大人になっても断れない私

七瀬蓮

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21歳の底無し沼

帰り道

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カラオケの退出電話がかかってきたのはそれから、1時間後だった。その1時間で、泣いている羽衣ちゃんに、

「もっといい人いるよ。」

とか、

「今はすごく辛いと思うけど、世の中の男性は雷牙さんだけじゃないから、他にもいい人いると思うよー!」

等と慰める役に私と希ちゃんは徹していた。心の中では、

make friends cafe って偽名を名乗ることも年齢も偽ることもできる場所で、よく出逢おうと思うな、、、。しかもそこで出会った一回会っただけの相手の車に乗って、よく県外京都行く気になったなっ!!

と私も希ちゃんも内心は、羽衣ちゃんに呆れていた。お店から退席の連絡が来て帰路に着いた。希ちゃんだけ帰る方向が違うため、私と羽衣ちゃんで駅から家に向かって歩いていると、

「未来ちゃん…私ね…雷牙さんに本当はバレンタイン渡したかったんだ。…それで想いを伝えるつもりだったの。…百貨店のバレンタインイベントで3万円のチョコレート…雷牙さんに渡すつもりで買ってたの。…もし、未来ちゃんからの連絡で、私の所にRINE来たら、、、ホワイトデー…本来なら答えを聞く日だけど、、、。思い伝えるつもりだったのに、、、自分で処理しなきゃ…」

と言う羽衣ちゃんの言葉を聞いて、

1日ちょい会っただけの人に3万円のチョコレート…⁈羽衣ちゃん重くない?

と思いながら、

「羽衣ちゃん。…そうだね。美味しく食べて、忘れよう!」

と元気付けた。


翌朝RINEをみたら、

「未来ちゃん。泣きながらチョコ自己処理したよ…。期限明日までだったから、、、ダメになる前に自己処理できてよかった、、、」

と羽衣ちゃんからの謎の報告RINEがあって、



と不思議な気分になりながらも、

「そっか、、、辛かったよね💦
また新たな出会いを見つけようよ😊」

と優しい未来を演じていた。
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