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1章ラギルダンジョン編
Side住野桜
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その翌日だった。
王角くんが私の部屋に来た。つまり司馬くんが帰ってきたということだ!良かった…。ようやく心が落ち着いた。だからだろう。
「司馬が死んだ」
王角くんが何も言っているか意味がわからなかった。でも、徐々に理解した。まだ完全には理解していないけど…
「どういうこと!?」
自分でも信じられないぐらいの大きな声が出た。でも、そんなことは今はどうでもいい!彼に迫って聞いた。
「うっ!?俺達が9層の橋を渡っていたら魔物が現れたんだ!それに司馬が巻き込まれて落ちた!」
「そんな…」
「司馬は最後に「住野さんをよろしく」と言ってたよ。」
そんなこと聞きたくない!私は王角くんを無視してキリカ団長の元に向かった。
司馬くんが死んだなんて言う真実を信じたくなかったから。
「司馬様は…お亡くなりになりました。」
嘘だ!!助けてくれるっていったじゃん!!絶望した。
そこからどうやって部屋に戻ったのか記憶にない。ただ気づけばベッドに潜り込んでいた。何もする気が起きない。死のうかな…。とさえ思った。
あんな会話が最後になるなんて…。私はまだ司馬くんに私の気持ちを伝えていないのに…。私は司馬くんを守るために強くなったのに…。それなのに…!
心の中では司馬くんがいないという絶望と気持ちを伝えていないことと、彼を守ることが出来なかった後悔で埋め尽くされていた。
そこから3日が経った。既に訓練は再開しているのだけど、私は参加していない。強くなる理由がもうないからだ。
毎日王角くんが「大丈夫だよ!ほら、俺が慰めてあげるさ!だから扉を開けてよ!元気だして!」と言ってくるが正直どうでもいい。今はそっとしておいて欲しい。
最初は涙しか出てこなかったけど、今はもう涙すら出てこない。
あぁ、全てがどうでもいい。そう思っていると、
コンコンっ
「失礼します」
一人のメイドが入ってきた。私の専属メイドではない。誰だろう?
「初めまして住野様。私は司馬様のお世話をしておりました、リズと申します。」
司馬くんの専属メイドだった人らしい。何をしに来たのだろうか?
「今の住野様の心中お察しします。」
初めて会った人に私の何が分かるというのだろう?
「たった1ヶ月という短い時間でしか司馬様と関わることはございませんでしたが、それでも彼の素晴らしさと優しさは理解することが出来ました。」
私はどんどんイラついてしまい、とうとう大声で叫んでしまった。
「貴方に私の何が分かるですか!?それに…今は…彼の話は私にしないでください!!」
言い終わってからやってしまったと思った。初対面の人にいきなり怒鳴るなんて…。何をやっているのだろう。
しかし、リズさんは微笑んでいた。
「好きなのですね。司馬様のことが。」
「っ!!?」
頬が赤くなるのがわかる。どうしてそんなことが分かったのだろう。
「なんとなくですよ。女の勘です。」
そんなことで当てられたのではたまったものじゃないですけど。
「過去に1度だけ司馬様が私に住野様について教えてくれたことがありました。」
「えっ!?」
彼が私の事をどう思っているのかリズさんは知っているということだろうか?すごく気になる。
彼のことを忘れようとしていたのになぁ。
「迷惑に感じることもあったけれども、毎日挨拶してくれる学校での唯一の友達だ。いつも感謝している。そう仰っていました。」
そっ…かぁ。恋愛感情とかは持っていなさそうだけど、とても嬉しい。迷惑に感じることがあれば言ってくれれば良かったのに。
彼の事を必死に忘れようとしていたのに、今では彼の事ばかり考えてしまっている。
でも…彼はもういない…。
その事に気づいた瞬間にまた泣きそうになった。
「司馬様はまだ亡くなったっと決まったわけではございませんよ。」
「え?」
どういう事だろうか?彼は死んだって皆言ってるのに…。
「失礼ながら彼の身に起こった経緯は聞きました。彼は橋から落ちただけで、まだ死んだとは決まっていません。誰も死体を見ていないのですから。」
そう言われてみればそうだ。落ちた先で偶然生きているかもしれない。それならば今も…。
「可能性はとてつもなく低いですが、0ではありません。ですが、司馬様は「無」職とわかった後でも絶望に埋めつくされてはいませんでした。すぐに自分が出来ることを探して、常に足掻いておられました。」
そうだ。1人でも訓練して、みんなのために知識を蓄えていた。
「司馬様は諦めが悪いですから、今もきっと生きておられます。」
彼はいつも諦めていなかった。ずっと努力していた。そんな彼が今の私を見たらなんと言うだろう…。
「住野様が絶望するのはまだ早いのではありませんか?彼が今の住野様の立場ならまだ諦めていなかったと思いますよ?」
そうだ。まだ希望を捨てるのは早い。限りなく0に近いが、彼は生きているかもしれない。ならば今の私がすべきことは…。
「ありがとう、リズさん。元気出てきた。」
「それは良かったです。」
「私、訓練に参加してくる。そして強くなって彼を助ける!」
「いってらしゃいませ」
そうして私は着替えて魔法の訓練に参加しに行く。
いつか彼を助けるために。
そして彼に出会って…
私の気持ちを伝えるために…
後書き
はい。これで終わりです。
次からは司馬太一視点になります。
王角くんが私の部屋に来た。つまり司馬くんが帰ってきたということだ!良かった…。ようやく心が落ち着いた。だからだろう。
「司馬が死んだ」
王角くんが何も言っているか意味がわからなかった。でも、徐々に理解した。まだ完全には理解していないけど…
「どういうこと!?」
自分でも信じられないぐらいの大きな声が出た。でも、そんなことは今はどうでもいい!彼に迫って聞いた。
「うっ!?俺達が9層の橋を渡っていたら魔物が現れたんだ!それに司馬が巻き込まれて落ちた!」
「そんな…」
「司馬は最後に「住野さんをよろしく」と言ってたよ。」
そんなこと聞きたくない!私は王角くんを無視してキリカ団長の元に向かった。
司馬くんが死んだなんて言う真実を信じたくなかったから。
「司馬様は…お亡くなりになりました。」
嘘だ!!助けてくれるっていったじゃん!!絶望した。
そこからどうやって部屋に戻ったのか記憶にない。ただ気づけばベッドに潜り込んでいた。何もする気が起きない。死のうかな…。とさえ思った。
あんな会話が最後になるなんて…。私はまだ司馬くんに私の気持ちを伝えていないのに…。私は司馬くんを守るために強くなったのに…。それなのに…!
