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第二章 王国動乱
惨劇の塔
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「・・・終わったのか?」
「どうやら、そのようだね」
戦いの終わりに、おこもりの塔の上に聳え立つ小さな塔、「継承の祭壇」とも呼ばれる塔の影からそんな声が漏れ聞こえてきていた。
「はははっ、やるではないかジーク・オブライエン!!これで後はあの小娘を葬れば、我らの大逆転勝利か!!褒めて遣わすぞ!」
「あのマービンとかいう男から、ここに向かえと言われた時には何事かと思いましたが・・・なるほど、こういう事だったのですね」
その声の主、ルーカスとフェルデナンドは塔の影から姿を現すと、彼らをここに導いたジークへと声を掛けていた。
勝ち誇るように笑い、その場にふんぞり返っては尊大な態度を見せているルーカスと違い、フェルデナンドは今この場で誰が一番力を持っているかを素早く判断し、ジークへと足早に歩み寄るのだった。
「感謝します、オブライエン卿。貴公には私が王位に就いた後も変わらぬ地位を約束いたしましょう。あぁ、レンフィールドの連中ならご心配なく。あの無能な連中とはとっくに縁を―――」
ジークへと親愛の握手を求めながら、媚びを売るように彼の立場の保証を口にするフェルデナンドは、自らをここまで支えてきたレンフィールド家もあっさりと切り捨てると口走っていた。
その背後では、今更彼に抜け駆けをされたと気がついたルーカスが焦りと怒りの表情を浮かべていたのだった。
「・・・無駄だ。そのような約束、何の意味もない。何故なら、貴様が王位に就くことなど未来永劫ないからだ」
「なっ・・・な、何を・・・言って・・・?」
しかしジークの返事は、にべもないものであった。
フェルデナンドはその返事に信じられないという表情を浮かべていたが、彼は気づいただろうか、その声と共に奔った僅かな金属音の存在を。
それが剣を鞘から抜き放ち、再びそこに納めた音である事に。
「は、はれ?か、身体がうごか・・・あっ、あぁ・・・あぁぁぁ!?」
自らの身体を見下ろし、ゆっくりと左右にずれていくそれを何とか留めようとしたフェルデナンドも、やがては情けない悲鳴を上げて崩れ落ちていく。
ジークはその様子を冷たい目を見下ろしながら、彼の身体から溢れ出た血がこの塔の天井に刻まれた溝を伝って、継承の祭壇へと向かっていく様子を確かめていた。
「は?貴様、一体何を・・・ひっ、ひぃぃぃ!!?」
さっきまで一緒に継承の祭壇の背後に身を寄せ合って潜んでいたフェルデナンドの身体が、左右に分かれ崩れ落ちていく様は現実感のない光景だろう。
そのためルーカスはそれを一瞬理解することが出来ずに呆気に取られた表情を浮かべていたが、やがて何が起こったかを理解すると顔を真っ青に染め、一目散に逃げだしていくのだった。
「お、おぉ!パトリック・・・パトリックではないか!!よくぞ、よくぞ我の前に現れた!!助けてくれ!ここで我を助けてくれたなら、あの時の裏切りなど不問に―――」
情けない悲鳴を漏らしながら逃げるルーカスは、彼らがここに来るときに使った螺旋階段を目指している。
彼はそこに意外な人物の姿を目にしていた、そうあのパトリック・ボールドウィンである。
「駄目ですよ、ルーカス様。折角ここまで整えられた舞台なのですから、ちゃんと役割を全うしないと・・・ね?」
ルーカスは彼に助けを求め、涙目で縋りつく。
そんな彼の振る舞いにパトリックは静かに首を横に振ると、やんわりと窘めるように語りかけていた。
その手には、いつの間にか細身の剣が握られている。
「パトリック?貴様、何を・・・ぐっ!?き、貴様・・・裏切った、な・・・」
「えぇ、そうですよ?それはルーカス様もご存じだった筈では?」
