魔法と錬金術士の奇妙な関係

七瀬蓮

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女性乗務員の対応

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「あなただって大切なお客様の一人だから!もう


「客船内のお客様の体調が優れないため、少し席を外します。」


って伝えたから大丈夫です。あなたも魔法術師なんでしょ?たまには同職に頼ってよ。あなたの出身はどこ?」

と話題を出してくれたが、


「……。もう限界……。」


とだけ言い残し、魔法術師は意識を失った。


「乗務員の皆さん、お客様が意識を無くされましたので、医務室まで運ぶ応援をお願いします。」


と乗務員の女性は声を荒げた。

「彼を医務室まで運んでください。そして、この方のお連れの方がいらっしゃるのであれば医務室までお越しいただけるようお声がけお願いします。」

と言い、他の乗務員に指示を出した。


「あ……!僕このお客様のお連れ様知ってるのですぐ連れてきます!」

と走っていった。


「私はしばらくは彼の治療に専念するつもりですが、また体調が悪いお客様がいたら何なりとお申し付けください。」


と一礼して医務室へと入って行った。



「あのー。お寛ぎ中のところ大変恐縮ではございますが、先程までご一緒にいられたお連れの男性とはどういったご関係でしょうか?」


と恐る恐る尋ねると、


「まぁ……家族です。」

と錬金術師は、答えた。


「実はお連れ様が急に体調を崩されまして、現在医務室で治療を受けている段階なのですが、医務室までお越しいただけますか。」


と言われて、錬金術師は、


「はい。すぐ行きます。」


と先ほど睨みを聞かせてしまった乗務員の後を不安な気持ちで押しつぶされそうになりながら、ついていった。


コンコンコン。

「お連れ様を連れて参りました。失礼します。」


と乗務員が医務室まで案内してくれたので、


「ルイス!!ルイス……!」


と魔法術師の弟の元へ近づこうとしたら、


「あなたはルイスさんのご家族様ですね。ルイスさんとはどのような関係ですか?」


と尋ねられ、


「姉です。……でも、彼とは幼少期に色々あってしばらく離れて暮らしてます。私たちの家は錬金術師の家柄なのですが、彼は錬金術を身につけられなかったので、魔法術師の道を選んだことがきっかけです。……なので、アレルギーとか使ってはいけないお薬などは分かりかねます。」


と正直に答えると、


「そうですか。それならあなたの血液を少しいただいてもいいですか?」


と言われて、


「はい。」


と錬金術師の姉は答えた。

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