80 / 210
第一章 最果ての街キッパゲルラ
アレキサンドライトの輝き
しおりを挟む
最果ての街キッパゲルラ、その暗い路地裏の奥には、そこで暮らす住民達が使うための洗濯紐が至る所に張り巡らされていた。
その洗濯物、袋小路へと吹き込む風がバサバサと揺らす。
そこにはもう一つ、激しく揺れるボロボロな布地が存在した。
「・・・今度は俺が助ける番、だよな」
袋小路の上空、張り巡らされた洗濯紐の一つが、異常な重さにしなっている。
それは、そこに干された洗濯物の重さではない。
その上に佇む、ボロボロなシーツを身に纏った一人の少女の重さによるものであった。
「さぁ・・・一緒に行こう、サンドラ」
「ちゅ!」
少女は全身を覆っていたシーツを脱ぎ捨てる。
吹き荒れる風に呑まれ、シーツは彼方へと消えた。
その下から現れたのは灰色の髪と左右で違う色をした瞳を持った少女、そして青い毛皮の小動物であった。
一人と一匹は洗濯紐の上から身を傾かせ、落下していく。
「っ!?何だこれは!?」
少女が脱ぎ捨てたシーツが風に運ばれ、マルコムへと纏わりつく。
彼はそのために、レジーへと振るっていた必殺の刃を鈍らせていた。
「一体、どこから・・・?と、とにかく、今の内に!」
突然、どこかから現れたそのシーツに命を救われたレジーは、その出所に首を捻っている。
しかし彼女はすぐにそれどころではないと思い直すと、慌ててその場から退避しようとしていた。
「このぐらいで・・・逃げられると思うなよ!!」
マルコムは身体に絡みつくシーツを切り裂くと、レジーの背後に再び迫る。
その必殺の刃は、今度こそレジーの身体を捉えようとしていた。
「もらっ、ぐあああぁぁぁぁ!!?」
迫る刃に振り返り、絶望の表情を浮かべるレジーに、マルコムは勝ち誇りそう口走る。
しかしその横っ面を、何かが思いっきり蹴りつけていた。
「へへっ、何とか間に合ったかな?」
マルコムの顔を蹴りつけた少女は、それを踏み台にして近くの地面へと着地する。
「な、舐めるなぁぁぁ!!」
「っ!しまった!?」
しかしそんな少女を、彼女に顔面を蹴りつけられたマルコムが狙う。
レジーの方へと心配そうな視線を向ける少女は、それに気付くのが遅れていた。
「ちゅー!!」
「っ!?何だこいつは!ぐわああぁぁぁ!!?」
今度はそこに、サンドラと呼ばれた青い小動物が割り込んでくる。
マルコムの顔へと飛び掛かったサンドラは、彼の顔面を思いっきり引っ掻くと、そのままアレクの下へと飛び去っていく。
「お、お前は・・・」
「あ、貴方は・・・」
サンドラはアレクの方へと飛び乗ると、彼女の頬をペロペロと舐めている。
そんな彼女の姿にレジー、そしてオーソンが目を丸くしていた。
「あの時のガキ!?」
「アレク!!」
二人は同時に、それぞれの呼び方で少女の名を呼ぶ。
「「えっ!?」」
そして同時に、彼らはお互いの顔を見合わせていた。
「オーソン、何で貴方がアレクの事を・・・はっ、貴方まさかっ!?」
「はぁ!?俺はただ、あのガキが俺の宝石を・・・って、お前女だったのか!?」
何故かアレクの事を知っていたオーソンに、レジーは彼に怪しむ視線を向ける。
それに不満そうな表情で腕を組んだオーソンは、今の見違えるように綺麗になったアレクの姿に、彼女が女の子である事にようやく気づき、驚愕に表情を浮かべていた。