心の中では司馬くんがいないという絶望と気持ちを伝えていないことと、彼を守ることが出来なかった後悔で埋め尽くされていた。
そこから3日が経った。既に訓練は再開しているのだけど、私は参加していない。強くなる理由がもうないからだ。
毎日王角くんが「大丈夫だよ!ほら、俺が慰めてあげるさ!だから扉を開けてよ!元気だして!」と言ってくるが正直どうでもいい。今はそっとしておいて欲しい。
最初は涙しか出てこなかったけど、今はもう涙すら出てこない。
あぁ、全てがどうでもいい。そう思っていると、
コンコンっ
「失礼します」
一人のメイドが入ってきた。私の専属メイドではない。誰だろう?
「初めまして住野様。私は司馬様のお世話をしておりました、リズと申します。」
司馬くんの専属メイドだった人らしい。何をしに来たのだろうか?
「今の住野様の心中お察しします。」
初めて会った人に私の何が分かるというのだろう?
「たった1ヶ月という短い時間でしか司馬様と関わることはございませんでしたが、それでも彼の素晴らしさと優しさは理解することが出来ました。」
私はどんどんイラついてしまい、とうとう大声で叫んでしまった。
「貴方に私の何が分かるですか!?それに…今は…彼の話は私にしないでください!!」
言い終わってからやってしまったと思った。初対面の人にいきなり怒鳴るなんて…。何をやっているのだろう。
しかし、リズさんは微笑んでいた。
「好きなのですね。司馬様のことが。」
「っ!!?」
頬が赤くなるのがわかる。どうしてそんなことが分かったのだろう。
「なんとなくですよ。女の勘です。」
そんなことで当てられたのではたまったものじゃないですけど。
「過去に1度だけ司馬様が私に住野様について教えてくれたことがありました。」
「えっ!?」
彼が私の事をどう思っているのかリズさんは知っているということだろうか?すごく気になる。
彼のことを忘れようとしていたのになぁ。
「迷惑に感じることもあったけれども、毎日挨拶してくれる学校での唯一の友達だ。いつも感謝している。そう仰っていました。」
そっ…かぁ。恋愛感情とかは持っていなさそうだけど、とても嬉しい。迷惑に感じることがあれば言ってくれれば良かったのに。
彼の事を必死に忘れようとしていたのに、今では彼の事ばかり考えてしまっている。
でも…彼はもういない…。
その事に気づいた瞬間にまた泣きそうになった。
「司馬様はまだ亡くなったっと決まったわけではございませんよ。」
「え?」
どういう事だろうか?彼は死んだって皆言ってるのに…。
「失礼ながら彼の身に起こった経緯は聞きました。彼は橋から落ちただけで、まだ死んだとは決まっていません。誰も死体を見ていないのですから。」
そう言われてみればそうだ。落ちた先で偶然生きているかもしれない。それならば今も…。
「可能性はとてつもなく低いですが、0ではありません。ですが、司馬様は「無」職とわかった後でも絶望に埋めつくされてはいませんでした。すぐに自分が出来ることを探して、常に足掻いておられました。」
そうだ。1人でも訓練して、みんなのために知識を蓄えていた。
「司馬様は諦めが悪いですから、今もきっと生きておられます。」
彼はいつも諦めていなかった。ずっと努力していた。そんな彼が今の私を見たらなんと言うだろう…。
「住野様が絶望するのはまだ早いのではありませんか?彼が今の住野様の立場ならまだ諦めていなかったと思いますよ?」
そうだ。まだ希望を捨てるのは早い。限りなく0に近いが、彼は生きているかもしれない。ならば今の私がすべきことは…。
「ありがとう、リズさん。元気出てきた。」
「それは良かったです。」
「私、訓練に参加してくる。そして強くなって彼を助ける!」
「いってらしゃいませ」
そうして私は着替えて魔法の訓練に参加しに行く。
いつか彼を助けるために。
そして彼に出会って…
私の気持ちを伝えるために…
後書き
はい。これで終わりです。
次からは司馬太一視点になります。
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