ルーカスの胸の中心へと深々と突き刺さった細身の剣からは、彼の身体から溢れ出した血が伝っている。
それにより急速に命を失っていき、どうと倒れ伏したルーカスにパトリックは愉快そうに笑い掛けると、彼の身体から引き抜いた剣を振るい、そこについた血を振り払っていた。
「いやはや、余計な手をお出しして申し訳ありません。これの振る舞いが余りに見苦しく、見ていられなかったもので」
ルーカスの命を奪った細身の剣を鞘へと納めながら、パトリックはニコニコと友好的な態度を浮かべてジークへと歩み寄っていく。
彼の足元では、塔の天井に刻まれた溝を伝い、ルーカスの血が継承の祭壇へと向かっている所だった。
「それにしても大胆な事を為されましたね。反乱分子を炙り出すために、わざと敗勢の敵方に寝返り戦乱を長引かせるとは。これも全て、来るべき外の世界の来襲に備えて・・・ですか?」
「・・・貴公、その情報どこで手に入れた?」
「どこでと言われましても、私もあの場にいたのですよ?ご存じでは?」
「貴公も存じておろう。あの時、あの場に貴公は既にいなかった事を」
ユーリ達と共にこの塔へと訪れた筈のパトリック、彼はジークとユーリが戦っているとき既にその場にいなかったとジークは語る。
「ははっ、バレておりましたか。これは失敬!しかしそれは今はよろしいではないですか、いずれ分かる事です・・・それより今はこれからどうするか、でしょう?」
「これからどうするか、だと?貴公には何か考えがあると?」
ジークとユーリが激しい戦いを繰り広げていた背後で、こっそりと螺旋階段を上っていたパトリックは、それがジークにバレていたと知ると愉快そうに笑い声を上げる。
「えぇ・・・貴方が王となるのです、ジーク・オブライエン」
そして蛇のように舌を伸ばし嗤う彼は、ジークの耳元へと近づくと誘惑の言葉を囁いた。
ジークに、この国の王になれと。
「そうでしょう、ジーク・オブライエン!外の世界からの侵攻に備えるにも、あんな何も知らない小娘に任せるより貴方の方が適任ではないですか!何、心配することはない!そうなれば私が片腕として貴方を支えましょう!!それで全てが上手くいくのです!さぁ、後はあの小娘を殺すだけだ!それだけで、貴方の手にこの国が転がり込むのですよ!!おやりなさい、ジーク・オブライエン!!」
手を伸ばし、ジークへ国を取れと誘惑するパトリックは、演技が掛かった大袈裟な口調でそれを捲し立てている。
しかしその言葉は、決して嘘ばかりという事ではないだろう。
事実、ここでジークがリリーナを切れば、国を取ることも不可能ではない。
「・・・あぁ、そうだな。それもよかろう。貴公と手を結ぶのも悪くはない」
そしてジークはパトリックの手を取る。
その瞬間、パトリックはニヤリと蛇のように嗤った。
「勝った」
鈍い、銃声が響く。
「ははっ、ははははっ!!勝った、勝ったぞ!!私はあのジーク・オブライエンに勝利したのだ!!はははははっ!!これで、これでこの国は私のものに―――」
ジークへと伸ばし握った手はお互いに右手だ、パトリックはお互いの利き手を封じた上で左手で懐から抜き張った銃を手にし、それでジークを撃ち抜いていたのだ。
それはどう見ても致命傷だろう、パトリックはあのジーク・オブライエンに勝利したと勝ち誇り、もはやこの国を手に入れたも同然だと高笑いする。
「・・・やっと尻尾を出したな」
だがお互いに右手を握り、動きを封じられたのはパトリックも同じであった。
そしてジークは、ずっとその瞬間を待っていたのだ。
「は?馬鹿な、まだ動けっ!!?」
パトリックは今更右手を振り払おうとするが、それは叶わない。
そして彼はもう一度銃を撃ちジークに止めを刺そうとするが、それよりも早くその命令を下す首が彼の身体から離れてしまっていたのだった。
「貴公は今まで隙を見せる事がなかった・・・しかしどうやら、その貴公からしても国というのは大きすぎる獲物であったらしい。隙だらけであったぞ」