「そんなの見れば分かるでしょう!?まぁいいわ・・・そんな事より、アレク。助けてくれてありがとう」
オーソンの反応に馬鹿なんじゃないのと切り捨てたレジーは、アレクへと向き直ると彼女に優しく声を掛ける。
「っ!べ、別に!助けに来た訳じゃないから!!偶々通りかかっただけだし!!」
アレクはそんなレジーから慌てて距離を取ると物陰に隠れ、顔を真っ赤に染めながら、そう口にしていた。
彼女はそう口にすると完全に物陰に隠れてしまっていたが、何度もチラチラと顔を出しては、レジー達の様子を窺ってくるのだった。
「ふふっ・・・元気そうで、安心した」
そんな彼女の様子に、レジーは笑みを漏らす。
アレクはそんなレジーの姿に、唇を尖らせながら物陰へと噛り付いていた。
「はぁ、何が何だか分からねぇが良かったな・・・っ!おい、レジー!後ろっ!!」
「えっ?」
事情をよく呑み込めていないながらも、二人の様子に良かった良かったと頷いているオーソンは、突然慌てたように声を上げる。
それは、レジーの背後へと危険が迫っていたからだった。
「・・・だから、隙だらけなんだよお前達は!!」
その声に驚き振り返るレジーの視線の先には、頬に痣を作り顔面を引っかき傷だらけにしたマルコムの姿があった。
「危ない、レジー!!」
剣を手にレジーへと迫るマルコムにアレクも声を上げるが、物陰に隠れている彼女では到底間に合わない。
それはここにいる、他の者達も同様であった。
「今度こそ、もらっ・・・うおおおぉぉぉ!!?」
今度こそはと勝ち誇るマルコムの目の前を、何か眩い光が通り過ぎる。
それは彼が手にしていた剣の刃を焼き切り、地面にも深い傷跡を残していく。
「これで、分かったか!レジーに手を出したら、俺が容赦しないからな!」
それは、アレクが放った攻撃であった。
彼女のその赤と青緑色の瞳から放たれた、ビームという。
「おいおい・・・そんなのありかよ?」
「は、ははは・・・す、凄いじゃないアレク」
アレクの信じられない力に、オーソンとレジーは引き攣った笑みを浮かべている。
「わー・・・凄い凄い!ビームだ、ビーム!」
「どうやったの、どうやったの!?ねーもっかいやって見せて、ねーってばー!!」
大人の二人が信じられないとドン引きするアレクの力はしかし、ネロとプティの二人からすれば瞳を輝かせる不思議であった。
彼女達は口々に歓声を上げると、はしゃぎながらアレクの下へと駆け寄っていく。
そんな二人の姿に、アレクは迷惑そうにしながらもどこか満更でもなさそうだった。
「・・・旗色が悪いな」
剣先を失った得物を放り捨てながら、マルコムはそう呟く。
「結局、こちらが陽動になったか・・・そう長くは持たないぞ?」
マルコムはアレクという強力な味方を得てはしゃいでいるオーソン達の姿を眺めながら、溜め息を漏らす。
彼は、彼方へと視線を向けながら呟く。
その視線はこの街の領主の館、「放蕩者の家」がある方向へと向いていた。
その洗濯物、袋小路へと吹き込む風がバサバサと揺らす。
そこにはもう一つ、激しく揺れるボロボロな布地が存在した。
「・・・今度は俺が助ける番、だよな」
袋小路の上空、張り巡らされた洗濯紐の一つが、異常な重さにしなっている。
それは、そこに干された洗濯物の重さではない。
その上に佇む、ボロボロなシーツを身に纏った一人の少女の重さによるものであった。
「さぁ・・・一緒に行こう、サンドラ」
「ちゅ!」
少女は全身を覆っていたシーツを脱ぎ捨てる。
