いや、一応苦労してますけども。

GURA

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:色々試してみましょう

:8(とある冒険者ペルの話 :1)

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[とある冒険者ペルの話   :1]



いつものように朝からパーティーメンバーとギルド兼酒場に来て今日のクエストについて話し合う。


「今日は【薄暗い森】に入って採取しつつウルフ狩りとかは?」


「でもそれ、あんまり稼ぎ良くなかったじゃないか。ウルフ5匹倒して800ヤソだぜ?1人200ヤソしかならない。俺たちくらいなら1日で15匹狩れればいい方だし。」


「じゃあ、【雨岩の洞窟】でキノコでも集めてみる~?3つ取れれば500ヤソだったよ~?」


「あそこなぁ~。確かに取れれば効率いいけど、洞窟は森よりもモンスターが強いからなぁ...」


こんな感じで話している俺たちはこの街でも割と強い方に入るパーティーだと思う。



ギルドカードで確認したらLv.15~18くらいあるし。この街の冒険者のレベルは大体Lv.7~10位が平均だ。


みんなこの街出身の幼なじみで作ったパーティーでもう少しレベルが上がったら皆で街から出て世界を冒険しようって話になってる。


それまではレベル上げと資金調達の毎日なんだけど、なかなかお金って貯まらないんだよね。



「ペルはどう思う?」

ぼーっとしてると隣に座っていたルーイに話しかけられた。




「うーん。無難なのは【始まりの草原】でバードリとウビットを狩って素材を納品かな。肉とかは食事に出来るから節約になるし。」


バードリとウビットはレベルが低いためかなりの量が狩れる。クエスト報酬は少なめであるが数で稼げばである。


現に昨日までも1人800ヤソから調子がいい時は1200ヤソ稼げている。
肉をそのまま自分たちで調理するから食事代もかからない。



「またそれぇ~!?いい加減飽きてきたよ~」

トムが机に突っ伏しながら訴えるが、本人も効率が良いのは分かっているから否定はしない。




「たまには大物狩りたいなー!ベアールみたいなやつ!」

そういうのは背丈ほどある両手剣を背負ったマイクでべアールは【薄暗い森】の奥にいる熊型の魔物だ。

いわゆる森の支配者みたいなやつ。




「この前はどうにか倒せましたけど、瀕死だったんですからね?魔法展開する前に突っ込んで行くからこっちはヒヤヒヤですよ!」


メガネを直しながらルーイが文句を言う。
マイクは敵と見るや突っ込んで行くから後方支援組からするとフォローに忙しい。



この間森で採取している時に奥まで入りすぎて遭遇したべアール戦の事で、なんとか勝てたもののマイクは重傷を負っていた。

たまたま俺がハイポーションを持っていたから良かったものの、一時はどうなるかと心配したものだ。



人は一度死ぬと1週間以内なら神殿で蘇る事は出来るが、その時は結構な額のお金が必要になる。

それに生き返れるからと言って良い訳ではない。


魔物に引き裂かれた痛みや恐怖は記憶として残るし、生き返っても今まで出来ていた技や魔法の質が落ちたり体力が減ったりする。

死んだ時の経験がトラウマになって冒険者をやめる人も多いという。

死ぬ毎に徐々に寿命が縮んでいくため自然と冒険者は短命の人も沢山いるが、やはり誰もが憧れる職業でもあるため人気は高い。




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