いや、一応苦労してますけども。

GURA

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「できることならエドと旅をしたい」

その言葉に目線をテーブルに向けていたエドが私を見る。





「...ただ、エドは警備隊でしょ?しかも王都の。」


警備隊はレベルが高くないと入れない。レベルが高いということは戦闘経験が豊富ということだ。

そのため警備隊は若くても20台後半が多い。



その中でも王都の警備隊は特別といっていいだろう。

この国の中心人物がいる王都を守る警備隊なのだ。弱いやつが形だけで入っても役には立たないし入る事はできない。

ゲームの公式設定みたいなやつでも王都警備隊はエリート集団とか書いていたし。



「王都警備隊に入るためには並みの努力では難しいと思う。だからエドは連れていけない。これは決して足で纏いだから言ってるわけじゃない」


ごつごつした大きい手には見てわかるほど多くの剣ダコがある。

きっと真面目なエドは休みの日も毎日といっていいほど訓練をしているんだろう。




いままではゲームだったから気が付かなかったけど。

ゲームの中が現実世界となった今ではこんな些細なことにも気づく。



真剣な目で私のことをみつめるエドを私もじっと見返す。



「...わかった。」



さすがに目的もふわっとして緩い私の冒険なんかにエドを連れていくわけにはいかない。


エドはもっと強くなると思う。

それに一生の別れでもないから会おうと思えばいつでも会えるしね。

すでに私のフレンドリストにはエドが入っているし、マップ確認でどこにいるかも把握できる。

あれ、エドも言ってたけど私ストーカーじゃない?





「...俺はあと1年しない内には王都に戻る予定になっている。」

「え?そうなの?」



急に話が変わり告げられた内容に驚く。

エドはいま王都から派遣されているからいつかは王都に戻ると思ってはいたけど意外と早かった。


王都に戻ると言うことは、もうこうやって私の家でお茶を飲むこともなくなるのか。

なんか寂しいな。




「だから...、俺が王都に戻ったその時、俺はもっと強くなっている。きっと。...その時にはメグルの冒険に一緒に連れて行ってくれ」



きっとエドなりの決断なんだろう。

苦労して入った警備隊よりも私なんかと冒険がしたいという。


不謹慎だと思うが嬉しい。
これって殺し文句じゃん。



もう私が男でもいいから結婚してくれないかな?

嫌、ダメだな...。



「わかった。その時には一緒に冒険しようよ。もっと強くなったエドを見るの、楽しみにしてる!」


私が答えるとエドは今までで一番いい笑顔を見せてくれた。

このイケメンほんとに破壊力やばい。


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