吹き荒れる風に呑まれ、シーツは彼方へと消えた。
その下から現れたのは灰色の髪と左右で違う色をした瞳を持った少女、そして青い毛皮の小動物であった。
一人と一匹は洗濯紐の上から身を傾かせ、落下していく。
「っ!?何だこれは!?」
少女が脱ぎ捨てたシーツが風に運ばれ、マルコムへと纏わりつく。
彼はそのために、レジーへと振るっていた必殺の刃を鈍らせていた。
「一体、どこから・・・?と、とにかく、今の内に!」
突然、どこかから現れたそのシーツに命を救われたレジーは、その出所に首を捻っている。
しかし彼女はすぐにそれどころではないと思い直すと、慌ててその場から退避しようとしていた。
「このぐらいで・・・逃げられると思うなよ!!」
マルコムは身体に絡みつくシーツを切り裂くと、レジーの背後に再び迫る。
その必殺の刃は、今度こそレジーの身体を捉えようとしていた。
「もらっ、ぐあああぁぁぁぁ!!?」
迫る刃に振り返り、絶望の表情を浮かべるレジーに、マルコムは勝ち誇りそう口走る。
しかしその横っ面を、何かが思いっきり蹴りつけていた。
「へへっ、何とか間に合ったかな?」
マルコムの顔を蹴りつけた少女は、それを踏み台にして近くの地面へと着地する。
「な、舐めるなぁぁぁ!!」
「っ!しまった!?」
しかしそんな少女を、彼女に顔面を蹴りつけられたマルコムが狙う。
レジーの方へと心配そうな視線を向ける少女は、それに気付くのが遅れていた。
「ちゅー!!」
「っ!?何だこいつは!ぐわああぁぁぁ!!?」
今度はそこに、サンドラと呼ばれた青い小動物が割り込んでくる。
マルコムの顔へと飛び掛かったサンドラは、彼の顔面を思いっきり引っ掻くと、そのままアレクの下へと飛び去っていく。
「お、お前は・・・」
「あ、貴方は・・・」
サンドラはアレクの方へと飛び乗ると、彼女の頬をペロペロと舐めている。
そんな彼女の姿にレジー、そしてオーソンが目を丸くしていた。
「あの時のガキ!?」
「アレク!!」
二人は同時に、それぞれの呼び方で少女の名を呼ぶ。
「「えっ!?」」
そして同時に、彼らはお互いの顔を見合わせていた。
「オーソン、何で貴方がアレクの事を・・・はっ、貴方まさかっ!?」
「はぁ!?俺はただ、あのガキが俺の宝石を・・・って、お前女だったのか!?」
何故かアレクの事を知っていたオーソンに、レジーは彼に怪しむ視線を向ける。
それに不満そうな表情で腕を組んだオーソンは、今の見違えるように綺麗になったアレクの姿に、彼女が女の子である事にようやく気づき、驚愕に表情を浮かべていた。
「そんなの見れば分かるでしょう!?まぁいいわ・・・そんな事より、アレク。助けてくれてありがとう」
オーソンの反応に馬鹿なんじゃないのと切り捨てたレジーは、アレクへと向き直ると彼女に優しく声を掛ける。
「っ!べ、別に!助けに来た訳じゃないから!!偶々通りかかっただけだし!!」
アレクはそんなレジーから慌てて距離を取ると物陰に隠れ、顔を真っ赤に染めながら、そう口にしていた。
彼女はそう口にすると完全に物陰に隠れてしまっていたが、何度もチラチラと顔を出しては、レジー達の様子を窺ってくるのだった。
「ふふっ・・・元気そうで、安心した」
そんな彼女の様子に、レジーは笑みを漏らす。
アレクはそんなレジーの姿に、唇を尖らせながら物陰へと噛り付いていた。
