【完結】お隣さんの恋

転校生

「今日は転校生を紹介します。」

“ザワザワ”

み「果奈～こんな時期に転校生なんて珍しいよね！」
果「そ～だね。」
み「男の子だとラッキー！！」
果「あは。みっちゃんってばぁ。」

“ガラガラ”

健「ども！片山健斗です！今日からよろしくお願いしま～す！」
み「うわぁ～めっちゃかっこいいじゃん！！」
果「あ。」
健「あ～！果奈ちゃん！！」
み「え？ちょっと果奈知り合い！？」
果「いや、知り合いっていうか。」
「なんだ、岩崎知り合いか？まぁ皆色々教えてやってくれ。」

休み時間になったら彼の周りに皆大集合。
一躍クラスの人気者。

み「で！なんで果奈は健斗君のこと知ってるの？」
果「知ってるっていうか。隣にいるっていうか。」
み「え？」
果「隣に引っ越してきたのよ。」
み「え～！うそ～！」
果「ホント。」
み「っで！？」
果「で。うちの親もあんな感じじゃん？だから昨日歓迎会だぁ～とかなって。」
み「確かに果奈んとこそういうの好きそう！」
果「そしたらなんだか向こうの家族も似た感じで。てなことで、知ってたかな。」
み「なるほどね！」
健「果奈ちゃん！」
果「ども。」
健「あれ？なんか素っ気なくない？」
果「そ～かなぁ？」
健「昨日は楽しかったね！そうだ！今日俺自転車買いに行きたいんだけどついてきてくれない？」
果「え？」
健「いいじゃん！じゃ～放課後よろしく！」
果「ちょっと～。…行っちゃったぁ。」
み「へ～。」
果「な、なに？」
み「なんだかんだ言っていい感じなんじゃん！」
果「いやいやいや！全然そんなんじゃないよ！」
み「はいはい。」

本当にそんなんじゃないょ。
ただ向こうのペースに圧倒されちゃってるというか。
…。
それにしても遅いなぁ。
自分から放課後よろしくって誘ってきたのにぃ。

健「ごめんごめん！」
果「遅いよぉ。みっちゃん達帰っちゃったじゃん。」
健「大丈夫！俺が責任を持って家までお送りしますから！」
果「普通に隣なだけじゃん！」
健「さ！ご機嫌斜めな姫にアイスでも与えて自転車見に行こう！」
果「なにそれ～！って食べ物につられちゃうあたしもあたしだけどさぁ。」
健「ほら～！果奈ちゃ～ん！ちゃんとついておいで～！」
果「人をペットみたいに言わないでよぉ。」
健「それにしても美味しそうに食べるなぁ～。」
果「ん？何か言った？」
健「かわいいかわいい。」

“ぽんぽん”

頭ぽんぽんされたぁ。

果「あ～子ども扱いしたでしょ～。」
健「してないしてない！さ！自転車自転車！どれにしよう？」
果「結構いろんなのあるんだね！」
「お客様どんなのをお探しですか？」
健「え～っとね。果奈ちゃんとラブラブデートできそうなやつ！！」
果「え！ちょっ、ちょっと～！」
「あはは。お熱いですねぇ～！」
果「ち、違います！」
健「やっぱりママチャリの方がこうぐわし～ってできるかなぁ～！」
「そうですね！」
果「そうですねって。」
「毎度ありがとうございましたぁ！」
健「ど～も～！」
果「ホントにママチャリにしてるし。」
健「さ！さっそくぐわし～っと！…あれ？も～待ってよ～！果奈ちゃ～ん！」
果「もぉ。お店の人に誤解されちゃったじゃん。」
健「いいじゃん！」
果「やだ！恥ずかしい！」
健「でもあのおっちゃんいい人だったょ！まけてくれたし！」
果母「あら。お二人揃ってお帰り～！」
果「ただいまぁ。」
健「ただいま戻りました！あれ？うちは留守か？」
果母「二人ともうちに来てるわよ！」
果「え！？」
果母「なんかお父さんと打ち解けちゃって！」
健「じゃ～俺も荷物置いたらそっちにお邪魔しま～す！」
果母「ど～ぞど～ぞ！」

なにこの展開？絶対おかしいよ～！

“ガチャン”

果「きゃ！」

ビックリしたぁ！
自分の部屋に入ったらいきなり健斗君がいるの！

健「いやぁ～知らなかったぁ。俺の部屋と果奈の部屋くっついてたんだな！」
果「く、くっついてないよ！！」

しかも、なぜか名前が果奈って呼び捨てになってる！

健「でも、ほら！窓と窓でこっちこれるしくっついてるようなもんじゃん！」
果「違う！違うし人の部屋に勝手に入って来ないでよ～！」
健「いいじゃん！」
果「よくない！」
健「ん？なんか見られちゃ困るものでもあるのかなぁ～？」
果「ないけど！」
健「あ！好きな人の写真とか！」
果「ないけど！」
健「じゃ～エッチな本とか！」
果「もっとないけど！！」

だめだぁ。話が通じない。もういいや。下行こう。

健「あれ？どこ行くの？」

そうだ。下に行っても両家両親がいるんだったぁ…。

果母「果奈！健斗君よんでこっちきて！」
果「はぁ～い。…だそうです。」
健「はいは～い！」
果父「あれ？随分二人とも早かったな！」
健「実は俺の部屋と果奈ちゃんの部屋つながってて！」
果「つながってない！！」
果母「あらあら二人とも！もう随分と仲良くなったのね！」
果「そんなんじゃないってばぁ～。」

あ～も～なんか大変なことになってきちゃった。
こんなお隣さん家族と上手くやっていけるのかしら？