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:色々試してみましょう
11:(とある熟練冒険者の話)
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[とある熟練冒険者の話]
俺はこの街の出身で長年ウォリアーとして冒険者をやってきた。
Lv.48と言ったらこの辺ではなかなか見かけないし、他の街でも熟練といっても過言ではない。
そろそろ落ち着いた生活をしようと、仲間と別れて故郷に戻ってからは訓練所で新人達の指導をしている。
訓練所に来る新人達は大体がギルドカードが作れるようになったばかりの15歲が多い。
誕生日その日にギルドでギルドカードを作ってその足で訓練所に来るのだ。
時々、商人なんかを経て冒険者になろうとする奴や転職で武器に慣れるために来る奴もいたりする。
武器は大体の奴が持参だが、持っていない新人なんかには木刀が支給されることになっていてある程度の剣の型も教える。
武器の使い方なんかを教えるとすぐに【始まりの草原】に出る。
モンスターと戦ううち武器に慣れるし、レベルも上がるから登録したばかりの冒険者以外は訓練所に来ることはほとんど無かった。
それが今までの訓練所の風景だ。
いつも通り出勤して朝一番でギルド登録をしただろう新人達に稽古をつけていると、奥の方から凄い音が聞こえてきた。
奥は確か弓練習所があったが、弓で戦うやつはあんまりいない。
それはこの街以外にも言えることで、弓は戦闘職じゃないって言う奴もいるくらいだ。
1番最近ではペルの奴くらいじゃなかったか?
何度か反対したが絶対に弓じゃなきゃダメだってんで、弓の引き方を教えたくらいだったが。
新人に教えた型の素振りをしておくよう指示して奥に向かう。
ドスッ... ヒュッ、ドゥンッ...
ヒュュー...バシッ、バシッ
見ると20代半ばくらいの男が黙々と目の前の的に弓を放っていた。
矢は全てと言っていいほど中心に集まっていて、中には大木で作った分厚い的を貫通しているものもあった。
「なんだ、こいつは...」
今まで長年冒険者をしてきたと自負しているが、ここまでの弓使いは見たことがなかった。
弓なんて毒薬を先端に塗って状態異常をかけたり、足止めくらいにしかならないからと馬鹿にしていたくらいだったから。
次に素早く弓を連射したり、2本同時に放ったり、果ては魔法を付与しているのか当たった瞬間に爆発するようなものもあった。
1本1本の威力はもちろん、狙いも正確に撃ち抜いている。
あれなら【薄暗い森】のべアールなんかは1、2本放つくらいで即死するだろう。
戦闘職の花形と言われるファイターの自分でも、一人でべアールを倒すのは結構な時間がかかるというのに。
暫くすると満足したのか、男は装備を整えて訓練所を後にした。
「あれはなんだったんだ...」
今までの自分の経験と常識を覆すような出来事だった。
まさか夢かと思うにしても、的となっていた今は無惨な姿の大木がそれを許してはくれないのだった。
俺はこの街の出身で長年ウォリアーとして冒険者をやってきた。
Lv.48と言ったらこの辺ではなかなか見かけないし、他の街でも熟練といっても過言ではない。
そろそろ落ち着いた生活をしようと、仲間と別れて故郷に戻ってからは訓練所で新人達の指導をしている。
訓練所に来る新人達は大体がギルドカードが作れるようになったばかりの15歲が多い。
誕生日その日にギルドでギルドカードを作ってその足で訓練所に来るのだ。
時々、商人なんかを経て冒険者になろうとする奴や転職で武器に慣れるために来る奴もいたりする。
武器は大体の奴が持参だが、持っていない新人なんかには木刀が支給されることになっていてある程度の剣の型も教える。
武器の使い方なんかを教えるとすぐに【始まりの草原】に出る。
モンスターと戦ううち武器に慣れるし、レベルも上がるから登録したばかりの冒険者以外は訓練所に来ることはほとんど無かった。
それが今までの訓練所の風景だ。
いつも通り出勤して朝一番でギルド登録をしただろう新人達に稽古をつけていると、奥の方から凄い音が聞こえてきた。
奥は確か弓練習所があったが、弓で戦うやつはあんまりいない。
それはこの街以外にも言えることで、弓は戦闘職じゃないって言う奴もいるくらいだ。
1番最近ではペルの奴くらいじゃなかったか?
何度か反対したが絶対に弓じゃなきゃダメだってんで、弓の引き方を教えたくらいだったが。
新人に教えた型の素振りをしておくよう指示して奥に向かう。
ドスッ... ヒュッ、ドゥンッ...
ヒュュー...バシッ、バシッ
見ると20代半ばくらいの男が黙々と目の前の的に弓を放っていた。
矢は全てと言っていいほど中心に集まっていて、中には大木で作った分厚い的を貫通しているものもあった。
「なんだ、こいつは...」
今まで長年冒険者をしてきたと自負しているが、ここまでの弓使いは見たことがなかった。
弓なんて毒薬を先端に塗って状態異常をかけたり、足止めくらいにしかならないからと馬鹿にしていたくらいだったから。
次に素早く弓を連射したり、2本同時に放ったり、果ては魔法を付与しているのか当たった瞬間に爆発するようなものもあった。
1本1本の威力はもちろん、狙いも正確に撃ち抜いている。
あれなら【薄暗い森】のべアールなんかは1、2本放つくらいで即死するだろう。
戦闘職の花形と言われるファイターの自分でも、一人でべアールを倒すのは結構な時間がかかるというのに。
暫くすると満足したのか、男は装備を整えて訓練所を後にした。
「あれはなんだったんだ...」
今までの自分の経験と常識を覆すような出来事だった。
まさか夢かと思うにしても、的となっていた今は無惨な姿の大木がそれを許してはくれないのだった。
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