「はぁ、何が何だか分からねぇが良かったな・・・っ!おい、レジー!後ろっ!!」
「えっ?」
事情をよく呑み込めていないながらも、二人の様子に良かった良かったと頷いているオーソンは、突然慌てたように声を上げる。
それは、レジーの背後へと危険が迫っていたからだった。
「・・・だから、隙だらけなんだよお前達は!!」
その声に驚き振り返るレジーの視線の先には、頬に痣を作り顔面を引っかき傷だらけにしたマルコムの姿があった。
「危ない、レジー!!」
剣を手にレジーへと迫るマルコムにアレクも声を上げるが、物陰に隠れている彼女では到底間に合わない。
それはここにいる、他の者達も同様であった。
「今度こそ、もらっ・・・うおおおぉぉぉ!!?」
今度こそはと勝ち誇るマルコムの目の前を、何か眩い光が通り過ぎる。
それは彼が手にしていた剣の刃を焼き切り、地面にも深い傷跡を残していく。
「これで、分かったか!レジーに手を出したら、俺が容赦しないからな!」
それは、アレクが放った攻撃であった。
彼女のその赤と青緑色の瞳から放たれた、ビームという。
「おいおい・・・そんなのありかよ?」
「は、ははは・・・す、凄いじゃないアレク」
アレクの信じられない力に、オーソンとレジーは引き攣った笑みを浮かべている。
「わー・・・凄い凄い!ビームだ、ビーム!」
「どうやったの、どうやったの!?ねーもっかいやって見せて、ねーってばー!!」
大人の二人が信じられないとドン引きするアレクの力はしかし、ネロとプティの二人からすれば瞳を輝かせる不思議であった。
彼女達は口々に歓声を上げると、はしゃぎながらアレクの下へと駆け寄っていく。
そんな二人の姿に、アレクは迷惑そうにしながらもどこか満更でもなさそうだった。
「・・・旗色が悪いな」
剣先を失った得物を放り捨てながら、マルコムはそう呟く。
「結局、こちらが陽動になったか・・・そう長くは持たないぞ?」
マルコムはアレクという強力な味方を得てはしゃいでいるオーソン達の姿を眺めながら、溜め息を漏らす。
彼は、彼方へと視線を向けながら呟く。
その視線はこの街の領主の館、「放蕩者の家」がある方向へと向いていた。
9
あなたにおすすめの小説
「お前は用済みだ」役立たずの【地図製作者】と追放されたので、覚醒したチートスキルで最高の仲間と伝説のパーティーを結成することにした
黒崎隼人
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――役立たずの【地図製作者(マッパー)】として所属パーティーから無一文で追放された青年、レイン。死を覚悟した未開の地で、彼のスキルは【絶対領域把握(ワールド・マッピング)】へと覚醒する。
地形、魔物、隠された宝、そのすべてを瞬時に地図化し好きな場所へ転移する。それは世界そのものを掌に収めるに等しいチートスキルだった。
魔力制御が苦手な銀髪のエルフ美少女、誇りを失った獣人の凄腕鍛冶師。才能を活かせずにいた仲間たちと出会った時、レインの地図は彼らの未来を照らし出す最強のコンパスとなる。
これは、役立たずと罵られた一人の青年が最高の仲間と共に自らの居場所を見つけ、やがて伝説へと成り上がっていく冒険譚。
「さて、どこへ行こうか。俺たちの地図は、まだ真っ白だ」
【短編】花婿殿に姻族でサプライズしようと隠れていたら「愛することはない」って聞いたんだが。可愛い妹はあげません!