もはやただの物言わぬ物体に成り下がったパトリックの身体を見下ろしながら、ジークはそう一人呟いていた。
彼はパトリックの死体をまるでゴミかのように蹴り飛ばすと、この塔の上から除くのだった。
「どうやら、そのようだね」
戦いの終わりに、おこもりの塔の上に聳え立つ小さな塔、「継承の祭壇」とも呼ばれる塔の影からそんな声が漏れ聞こえてきていた。
「はははっ、やるではないかジーク・オブライエン!!これで後はあの小娘を葬れば、我らの大逆転勝利か!!褒めて遣わすぞ!」
「あのマービンとかいう男から、ここに向かえと言われた時には何事かと思いましたが・・・なるほど、こういう事だったのですね」
その声の主、ルーカスとフェルデナンドは塔の影から姿を現すと、彼らをここに導いたジークへと声を掛けていた。
勝ち誇るように笑い、その場にふんぞり返っては尊大な態度を見せているルーカスと違い、フェルデナンドは今この場で誰が一番力を持っているかを素早く判断し、ジークへと足早に歩み寄るのだった。
「感謝します、オブライエン卿。貴公には私が王位に就いた後も変わらぬ地位を約束いたしましょう。あぁ、レンフィールドの連中ならご心配なく。あの無能な連中とはとっくに縁を―――」
ジークへと親愛の握手を求めながら、媚びを売るように彼の立場の保証を口にするフェルデナンドは、自らをここまで支えてきたレンフィールド家もあっさりと切り捨てると口走っていた。
その背後では、今更彼に抜け駆けをされたと気がついたルーカスが焦りと怒りの表情を浮かべていたのだった。
「・・・無駄だ。そのような約束、何の意味もない。何故なら、貴様が王位に就くことなど未来永劫ないからだ」
「なっ・・・な、何を・・・言って・・・?」
しかしジークの返事は、にべもないものであった。
フェルデナンドはその返事に信じられないという表情を浮かべていたが、彼は気づいただろうか、その声と共に奔った僅かな金属音の存在を。
それが剣を鞘から抜き放ち、再びそこに納めた音である事に。
「は、はれ?か、身体がうごか・・・あっ、あぁ・・・あぁぁぁ!?」
自らの身体を見下ろし、ゆっくりと左右にずれていくそれを何とか留めようとしたフェルデナンドも、やがては情けない悲鳴を上げて崩れ落ちていく。
ジークはその様子を冷たい目を見下ろしながら、彼の身体から溢れ出た血がこの塔の天井に刻まれた溝を伝って、継承の祭壇へと向かっていく様子を確かめていた。
「は?貴様、一体何を・・・ひっ、ひぃぃぃ!!?」
さっきまで一緒に継承の祭壇の背後に身を寄せ合って潜んでいたフェルデナンドの身体が、左右に分かれ崩れ落ちていく様は現実感のない光景だろう。
そのためルーカスはそれを一瞬理解することが出来ずに呆気に取られた表情を浮かべていたが、やがて何が起こったかを理解すると顔を真っ青に染め、一目散に逃げだしていくのだった。
「お、おぉ!パトリック・・・パトリックではないか!!よくぞ、よくぞ我の前に現れた!!助けてくれ!ここで我を助けてくれたなら、あの時の裏切りなど不問に―――」
情けない悲鳴を漏らしながら逃げるルーカスは、彼らがここに来るときに使った螺旋階段を目指している。
彼はそこに意外な人物の姿を目にしていた、そうあのパトリック・ボールドウィンである。
「駄目ですよ、ルーカス様。折角ここまで整えられた舞台なのですから、ちゃんと役割を全うしないと・・・ね?」
ルーカスは彼に助けを求め、涙目で縋りつく。
そんな彼の振る舞いにパトリックは静かに首を横に振ると、やんわりと窘めるように語りかけていた。
その手には、いつの間にか細身の剣が握られている。
「パトリック?貴様、何を・・・ぐっ!?き、貴様・・・裏切った、な・・・」
「えぇ、そうですよ?それはルーカス様もご存じだった筈では?」
ルーカスの胸の中心へと深々と突き刺さった細身の剣からは、彼の身体から溢れ出した血が伝っている。
