何も知らない物語

七瀬蓮

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再会

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そういうと男が持っていた護衛用の杖で壁をコツンと叩くと,人が1人通れるぐらいの穴が空いた。


「さぁ、兄弟を連れてくると良い。その間ここに穴を開けておこう。」


と言われて、



「ありがとうございます!今すぐ連れてきます!」


と言い俺はシオンとリンの元まで走った。



「シオンー!リーン!壁の向こう側に親父とお袋いるみたいだから、会いに行こう!」


と駆け寄ると、


「本当?」


と2人は嬉しそうにそう言った。そして穴の元まで戻って、壁の向こう側まで行き、男に案内されて,親のいるというところまで向かうと、


「と……父さん。か……母さん。」


と、俺は秘めてた思いが溢れ出して泣きながら呼びかけた。すると、


「あら?カイト?シオン?リンちゃんまで……!どうしたの?こんなところまで!」


と言われて、


「父さん…母さん…。俺らはずっと2人を探してた。心配してた……。新婚旅行から、ずっと帰ってこないんだもん。」


と言うと、



「あら?もうそんなに経ってたの?私たちの感覚だと2週間ぐらいなんだが?少し長居しすぎたかな?」


と言う父にもう半年も経ってるじゃないか!


と思いながらも、歪みのことを思い出して、


「とにかく会えてよかった。一緒に帰ろう!」


と俺は両親に提案した。


「そんなに心配かけてすまなかったなぁ。じゃあ、帰ろうか。」


と父はそう言ったので安心していると,


「もう帰ってしまうんですね。お二人が育ててくれた花たちを繁栄させたかったのですが残念です。」


と男に言われた。


「いやー。申し訳ない。道に迷った私達を受け入れてくれて感謝しています。」



と言い無事帰路に着くことができた。




それから、俺たちは5人で幸せに暮らしている。


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