213 / 231
第二部 オッドアイの行方ー失われた記憶を求めて
イけないキス 2
しおりを挟む空調が効いて肌寒い室温にカイが身震いをし、目に毒なその妖艶な身体にタオルを掛けようとした時カイの体が何だかあちこち黒いのに気づいた。汚れ、痣?否、黒いんじゃないな…赤いんだ。傷の様に見えたのは無数のキスマークだった。
怒りで頭に血が昇っていくのが自分でもわかる。手がわなわなと震えだしグッと拳を握りしめて憤る衝動を抑える。
何されてんだよ、カイ…お前、怪我してるのに、こんなに沢山キスマークつけられて無防備に寝て、俺の気も知らないで…。
――俺の気も知らないで…か…。
そう言えば面と向かって好きだと言ったことがあっただろうか。
カイに「好きな奴が傍にいればいい」とか「大事に思ってる」とか言葉尻に含ませて好意を伝えてはいても、直接言ったこと無かったんじゃ無いか…。
「俺はバカだな…。」
触ってはならない聖域に触れる様に、俺は一度拒絶された親指で彼の唇をそっと触った。すると口元がふっと緩く開く。ちらりと動く舌が見え、誘われるように親指をそのまま中に少しだけ入れると不意にその指を舐められ背筋に電気が走った。寝込みを襲っているという背徳感を持ちつつも我慢できずその舌の柔らかさにたまらなくなって俺は口唇を寄せた。
「カイッ…。」
上下の唇を何度も優しく味わう様に舐めると、はぁっと吐息が漏れ出す。その吐息だけで全身が痺れる様だった。濡れた口に恐る恐る舌先を入れると誘われて彼の舌が呼応する。愛しさに耳がじりじりした。動かす粘膜が運ぶ蜜の甘さに俺は夢中で口の中を舐め回す。
「…キスってこんなに美味しいもん…なのか…。」
舌を吸うと息が上がり、零れる唾液を絡め取ると身じろいで腰を動かす。こんなに甘く、こんなに無防備にあいつに甘えるのか…。
俺と判らずキスを許す彼を奪っている自分が嫌いで、揺り起こして俺だぞと言ってしまいたくなる。けれど俺と判れば拒絶されてもうキスが出来ないのなら、このまま全て奪ってしまおうかと邪な考えがよぎる。いっそ嫌いになれたら良かったのに…。
「――お前が好きだ。」
起きて欲しい、でも起きないで欲しい。俺は複雑に交差する気持ちのまま彼の胸に口づけを落とした。
「…っはっ…んぅ…ゃっ…。」
艶かしい声を出されて理性が吹っ飛びそうだ。細い体を抱きしめ乳首を舐めるとビクンと体が跳ねた。自分を制御しようとするが、綺麗な体につけられた無数にある愛撫の証を見るとそれらを上塗りせずには居れなかった。その証を消すように俺は強く痕を吸う。
「っイッ…っ…、イタイ…良臣…。」
0
あなたにおすすめの小説
伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい
マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。
最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡)
世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。
あなたの隣で初めての恋を知る
彩矢
BL
5歳のときバス事故で両親を失った四季。足に大怪我を負い車椅子での生活を余儀なくされる。しらさぎが丘養護施設で育ち、高校卒業後、施設を出て一人暮らしをはじめる。
その日暮らしの苦しい生活でも決して明るさを失わない四季。
そんなある日、突然の雷雨に身の危険を感じ、雨宿りするためにあるマンションの駐車場に避難する四季。そこで、運命の出会いをすることに。
一回りも年上の彼に一目惚れされ溺愛される四季。
初めての恋に戸惑いつつも四季は、やがて彼を愛するようになる。
表紙絵は絵師のkaworineさんに描いていただきました。
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
零
BL
鍛えられた肉体、高潔な魂――
それは選ばれし“供物”の条件。
山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。
見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。
誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。
心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。
【完】君に届かない声
未希かずは(Miki)
BL
内気で友達の少ない高校生・花森眞琴は、優しくて完璧な幼なじみの長谷川匠海に密かな恋心を抱いていた。
ある日、匠海が誰かを「そばで守りたい」と話すのを耳にした眞琴。匠海の幸せのために身を引こうと、クラスの人気者・和馬に偽の恋人役を頼むが…。
すれ違う高校生二人の不器用な恋のお話です。
執着囲い込み☓健気。ハピエンです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる