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微妙な距離感
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颯「このままずっと雨がやまなかったらどうする?」
恵「え?」
颯「そしたらずっとここにいる?」
恵「な、何言ってるの?そんなの困るよ~。皆に頼まれてるものもあるし。」
颯「ま~な。」
恵「ちょっと小降りになったんじゃない?」
颯「そ~?もうちょいここにいよう。」
恵「え、あ、うん。」
なんか変な感じ。別に深い意味はないよね?
あるわけないよね…。
あ、もしかして理香ちゃんと何かあったのかなぁ?
なんとなく切なそうな?顔してるし。
聞いてあげた方がいいかなぁ。
恵「最近どう?」
颯「何が?」
恵「その~。理香ちゃんとどうかなぁって。」
颯「別に。」
あんまり話したくないのかなぁ。
恵「連絡とってる?フェスで会えなくて寂しいんじゃない?」
颯「別に。…それよりそっちはどうなの?」
恵「え?」
颯「そっちこそ会えなくて寂しいんじゃないの?立花と。」
恵「え!た、立花さんとはそ~いうんじゃないから!」
颯「じゃ~どういう関係なわけ?」
恵「ど~いうって。えっと。」
颯「説明出来ないような関係?」
恵「そ~いうわけじゃないけど。」
なんて言ったらいいんだろ。
お見合いイベントで出会った人なんて言ったら、お見合いイベントに言ったって聞いたら、桐山君どう思うかなぁ。
別になんとも思わない?
でもなんか言いたくないし、知られたくないよぉ。
颯「好きなの?」
恵「ち、違う!」
それだけははっきり言える。
だってあたしが好きなのは…。
恵「も~あたしの話しなんていいの!今は桐山君の話してたのに!理香ちゃんとのことで何か悩んでるんだったらいつでも言ってね!相談のるし!」
あたしってばなんでこんなこと言っちゃってるの!?
颯「…そろそろ行くか。」
恵「そうだね!ちょっと止んできて良かったね!」
話また流されちゃった。でも聞きたいわけじゃないから聞けなくて良かったのかもしれない。
あれからずっと無言。
空気重い?気のせい?
恵「だいぶ暗くなっちゃったね。」
颯「あ~。」
全然こっち振り向かないでドンドン歩いて行っちゃう。行きは良かったけど、帰りは荷物持ってるし、微妙にずっと上り坂で、さすがにちょっと疲れちゃったなぁ。少し休みたいなぁ。
恵「ね~桐山君。」
颯「…。」
恵「桐山君ってばぁ!」
颯「なんだよ!」
え?何この感じ?怒ってる?
恵「あ、えっと。」
颯「…何?」
恵「な、なんでもない。」
絶対今怒ってるよね?なんで?
あたし何かした?って何もしてないよね?
ただ、買い出しに来ただけだし。怒るようなことした覚え全くない。
恵「きゃ。」
色々考えながら歩いてたら雨でぬかるんでた所に足をとられてこけちゃった。
でも桐山君は気がつかずにドンドン行っちゃう。
なんかすっごく背中が遠く感じる。
やだよぉ。
なんでこんなことになっちゃったの?
自然と涙が出てきちゃった。
颯「めぐさん?…めぐ、めぐみ!?」
恵「桐山君…?」
颯「ごめん。俺。気づかなくて。…ど~した?」
恵「あ、ちょっと滑っちゃって。」
颯「大丈夫?どっか怪我は?」
恵「…大丈夫。」
颯「ホントに?」
恵「うん。」
颯「強かってない?」
恵「大丈夫。」
颯「良かった。ホント俺最低だ。ごめん。」
恵「ううん。大丈夫だから。あたしがちょっとドジしちゃっただけだから。」
颯「待って。」
恵「ん?」
颯「泣いてる?」
恵「え?な、泣いてないょ。」
颯「うそ。ちゃんとこっち見て!」
みれない。こんな泥だらけで泣いてる顔なんて見せられないよぉ。
恵「泣いてないってばぁ。雨だよ雨!行こう!」
颯「…。」
恵「桐山君?行こう!皆待ってるし!」
結局そのあとも何も話さないまま皆と合流。
彩「めぐちゃん泥だらけじゃない!?」
恵「ちょっと途中で転んじゃって。」
彩「大丈夫?」
恵「はい!これ買ってきたものです。こっち置いておきますね!」
5日間のフェスも今日でおしまい。
「あ~大変だったけど終わっちゃうとなんだか寂しいですよね~。」
「そうね~。」
「皆さん打ち上げの準備できましたよ!」
「は~い!」
「では5日間お疲れ様でした~!かんぱ~い!」
「かんぱ~い!!」
最後の夜は皆で打ち上げ。
今年も過酷だったけど頑張ったぁ~。楽しかったぁ!
「颯大さんお疲れ様でした!」
颯「お疲れ様です!」
「さっきは片付け色々手伝ってもらっちゃってすみませんでした!」
颯「いえいえ!」
「うちらも今打ち上げしてた所なんですよ~!」
颯「そうなんですね!」
知らない人達もいつの間にか混ざってる。
桐山君は相変わらずどこに行っても女の子に囲まれてる。
彩「め~ぐちゃん!お疲れ様!」
恵「部長!お疲れ様でした!」
彩「今年のフェスも良かったねぇ~。」
恵「はい!今年も勉強になりました!」
彩「あたしも刺激もらったよ~。っていうかど~よ?あの感じ」
恵「え?」
彩「相変わらず人気だね~颯大君!」
恵「そ~ですね!」
彩「あれ?何そのサバサバした感じ。」
恵「別に普通ですよ?」
彩「な~んか初日買い出しから帰ってきてから様子が変なのよね~。」
恵「そんなことないですって!」
彩「わざと距離置こうとしてるっていうか。」
恵「気のせいですって!」
彩「ん~怪しい!」
恵「あ!次何飲みます?」
やっぱりぎこちないかなぁ。
でももうどうしたらいいのか分からなくて。
諦めるしかないのかなって思った。
いきなりなんにもなかった頃の状態には戻れないけど。少しずつでも気持ちの整理をしていかなきゃなって。
よし!今日は飲む!!
彩「あれ?めぐちゃんそれお酒!」
恵「ふぁ~。今日は飲んじゃいます!!」
彩「やっぱり何かあったんだぁ~。」
恵「も~なにもないです!も~いいんです!」
お酒の弱いあたしはやけ酒と言っても1杯でふらふら。
彩「まったく~。お互い好きなくせに何やってんのよぉ。」
恵「ん~。」
彩「めぐちゃんテント行って休もうか!」
恵「え~!あたし全然大丈夫ですよ~!」
彩「はいはい。ほら行くよ。」
恵「ん~。」
彩ねぇさん。
あたしもいつか彩ねぇさんみたいにステキな人と出会って、ずっと一緒にいれる日が来るのかなぁ。
そんな運命の人あたしにもいるのかなぁ?
彩「颯大君!」
颯「はい。」
彩「ちょっとめぐちゃんにお水持っていってあげて!」
颯「え?」
彩「飲めないくせに飲んじゃって、あっちのテントで休んでるから。」
颯「…わかりました。」
ん~も~忘れちゃいたい。
お酒で今までの桐山君との記憶も全部忘れられたらいいのにぃ。
颯「大丈夫?」
恵「ん~。」
誰?
颯「はい。水。」
恵「ありがと。」
お水。冷たくて美味しい。
颯「こんな所で寝たら風邪引くぞ。」
恵「ん~。」
颯「ったく。」
なんか桐山君の匂いがする。
優しい香水の香り。
恵「くしゅん。」
ん~。寒い。
あたしあのまま寝ちゃったんだぁ。
ん?ちょっと待って。
なんで!?
なぜか桐山君と添い寝状態!!
きゃ~!なんで?なんで!?
颯「あ。起きた?」
恵「え、あ、うん。」
颯「さみ~。」
恵「あの、えっと、あたし、昨日。」
颯「もしかして記憶ゼロ?」
恵「…はい。」
颯「…じゃ~今からやり直す?」
恵「や、やり直すって?」
颯「昨日俺達がここでしたこと。」
恵「したことって…?」
颯「くくく。今エッチなこと考えただろ~!」
恵「え!?」
ち、違うの!?
颯「そ~いうことしたいんならしたいで別にいいけど。」
恵「ちょ、な、何言ってるの!?」
颯「さみぃからこっち来て。」
恵「え。」
颯大「時間まだ早いから、もうちょい寝れる。おやすみ。」
完全にからかわれてる!!
っていうかこの状態ってあり!?
いくら寒いときには肌を寄せあい暖めあおうと言っても男女ですよ男女!
一つの寝袋の中でのこの密着って…。
アウトだよ~!
記憶なくなっちゃえばいいって思ってたけどやっぱりだめ!昨日の夜何があったの!?
気になるし、この距離感無理!!
眠れるわけないじゃん!!
恵「え?」
颯「そしたらずっとここにいる?」
恵「な、何言ってるの?そんなの困るよ~。皆に頼まれてるものもあるし。」
颯「ま~な。」
恵「ちょっと小降りになったんじゃない?」
颯「そ~?もうちょいここにいよう。」
恵「え、あ、うん。」
なんか変な感じ。別に深い意味はないよね?
あるわけないよね…。
あ、もしかして理香ちゃんと何かあったのかなぁ?
なんとなく切なそうな?顔してるし。
聞いてあげた方がいいかなぁ。
恵「最近どう?」
颯「何が?」
恵「その~。理香ちゃんとどうかなぁって。」
颯「別に。」
あんまり話したくないのかなぁ。
恵「連絡とってる?フェスで会えなくて寂しいんじゃない?」
颯「別に。…それよりそっちはどうなの?」
恵「え?」
颯「そっちこそ会えなくて寂しいんじゃないの?立花と。」
恵「え!た、立花さんとはそ~いうんじゃないから!」
颯「じゃ~どういう関係なわけ?」
恵「ど~いうって。えっと。」
颯「説明出来ないような関係?」
恵「そ~いうわけじゃないけど。」
なんて言ったらいいんだろ。
お見合いイベントで出会った人なんて言ったら、お見合いイベントに言ったって聞いたら、桐山君どう思うかなぁ。
別になんとも思わない?
でもなんか言いたくないし、知られたくないよぉ。
颯「好きなの?」
恵「ち、違う!」
それだけははっきり言える。
だってあたしが好きなのは…。
恵「も~あたしの話しなんていいの!今は桐山君の話してたのに!理香ちゃんとのことで何か悩んでるんだったらいつでも言ってね!相談のるし!」
あたしってばなんでこんなこと言っちゃってるの!?
颯「…そろそろ行くか。」
恵「そうだね!ちょっと止んできて良かったね!」
話また流されちゃった。でも聞きたいわけじゃないから聞けなくて良かったのかもしれない。
あれからずっと無言。
空気重い?気のせい?
恵「だいぶ暗くなっちゃったね。」
颯「あ~。」
全然こっち振り向かないでドンドン歩いて行っちゃう。行きは良かったけど、帰りは荷物持ってるし、微妙にずっと上り坂で、さすがにちょっと疲れちゃったなぁ。少し休みたいなぁ。
恵「ね~桐山君。」
颯「…。」
恵「桐山君ってばぁ!」
颯「なんだよ!」
え?何この感じ?怒ってる?
恵「あ、えっと。」
颯「…何?」
恵「な、なんでもない。」
絶対今怒ってるよね?なんで?
あたし何かした?って何もしてないよね?
ただ、買い出しに来ただけだし。怒るようなことした覚え全くない。
恵「きゃ。」
色々考えながら歩いてたら雨でぬかるんでた所に足をとられてこけちゃった。
でも桐山君は気がつかずにドンドン行っちゃう。
なんかすっごく背中が遠く感じる。
やだよぉ。
なんでこんなことになっちゃったの?
自然と涙が出てきちゃった。
颯「めぐさん?…めぐ、めぐみ!?」
恵「桐山君…?」
颯「ごめん。俺。気づかなくて。…ど~した?」
恵「あ、ちょっと滑っちゃって。」
颯「大丈夫?どっか怪我は?」
恵「…大丈夫。」
颯「ホントに?」
恵「うん。」
颯「強かってない?」
恵「大丈夫。」
颯「良かった。ホント俺最低だ。ごめん。」
恵「ううん。大丈夫だから。あたしがちょっとドジしちゃっただけだから。」
颯「待って。」
恵「ん?」
颯「泣いてる?」
恵「え?な、泣いてないょ。」
颯「うそ。ちゃんとこっち見て!」
みれない。こんな泥だらけで泣いてる顔なんて見せられないよぉ。
恵「泣いてないってばぁ。雨だよ雨!行こう!」
颯「…。」
恵「桐山君?行こう!皆待ってるし!」
結局そのあとも何も話さないまま皆と合流。
彩「めぐちゃん泥だらけじゃない!?」
恵「ちょっと途中で転んじゃって。」
彩「大丈夫?」
恵「はい!これ買ってきたものです。こっち置いておきますね!」
5日間のフェスも今日でおしまい。
「あ~大変だったけど終わっちゃうとなんだか寂しいですよね~。」
「そうね~。」
「皆さん打ち上げの準備できましたよ!」
「は~い!」
「では5日間お疲れ様でした~!かんぱ~い!」
「かんぱ~い!!」
最後の夜は皆で打ち上げ。
今年も過酷だったけど頑張ったぁ~。楽しかったぁ!
「颯大さんお疲れ様でした!」
颯「お疲れ様です!」
「さっきは片付け色々手伝ってもらっちゃってすみませんでした!」
颯「いえいえ!」
「うちらも今打ち上げしてた所なんですよ~!」
颯「そうなんですね!」
知らない人達もいつの間にか混ざってる。
桐山君は相変わらずどこに行っても女の子に囲まれてる。
彩「め~ぐちゃん!お疲れ様!」
恵「部長!お疲れ様でした!」
彩「今年のフェスも良かったねぇ~。」
恵「はい!今年も勉強になりました!」
彩「あたしも刺激もらったよ~。っていうかど~よ?あの感じ」
恵「え?」
彩「相変わらず人気だね~颯大君!」
恵「そ~ですね!」
彩「あれ?何そのサバサバした感じ。」
恵「別に普通ですよ?」
彩「な~んか初日買い出しから帰ってきてから様子が変なのよね~。」
恵「そんなことないですって!」
彩「わざと距離置こうとしてるっていうか。」
恵「気のせいですって!」
彩「ん~怪しい!」
恵「あ!次何飲みます?」
やっぱりぎこちないかなぁ。
でももうどうしたらいいのか分からなくて。
諦めるしかないのかなって思った。
いきなりなんにもなかった頃の状態には戻れないけど。少しずつでも気持ちの整理をしていかなきゃなって。
よし!今日は飲む!!
彩「あれ?めぐちゃんそれお酒!」
恵「ふぁ~。今日は飲んじゃいます!!」
彩「やっぱり何かあったんだぁ~。」
恵「も~なにもないです!も~いいんです!」
お酒の弱いあたしはやけ酒と言っても1杯でふらふら。
彩「まったく~。お互い好きなくせに何やってんのよぉ。」
恵「ん~。」
彩「めぐちゃんテント行って休もうか!」
恵「え~!あたし全然大丈夫ですよ~!」
彩「はいはい。ほら行くよ。」
恵「ん~。」
彩ねぇさん。
あたしもいつか彩ねぇさんみたいにステキな人と出会って、ずっと一緒にいれる日が来るのかなぁ。
そんな運命の人あたしにもいるのかなぁ?
彩「颯大君!」
颯「はい。」
彩「ちょっとめぐちゃんにお水持っていってあげて!」
颯「え?」
彩「飲めないくせに飲んじゃって、あっちのテントで休んでるから。」
颯「…わかりました。」
ん~も~忘れちゃいたい。
お酒で今までの桐山君との記憶も全部忘れられたらいいのにぃ。
颯「大丈夫?」
恵「ん~。」
誰?
颯「はい。水。」
恵「ありがと。」
お水。冷たくて美味しい。
颯「こんな所で寝たら風邪引くぞ。」
恵「ん~。」
颯「ったく。」
なんか桐山君の匂いがする。
優しい香水の香り。
恵「くしゅん。」
ん~。寒い。
あたしあのまま寝ちゃったんだぁ。
ん?ちょっと待って。
なんで!?
なぜか桐山君と添い寝状態!!
きゃ~!なんで?なんで!?
颯「あ。起きた?」
恵「え、あ、うん。」
颯「さみ~。」
恵「あの、えっと、あたし、昨日。」
颯「もしかして記憶ゼロ?」
恵「…はい。」
颯「…じゃ~今からやり直す?」
恵「や、やり直すって?」
颯「昨日俺達がここでしたこと。」
恵「したことって…?」
颯「くくく。今エッチなこと考えただろ~!」
恵「え!?」
ち、違うの!?
颯「そ~いうことしたいんならしたいで別にいいけど。」
恵「ちょ、な、何言ってるの!?」
颯「さみぃからこっち来て。」
恵「え。」
颯大「時間まだ早いから、もうちょい寝れる。おやすみ。」
完全にからかわれてる!!
っていうかこの状態ってあり!?
いくら寒いときには肌を寄せあい暖めあおうと言っても男女ですよ男女!
一つの寝袋の中でのこの密着って…。
アウトだよ~!
記憶なくなっちゃえばいいって思ってたけどやっぱりだめ!昨日の夜何があったの!?
気になるし、この距離感無理!!
眠れるわけないじゃん!!
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