それにより急速に命を失っていき、どうと倒れ伏したルーカスにパトリックは愉快そうに笑い掛けると、彼の身体から引き抜いた剣を振るい、そこについた血を振り払っていた。
「いやはや、余計な手をお出しして申し訳ありません。これの振る舞いが余りに見苦しく、見ていられなかったもので」
ルーカスの命を奪った細身の剣を鞘へと納めながら、パトリックはニコニコと友好的な態度を浮かべてジークへと歩み寄っていく。
彼の足元では、塔の天井に刻まれた溝を伝い、ルーカスの血が継承の祭壇へと向かっている所だった。
「それにしても大胆な事を為されましたね。反乱分子を炙り出すために、わざと敗勢の敵方に寝返り戦乱を長引かせるとは。これも全て、来るべき外の世界の来襲に備えて・・・ですか?」
「・・・貴公、その情報どこで手に入れた?」
「どこでと言われましても、私もあの場にいたのですよ?ご存じでは?」
「貴公も存じておろう。あの時、あの場に貴公は既にいなかった事を」
ユーリ達と共にこの塔へと訪れた筈のパトリック、彼はジークとユーリが戦っているとき既にその場にいなかったとジークは語る。
「ははっ、バレておりましたか。これは失敬!しかしそれは今はよろしいではないですか、いずれ分かる事です・・・それより今はこれからどうするか、でしょう?」
「これからどうするか、だと?貴公には何か考えがあると?」
ジークとユーリが激しい戦いを繰り広げていた背後で、こっそりと螺旋階段を上っていたパトリックは、それがジークにバレていたと知ると愉快そうに笑い声を上げる。
「えぇ・・・貴方が王となるのです、ジーク・オブライエン」
そして蛇のように舌を伸ばし嗤う彼は、ジークの耳元へと近づくと誘惑の言葉を囁いた。
ジークに、この国の王になれと。
「そうでしょう、ジーク・オブライエン!外の世界からの侵攻に備えるにも、あんな何も知らない小娘に任せるより貴方の方が適任ではないですか!何、心配することはない!そうなれば私が片腕として貴方を支えましょう!!それで全てが上手くいくのです!さぁ、後はあの小娘を殺すだけだ!それだけで、貴方の手にこの国が転がり込むのですよ!!おやりなさい、ジーク・オブライエン!!」
手を伸ばし、ジークへ国を取れと誘惑するパトリックは、演技が掛かった大袈裟な口調でそれを捲し立てている。
しかしその言葉は、決して嘘ばかりという事ではないだろう。
事実、ここでジークがリリーナを切れば、国を取ることも不可能ではない。
「・・・あぁ、そうだな。それもよかろう。貴公と手を結ぶのも悪くはない」
そしてジークはパトリックの手を取る。
その瞬間、パトリックはニヤリと蛇のように嗤った。
「勝った」
鈍い、銃声が響く。
「ははっ、ははははっ!!勝った、勝ったぞ!!私はあのジーク・オブライエンに勝利したのだ!!はははははっ!!これで、これでこの国は私のものに―――」
ジークへと伸ばし握った手はお互いに右手だ、パトリックはお互いの利き手を封じた上で左手で懐から抜き張った銃を手にし、それでジークを撃ち抜いていたのだ。
それはどう見ても致命傷だろう、パトリックはあのジーク・オブライエンに勝利したと勝ち誇り、もはやこの国を手に入れたも同然だと高笑いする。
「・・・やっと尻尾を出したな」
だがお互いに右手を握り、動きを封じられたのはパトリックも同じであった。
そしてジークは、ずっとその瞬間を待っていたのだ。
「は?馬鹿な、まだ動けっ!!?」
パトリックは今更右手を振り払おうとするが、それは叶わない。
そして彼はもう一度銃を撃ちジークに止めを刺そうとするが、それよりも早くその命令を下す首が彼の身体から離れてしまっていたのだった。
「貴公は今まで隙を見せる事がなかった・・・しかしどうやら、その貴公からしても国というのは大きすぎる獲物であったらしい。隙だらけであったぞ」
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