大人になっても断れない私

22歳の大失態

9月6日日曜日

ピロリン！スマートフォンの通知音で目が覚めた。画面を見ると10時。よく寝たと思いながら、誰からか確認すると、知らない人からだった。メッセージを既読にならないように慎重にみた。すると
「おはよう！菜乃華から紹介してもらった翼だよ(^ ^)よろしくね!」
という内容だった。私はその内容を確認した瞬間動悸がして、パニック状態に陥った。母から
「起きたらさっさと朝ごはん食べちゃいなさい」
と声がしたので、どうにか我にかえり、パニックから抜け出せた。菜乃華は私の友達だがもう半年近く会っていないし、連絡先を教えていいかとの趣旨の確認も取られていない。翼という人物はアイコンを自撮りにしていて、明らかに男性なのである。もう私も菜乃華も22歳である。確認も取らずに他人の連絡先を教えるなんてどういう神経をしているのだろう。私は腹が煮え繰り返るよう感情になりながら、朝食を食べ終えた後半年ぶりに菜乃華にメッセージを送った。
「やっほー！翼さんっていう男の人からLINEが来たんだけどどんな人？」
本当は私に許可なく連絡先を教えたことへの怒りをぶつけたかったが、メッセージ上は怒りを見せないようにするのが私のポリシーだ。対面ではない状況で喧嘩したところで、話がこじれるだけだと私は思っているので、感情は出さない文にしている。
菜乃華にメッセージを送った後、翼という人物のメッセージも返すことにした。なのかの名前が書かれている以上、スパムメールの類ではないと思ったからだ。
「おはようです☀️そうなんですね！よろしくです！」
と当たり障りない内容で返信した。