私の愛する人

翌朝

「じゃあ、、、今から私の親にビデオ通話かけるね、、。」

とスマートフォンを手に持った紬は律に深刻な顔をしてそう伝えた。

「紬がそうしたいなら止めないけど…一応、彼氏と別れるつもりですってことだけ今回伝えてもいいんじゃない？急に俺が登場しても紬の親御さん頭ついていかないと思うよ。」

と言われて、紬は

「ううん！せっかく律に会えたから、、対面してもらいたいんだ！画面越しでもいいから、この人と一生を添い遂げたいですって報告したいんだ。私のお願い！聞いてくれる、、、？」

と首を傾げてじっと律を見つめた。

「分かった。じゃあ、電話かけて！」

と律は言い、紬はビデオ通話をかけた。

「もしもし。おはよう。紬。どうしたんだい？朝に電話なんてしてきて、、、。」

と紬の母が電話に出ると、

「お母さん。おはよう。実は今旅行をしてるの。モコちゃんは同僚の家に預けて1人で九州まで来て、今旅館にいるの。」

と言うと、

「どうしたの？大樹さんは？一緒じゃないの？」

と尋ねられて、

「大樹とはお別れしようと思ってる。お別れの話の真っ最中なんだけど、、、実は、、、今、、、好きな人がいるの。お母さんに紹介したくて電話したの、、、。律こっち来て？」

と律を呼び寄せて、

「初めまして。紬さんのお母さん。山崎律と申します。紬さんと同じ女性としてこの世に生を受けましたが、紬さんを愛す気持ちは誰にも負けません！もし良ければ、、、将来的には、私が福岡に住んでいるので一緒に福岡で暮らしたいなと思っております。」

と言い頭を下げると、ポカーンと驚いた顔の母が急に怖い笑みを浮かべて、

「紬、、、。変なジョークは置いといて、とにかく大樹さんと年末に帰ってらっしゃい。」

と一方的に話してブツっと電話は切れた。