月野槐樹
ファンタジー
妹の結婚式前にサプライズをしようと姻族みんなで隠れていたら、
花婿殿が、「君を愛することはない!」と宣言してしまった。
姻族全員大騒ぎとなった
私はもう必要ないらしいので、国を護る秘術を解くことにした〜気づいた頃には、もう遅いですよ?〜
AK
ファンタジー
ランドロール公爵家は、数百年前に王国を大地震の脅威から護った『要の巫女』の子孫として王国に名を残している。
そして15歳になったリシア・ランドロールも一族の慣しに従って『要の巫女』の座を受け継ぐこととなる。
さらに王太子がリシアを婚約者に選んだことで二人は婚約を結ぶことが決定した。
しかし本物の巫女としての力を持っていたのは初代のみで、それ以降はただ形式上の祈りを捧げる名ばかりの巫女ばかりであった。
それ故に時代とともにランドロール公爵家を敬う者は減っていき、遂に王太子アストラはリシアとの婚約破棄を宣言すると共にランドロール家の爵位を剥奪する事を決定してしまう。
だが彼らは知らなかった。リシアこそが初代『要の巫女』の生まれ変わりであり、これから王国で発生する大地震を予兆し鎮めていたと言う事実を。
そして「もう私は必要ないんですよね?」と、そっと術を解き、リシアは国を後にする決意をするのだった。
※小説家になろう・カクヨムにも同タイトルで投稿しています。
地味な薬草師だった俺が、実は村の生命線でした
有賀冬馬
ファンタジー
恋人に裏切られ、村を追い出された青年エド。彼の地味な仕事は誰にも評価されず、ただの「役立たず」として切り捨てられた。だが、それは間違いだった。旅の魔術師エリーゼと出会った彼は、自分の能力が秘めていた真の価値を知る。魔術と薬草を組み合わせた彼の秘薬は、やがて王国を救うほどの力となり、エドは英雄として名を馳せていく。そして、彼が去った村は、彼がいた頃には気づかなかった「地味な薬」の恩恵を失い、静かに破滅へと向かっていくのだった。
婚約者を奪った妹と縁を切ったので、家から離れ“辺境領”を継ぎました。 すると勇者一行までついてきたので、領地が最強になったようです
藤原遊
ファンタジー
婚約発表の場で、妹に婚約者を奪われた。
家族にも教会にも見放され、聖女である私・エリシアは “不要” と切り捨てられる。
その“褒賞”として押しつけられたのは――
魔物と瘴気に覆われた、滅びかけの辺境領だった。
けれど私は、絶望しなかった。
むしろ、生まれて初めて「自由」になれたのだ。
そして、予想外の出来事が起きる。
――かつて共に魔王を倒した“勇者一行”が、次々と押しかけてきた。
「君をひとりで行かせるわけがない」
そう言って微笑む勇者レオン。
村を守るため剣を抜く騎士。
魔導具を抱えて駆けつける天才魔法使い。
物陰から見守る斥候は、相変わらず不器用で優しい。
彼らと力を合わせ、私は土地を浄化し、村を癒し、辺境の地に息を吹き返す。
気づけば、魔物巣窟は制圧され、泉は澄み渡り、鉱山もダンジョンも豊かに開き――
いつの間にか領地は、“どの国よりも最強の地”になっていた。
もう、誰にも振り回されない。
ここが私の新しい居場所。
そして、隣には――かつての仲間たちがいる。
捨てられた聖女が、仲間と共に辺境を立て直す。
これは、そんな私の第二の人生の物語。
『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる
仙道
ファンタジー
気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。 この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。 俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。 オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。 腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。 俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。 こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。
12/23 HOT男性向け1位
追放された私の代わりに入った女、三日で国を滅ぼしたらしいですよ?
タマ マコト
ファンタジー
王国直属の宮廷魔導師・セレス・アルトレイン。
白銀の髪に琥珀の瞳を持つ、稀代の天才。
しかし、その才能はあまりに“美しすぎた”。
王妃リディアの嫉妬。
王太子レオンの盲信。
そして、セレスを庇うはずだった上官の沈黙。
「あなたの魔法は冷たい。心がこもっていないわ」
そう言われ、セレスは**『無能』の烙印**を押され、王国から追放される。
彼女はただ一言だけ残した。
「――この国の炎は、三日で尽きるでしょう。」
誰もそれを脅しとは受け取らなかった。
だがそれは、彼女が未来を見通す“預言魔法”の言葉だったのだ。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる