では、何の装備もなしに外に出ようものならば、ものの数分もしないうちに命を落とすだろう。
そんな世界だからこそ、何の装備もなしにのほほんとこの村を訪れたアランの存在は異端であり、ブレンダが警戒し隔離しようとするのも無理はない話であった。
「いや、でも・・・俺のギフト『毒無効』だし」
アランへと指を突き付け、その存在は有り得ないと宣言するブレンダに対し、彼はどこか困ったようにぼそりとその理由を話している。
それは彼のギフト、「毒無効」。
毒が蔓延したこの世界で、唯一それを気にせずに生きていける特別な能力であった。
「・・・はぁ?『毒無効』って、そんな都合のいいギフトが存在するわけ・・・」
突如、世界を覆った毒という絶望に、対抗出来る能力を持った男が現れる。
そんな都合のいい話に、ブレンダは信じられないとはなから否定してしまっている。
しかしそんな彼女の態度にも、アランはまるでそれが嘘ではないと言いたげな、至って真面目な顔を保ったままであった。
「え、嘘でしょ?マジなの?」
「うん。マジマジ」
アランの変わらない表情に、ブレンダもいつかそれが嘘ではないのか思い始めている。
やがて絞り出すようにしてそれを尋ねた彼女に対して、アランは軽い調子でそれを肯定していた。
「・・・え、本当に?いやいや、そんな都合のいい話が・・・マジで?」
「うん」
アランの、さも当たり前だとでも言いたげな軽い態度にも、ブレンダは中々それを信じられずにいる。
何度もそれを否定しては首を横に振っている彼女は、冗談だと打ち明けてほしいかのように繰り返しアランに尋ねている。
しかしアランはそれに、ただただ軽く頷くばかり。
「・・・・・・嘘でしょー!!!?」
余りに軽すぎるアランの態度に、それを否定しきれなくなったブレンダが叫んだ声は大きい。
それはどうやら、先ほどの記録を早速塗り替えてしまったようだった。
ブレンダから一通りこの世界の現状について説明を受けたアランは、その急激な変化に呆けたような感想を漏らしている。
「そうよ!大変なんだから!!私たちは偶々、メイヴィス様の像がこの毒を防ぐ力を持ってたから助かったけど・・・」
ようやくこの世界の現状を知り、それに対して呆けたような表情を見せるアランに、ブレンダはどこか自分達を誇るように声を強くしている。
毒が蔓延した世界で彼女がこうして暮らしていけているのは、どうやらこの村の中心に存在する女神像の力らしい。
彼女達はそれが放棄してあった廃村に集まり、それを中心とした村を作って、何とかこの世界を生き抜いているらしかった。
「でもこれで分かったでしょ!この世界には今、危険な毒が蔓延してるの!!だからあんたみたいのがいるのは、おかしいって言ってるのよ!!」
この世界には、毒が蔓延している。
それが今の常識であった。
事実ある日急激に広がったそれは、瞬く間に世界を覆いつくし日常を一変させてしまった。
今の世界の状況では、何の装備もなしに外に出ようものならば、ものの数分もしないうちに命を落とすだろう。
そんな世界だからこそ、何の装備もなしにのほほんとこの村を訪れたアランの存在は異端であり、ブレンダが警戒し隔離しようとするのも無理はない話であった。
「いや、でも・・・俺のギフト『毒無効』だし」
アランへと指を突き付け、その存在は有り得ないと宣言するブレンダに対し、彼はどこか困ったようにぼそりとその理由を話している。
それは彼のギフト、「毒無効」。
毒が蔓延したこの世界で、唯一それを気にせずに生きていける特別な能力であった。
「・・・はぁ?『毒無効』って、そんな都合のいいギフトが存在するわけ・・・」
突如、世界を覆った毒という絶望に、対抗出来る能力を持った男が現れる。
そんな都合のいい話に、ブレンダは信じられないとはなから否定してしまっている。
しかしそんな彼女の態度にも、アランはまるでそれが嘘ではないと言いたげな、至って真面目な顔を保ったままであった。
「え、嘘でしょ?マジなの?」
「うん。マジマジ」
アランの変わらない表情に、ブレンダもいつかそれが嘘ではないのか思い始めている。
やがて絞り出すようにしてそれを尋ねた彼女に対して、アランは軽い調子でそれを肯定していた。
「・・・え、本当に?いやいや、そんな都合のいい話が・・・マジで?」
「うん」
アランの、さも当たり前だとでも言いたげな軽い態度にも、ブレンダは中々それを信じられずにいる。
何度もそれを否定しては首を横に振っている彼女は、冗談だと打ち明けてほしいかのように繰り返しアランに尋ねている。
しかしアランはそれに、ただただ軽く頷くばかり。
「・・・・・・嘘でしょー!!!?」
余りに軽すぎるアランの態度に、それを否定しきれなくなったブレンダが叫んだ声は大きい。
それはどうやら、先ほどの記録を早速塗り替えてしまったようだった。
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